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しもやけの治療に皮膚科にいき、待合い室にあった「信濃の昔話集」をみていたら「ふんどし地蔵」の話が。”しもやけ”が導いてくれたこのお話紹介します。信濃は今年はものすごく寒い。我が家は朝-15℃。山沿いは深い雪です。
北信濃地域 下水内郡栄村につたわる話「信州の民話伝説集成・北信編」
「ふんどし地蔵」
むかし、じいさとばあさがおったと。歳の暮れになって、ばあさが思ったと。
「おらのじいさ、年中畑仕事してくれたで、なにか喜ぶことしてやりてえもんだが、そうだ、じいさんのふんどし古くなったさけ、新しいのを買ってやらず」
そこでばあさは、町に来て、晒しを一反買ったと。
(一反ありゃ、じいさのふんどし何本もできるわな。じいさ喜ぶだろ)
ばあさも嬉しい気分で山道を帰ってきたと。
帰るころから雪が降り出し、峠まできたら地蔵さまが雪をかぶって寒そうださけ、ばあさは買ってきた晒しを地蔵さまにぐるぐる巻いて、家に帰ってきたと。
「じいさのふんどし古くなったで、晒し買ってきたでも、地蔵さま雪さかぶってかわいそうださけ、地蔵さまにくれてきた」って言ったら、じいさも、
「ばあさ、いいことしたのう。おら、そげな新しいふんどしいらねえさけ」
と言って、年取りの晩は、二人ではやばやと寝ちまったと。
夜中のこと。
ほいしょ ほいしょ
おさんの家は ここかいな
地蔵大仏来たわいな
大きな歌声が響いてきたと。聞いたこともねえ歌声だから、じいさとばあさは息を殺しておったら、「ドッシーン」でっかい音がしたもんで、じいさとばあさは、ふとんにくるまって震えておったと。
朝がきて板戸を開けてみると、米の俵と麦や豆の袋が、たーんと軒先に積んであって、雪の上には大きな足跡が峠のほうへ続いておったと。
「お地蔵さまの足跡じゃ、ナモナモナモ・・・・」
じいさとばあさは、それからずっと安楽に暮らしたって。それっきり。
この話にも「ふんどし」がでてきた。なんで「ふんどし」なのだろう?不思議だな。昔はふんどし1本を大切に大切に使っていたのだろうな。
すごく大切なものだったのだろう。 |
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