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『夏の夜の夢』
“A Midsummer Night's Dream”
《ざっくりしたみどころ(あらすじのあらすじ?)》
・いたずらな妖精パックのつける惚れ薬で、男女の恋の糸はもつれまくり。婚礼をひかえ、ハッピーエンドになるか?
《あらすじ》
4日後に婚礼を控えるアテネ王シーシアスのもとに、老臣が自分の娘を訴えに出る。なぜなら自分は、娘のハーミアをディミトーリアスと結婚させたいと思っている。しかしハーミアは恋人のライサンダーとの結婚を望んでおり、ディミトーリアスとは結婚したくないというからだ。
アテネの法律では、娘は自分の父親の選んだ相手と結婚しなければならず、それを拒む場合は、死刑になるか生涯尼として男と離れて暮らすしかない。シーシアス王はよく考えるようにと促して去るが、納得できないハーミアとライサンダーは、夜に森で落ち合い駆け落ちを決意する。そしてそれを、その場にやってきた友人のヘレナに話す。
ヘレナとディミトーリアスはもともと恋人だったのだが、今はディミトーリアスは心変りして、ヘレナを極端に冷たくあしらっている。しかしヘレナの気持ちは変わらないので、避けられているディミトーリアスに会いたい一心で、このヘレナとライサンダーの駆け落ち計画を話してしまう。そこで、ディミトーリアスは二人を追って森へ。それを追いすがる、ヘレナ。
関係がややこしくなるので、図で示します。「→」はこの方向への片思い。「=」は相思相愛。
相関図:ヘレナ → ディミトーリアス → ハーミア = ライサンダー
一方森の中では、妖精の王オーベロンが夫婦喧嘩の真最中。王妃寵愛の小姓を、オーベロンが欲しくてたまらないからだ。そこで惚れ薬をつかって、王妃があらぬ相手に目を奪われている隙に、小姓を奪う計画を立て、妖精パックに惚れ薬をとりに行かせる。
この惚れ薬は花で、眠っている者のまぶたに塗ると、眼を開いたときに最初に見た者を深く愛してしまうのだ。
オーベロンは森にさまよってきたハーミアら4人の男女についても、ディミトーリアスがヘレナを好きになってめでたしめでたしになるように、この惚れ薬をつけるようパックにおせっかいをする。しかしそこはうっかり者のパック、間違えてディミトーリアスではなくライサンダーに薬をつけてしまう。そこにヘレナ登場! コントのようにヘレナに熱愛し始めるライサンダー。
相関図:ハーミア → ライサンダー → ヘレナ → ディミトーリアス
ヘレナは大困惑して、逃げる逃げる。気色悪いですもん。この様子を見てオーベロンは激怒。関係を正しくするために、ディミトーリアスに惚れ薬をつけてヘレナを見させる。それまでの冷たい態度とは裏腹に、歯も浮くような愛のことばをヘレナに語りかけるディミトーリアス。ヘレナはとても信じられない。そこにライサンダーもいるため、ライサンダーとディミトーリアスはヘレナに愛を宣言しながらも、お互いに激しく対立。これを見たハーミアはヘレナを烈しく叱責。しかし、ヘレナはこの極端な変化が信じられず、3人がグルになって自分をからかっているのだと思う。
相関図:ハーミア → ライサンダー → ヘレナ ← ディミトーリアス
ディミトーリアスとライサンダーがいよいよ剣を抜き、決闘になりかかったところで、妖精たちは4人を眠らせ惚れ薬を解く。翌日朝、王が森に出ると4人が並んで寝ている。そして目が覚めると、関係は元に戻っている。が、ディミトーリアスだけが、元のヘレナを思う気持ちにかわっている。
関係図:ハーミア = ライサンダー ・ ヘレナ = ディミトーリアス
めでてし、めでたし。
そしてもう一つ、このストーリーの裏側で、オーベロンの王妃と職人の芝居の稽古の話が並行します。
職人はシーシアス王の結婚式の余興でする芝居の練習中。演目は、ピラマスとシスビーで、およそ婚礼にふさわしくない(変身物語:恋する二人が駆け落ちするも、落ち合う場所でライオンがあらわれ若者はマントを残して逃げる。そのマントを見て恋人が死んだと思った娘は自殺。戻ってきた若者は、死んでいる恋人を見て自らも死ぬ)。ばれないように森で稽古するも、もう芝居といえたものじゃない。ライオンが出てきてはご婦人がびっくりするといけないので、「自分はライオンのかぶり物していますが、実は人間です」と言ってから演技しようなどといった、楽屋落ちだらけ。
そこで若者約の男にパックはロバの頭をかぶせる。それを見て、役者たちは化け物だと思って逃げるも、惚れ薬つきの妖精の王妃はそれ見てロバ頭に熱愛。世にも珍妙な世界が出来上がる。
最後は王妃の惚れ薬も解かれ、ロバの頭もとられる。
そして婚礼のあと、3組6人のカップルは、楽屋落ちでずたずたになった職人たちの芝居を突っ込みを入れながら観劇し、幕。
《感想》
4人が森で、ハチャメチャになっていくのはとても面白い。特にヘレナが素晴らしい。ハーミアは美しくてちやほやされるそれを鼻にかけている。ヘレナはハーミアと同じように美しいのだが、なぜかのぞんだものが手から滑り落ちていくタイプ。薄幸の乙女。何だかネガティブなオーラを出し続けている。影のある女。
ディミトーリアスはヘレナに「ぼくは君を愛してはいない。ついてくるな。君の顔を見ると胸が悪くなる。君なんか好きじゃない。好きになれもしない」などと、むちゃくちゃな事を言います。
これに対してヘレナは、「そう言われれば言われるほど、あなたを好きになる。私はあなたのエスパニエル犬よ。ぶたれればぶたれるほどじゃれつくの。私をエスパニエル犬なみに扱ってください。蹴とばして、ぶって、ほっといて、でも後生だからお供をさせて。せめて犬なみにかわいがってください」というのです。
ひょえ~。なんだか、いけない世界をのぞいているようなこの背徳感。
しかし森に入ると、きれいにこのハーミアとヘレナの立場が逆転してしまう。この喜劇的混乱。あざやかとしか言いようがありません。こんだけきれいに決まると、もはや「型」ですね。みごとです。
あとは、余興の職人劇のシーン。これが芝居の半分を占めていますが、これが今一つ私にはよくわからない。確かにロバ頭の小汚い職人を熱愛する妖精の王妃ってのはシュールですさまじいのですが。
西洋的教養とかバックボーンがあると、分かるのかもしれませんね。シェイクスピアが日本人なら、劇中劇は変身物語のパロディではなく、心中もののパロディになったのでしょうか? ああ、婚礼にはふさわしくない。
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