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『スーホの白い馬』 勝手な物語解釈論 09月26日 (水)
初稿-2002年1月 改定-2011年9月

スーホの白い馬で注目すべきは,けいばにスーホを誘ったなかまのひつじかいたちでしょう。

彼らはどのような思いを持ち続け,スーホとの時間と空間を過ごしたのでしょうか? 

けいばに対し,何気なく発したなかまたちの誘いのことば

「ぜひ,白馬に乗って,けいばに出てごらん」。

誰もがスーホの活躍を期待して投げかけたことば。
もちろんその時は,スーホ自身もそのことばがこれほどまで大きなことばになるとは思ってもみなかったでしょう。
とのさまのむすめと結婚できるという期待より
「白馬と共に草原を一番で駆け抜けることができるんだ」という期待でスーホの気持ちは膨らんでいたのでしょう。

そして,期待通り,スーホは白馬と一つになり,草原を駆け抜けました。
結果はもちろん一とう。スーホはもちろん,なかまのひつじかいも自らのことのように大いに喜んだことでしょう。

でもすべては彼らの考えた通りにはなりませんでした。

スーホはびんぼうなひつじかいなのです。

とのさまに白馬は取り上げられ,スーホはなぐられ,けられます。

もし,競馬に参加しなかったら…・・・スーホはそう思ったかもしれません。
ぼくたちが誘ったから…・・・なかまのひつじかいは思ったかもしれません。

スーホはどのような思いをもちながら,なぐられたのでしょうか?
なかまのひつじかいたちは,スーホがなぐられ,けとばされる姿をどのような気持ちで見ていたのでしょうか?

うちに帰るまでの道すがら,
なかまのひつじかいたちはスーホにどのようなことばをかけたのでしょうか
(スーホは気をうしなっていますが…)?

そしてうちについた時,今の状態を人々に,
そしておばあさんにどのように説明したのでしょうか? 

スーホが気がつくまでの間,それぞれのうちでどのような思いで過ごし,スーホが気がついてからの日々もどのように彼と関わったのでしょうか? 

その意味でも,白馬がうちまで帰ってきたことは大きな意味があるのです。
帰ってきたことはスーホの為だけではないように思えます。
白馬はうちに帰ってくることで,すべての人々を許してくれたのではないでしょうか?
魂だけが帰って来ても良かったのです。
ただ,魂だけでなく,白馬そのものが帰ってくることによって,
誰もがスーホの元に白馬が帰ってきたことを知ることができるのです。

 
もちろん瀕死の状態で,スーホの元に帰ってきたことは素晴らしいドラマです。
二人(一人と一頭)の中にある信頼(絆)と愛情とも言えますが,
そこだけにスポットを当てるのはもったいない作品です。

もちろん二人にスポットは当てるべきでしょうが,
二人の運命は,周りにいた人々,そして住んでいた社会(世界)に翻弄されたのです。

スーホが殴られている時の民衆の気持ちや,
けとばすけらいの気持ちも考えてみる必要もあるかもしれません。
馬から落ちたとのさまは今までと変らないわがままな生活と変らない思想を持ち続けたでしょう。
でも馬から落ちた記憶はいつまでも残るはずです。
民衆たちもとのさまの横暴を知っても何もできないままでしょう。
でも,とのさまに意見したスーホの記憶は残るはずです。

『スーホの白い馬』という作品は,
美しい二人の友愛の作品以上にもっと訴えかけるものがあるはずです。
私としては,なにもアクションを起こせなかった人たちの気持ちも,
ぜひ表現して欲しいと思っています。

難しいことではないと思います。
殴られているスーホを見て,自分は何を思ったのか?
なぜ,止めることが出来なかったのか?
止めることができない自分をどう思ったのか? 

人には必ず,後悔した言葉かけがあると思います。
また人のことばで決心することも多くあるでしょう。

『スーホの白い馬』は,
改めて今の自分を見つめることが出来る作品だとおもいます。

あなたはこの物語,どう読みますか?
いつか,あなたの物語論を聞かせてください。

ラボ教育センター 北倉 武昭
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