幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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福音館のこどものともシリーズで年中向けとして出版された作品で、
小野かおるさんの素敵な挿絵が素敵な、春になっていくおはなしです。

絶版との噂もあり、うちのラボママは、日本語の絵本を書店では買えなくて、図書館でしか借りられなかったとおっしゃってました。

今では福音館では在庫なしとなっていて、アマゾンでは古書が数冊入手できる感じでした。
ネットのページによっては、なぜかハードカバーで売ってるところもありましたが・・・。

まぁ、そんな名作の「はるかぜとぷう」
最初出会った時、わたしは、春風とプウだと思いました。
よく読み進めると、どうも「とぷう」君という春風の男の子らしいと気づきました。笑

ラボでの英語タイトルは Spring breezes Huff and Puff.
Huff and Puffなんてことばは受験英語では習わないので、
受験英語しかやって来なかった"The日本人"の私にとっては、とても新鮮な響き。
ラボでは「へん、ぷいっ」と訳されていました。

かわいい。
「はるかぜ、へん、ぷい」というタイトルか。

あとあと、子どもたちと一緒にラボ活動をしながら、「とぷう」って突風か!?と気づいたりして
ネーミングのおもしろさにフフフと笑いがこみ上げてきた思い出深い作品です。

春風同士、いろいろとグループがあるらしく(渋谷のチーマーみたい。古い)
動物園ではテリトリー争い的ないざこざが起こります。
つむじ風となって、突風が吹きあれ、人間たちや動物たちに迷惑をかけます。
が、最後はライオンに大声で叱られて、こっそりと帰る春風たち。
お母さん春風はすっかりお見通しで、「おいたをしたのね!」と頭のうずまきをゴシゴシ拭いてくれるというお話です。

小さな子でも季節を感じる素敵なお話なので、どのクラスでも年齢関係なく、春に取り組んで楽しんでいるライブラリーのひとつです。

パーティでは動くけれど、発表まではもっていったことがなかったので、みななんとなく知ってるけど
セリフまでは憶えてないという段階。

2015年の7月の地区発表で、このお話を発表することに決めました。



《はるかぜ、パーティ合宿と、その後》

My Partyの子たちは習い事が多く、曜日をかえると参加できない事が多いのです。
私も重々承知しており、土日開催の場合は頭を悩ますところですが、
今回も、保護者のみなさんが本当にラボ活動の意義をよくご理解してくださり、
塾や試合などをものすごく調整して下さったお陰で、発熱した子以外は全員合宿に参加することができました!

ちょっとした誰かの発言や発見で、表現ががらりと変わったり、
皆で一緒に体験した事が共通認識や共通イメージにつながります。
だからこそ、その場に居るということが大切になってきます。
目立った発言をすることばかりが全てではなく、そこに居るだけでも、
子供の心の中には、疑問が生まれたり、発見があったり、おもしろいことがあったりするので、
この合宿での取り組みも、とても充実した実りの多い時間となりました。

合宿のテーマはもちろん「はるかぜとぷう」
外ではチーム対抗春風探しをしたり、風船運びをしたりして、普段の活動ではできないこともできました。

英語を覚えるということ以前に、「日本語がわかっていない」年代の子どもたちです。

小学生ですが「うっとり」はわかるけど「おっとり」はわからないとのこと。
なぜそれが浮き彫りになったのかというと、
ナレーションでは「さるはひっそり」「あざらしはおっとり」と言ってるのに、
動物役をやってる子たちがチャカチャカ楽しそうに動いていたからです。

ひっそりについては意味が分かる子がいて、一生懸命説明してくれたため、
なんとな〜く”静かな状態”という雰囲気は伝わった様子。
また、motionlessという英語から気づいた中学生が、モーション(動き)がレス(少ない)だから
動かないっていう意味もきっとあるよと説明してくれたので、
チャカチャカ動いてはいけないということに気づいた子ども達でした。

しかし、「おっとり」に関しては、意味のわかっているはずの中学生もうまく説明はできず(伝わらず)
「おっとりした性格、とか言うじゃない。知らない? おっとりした友達とかいない?
え〜と なんて言えばいいのかな・・・
ゆったりした感じって言えばいいかな。ゆっくりしてて、まったりした感じ?」
・・・と私からすれば十分丁寧な説明でしたが、

意味を知らない小学生は「え?それは、のんびりとは違うの?同じ意味?」と
????が余計に増えた様子でした。
 How lazy the leopard ひょうはのんびり、というナレーションがあるので、
のんびりはLazyでしょ?というわけです。
(ラボっ子は辞書ひいて覚えているのではないので、耳と感覚で判断しています。)

もう一人の子は
「おっとりとか、ゆったりとか、ゆっくりとかまったりとか、
 りが付くことばは、意味わかんなーい!」と言ってました。

確かに・・・。(笑)

基本的にテューターは説明しませんし、「教えません」から。(*TeacherではなくTutorです!)
自分で辞書ひいてみてごらんと促しました。
自分で疑問をもって、自分で学ぶからこそ身につくよと。

でも、きっと辞書ひいても、
おっとり=ゆったり、おだやかにおうような様子 とか書かれていて、
今度は鷹揚を調べたら、ゆったりとしてこせこせしない様子。おっとりとして上品なことなんて書かれていて、
おっとりに戻ってしまって、たらい回しにされるでしょうねぇ。(辞書あるある)

わからなかったらお母さんにも聞いていいよと言っておきましたし、
辞書まで引く子は決まってるので、きっと全員は調べて来ないはず。(苦笑)

そんなわけで、合宿で発見した「こどもたちが、おっとりという言葉をしらない」という事実。
「おっとりした動物」を表現しなくてはいけないのに、意味がわからないと表現はできないわけです。
適当にやってるから、チャカチャカした動物になっちゃうのです。さて、どうするか。

子どもたちに辞書ひいてごらんなんて言った手前、一応私も調べてみました。

まず「おっとり」と調べると
gently; quietly; calmly; urbane; Ingenuous; innocentなどなど...
こちらは英語がわかるから、gentlyは穏やかという感じだからまだ良いとしても
urbaneは洗練されたという感じだから、ちょっとニュアンスが違うかなぁ〜などど思っていました。

しかしライブラリーに出てくるsereneは一切出て来ないので、
逆にsereneを調べてみました。
うららかな、のどかなという天気に使うような意味と、
人に対して使う、落ち着いた,安らかな,平和なという意味もあるようで
なるほどなぁ、おっとりにぴったりだなぁと思いました。

この部分のナレーションを担当する子は、元々英語が得意だから、当然のように気づいていたけれども。
How happy the Hippo,
how lazy the leopard,
how motionless the monkeys,
how serene the seal,
という英語の部分を見るとわかるように、H, L, M, Sという頭文字が揃っているので
英語の方が音として覚えやすいのです。
なぜなら英語は韻を踏んで楽しむ文化があるから。

この「はるかぜとぷう」というお話は、今は絶版になっている小野かおるさんの作品です。
だからラボでないと手に入らない!
ですから、ラボで英語を後から付けたはず。
そこで韻を踏むことを忘れずに英語にしたところが素晴らしい〜〜〜〜と更にラボの良さを確認した私です。

motionless, sereneという単語については
学校レベル:大学以上の水準
大学入試:最難関大対策レベル
英検:準1級以上合格に覚えておきたい単語 とのこと。

そんなのラボっ子には関係ないですよね。(笑)これまた、ラボあるある。

日本語話す時に、過去完了は高校生で習うまで使っちゃだめとかいいませんからね。
ことばにレベルをつけて覚えるから、お勉強になっちゃうんだよなぁ・・・とぼやいたところで
日本の英語教育が変わるわけではないけれど。

ラボでは、大学水準だろうがなんだろうが、ナーサリーライムにでてくる古い英語だろうが
英語圏の子どもたちと同じように、意味もわからず耳から学ぶから
こういうことばの持つニュアンスに疑問を持つところまで気づけるのです。
そこが素晴らしいのです。

さて、合宿を終えて、
「おっとり」という意味はわかったのか?(笑)原点に戻ろう!

「おっとりって、どういう意味だった?わかった?」と質問をしてみました。

すると、一人の女子が「ゆっくりした感じだって。話し方とかもゆっくりしてるの。」
とのこと。

いや〜良かった良かった。ちゃんと調べてきてくれたんだね。

ウッキッキー、ウッキッキーと元気そうだったサル役も、ノミ取りをしながら「ひっそり」を表現しているようだし、
ウロウロしていたひょうも、「のんびり」という日本語よりも「Lazy」という英訳にぴったりな感じでダラ〜〜っとしています。

1週間すると、すぐにこの掴んだイメージを忘れてしまうので、
うららかな春の、のどかな昼間。うとうと居眠りしている穏やかな動物たちと
暑さの苦手なシロクマの雰囲気を、
また何度も何度も、しつこくしつこく確認し合いながら、進めていきたいなと思います。

まだまだ課題はたくさん。

みんなで散々話し合って、「春風は見えていない」と決めたはずなのに、
ワニは未だに春風に噛み付いているし・・・
動物園に遠足へ行く園児たちを演じている時には、
ワクワクしているどころか・・・本気で兄弟ケンカしているし・・・。
春のお花をやってるのが、飽きちゃって寝転んでしまう子もいるし。

発表が近づくと、イメージを手放してふと現実が顔を出すというようなことが少なくなってはいくけれど、
人に言われて動くのではなく、自分の思い描いたイメージで動くと気持ちも入るので、
花じゃなくてもいいんだよ、虫でも鳥でも、生き生きと自分の春のイメージを大事に
動いてごらんと伝えていきたいと思っています。



《発表直前の様子》

地区発表会1週間前の合同パーティー。
休会明けの2日目の子も加わっての、はるかぜとぷうのテーマ活動です。

その子は休会なんてどこふく風。
さすがに赤ちゃんの頃からラボで染み込んだ経験が物を言い、良い気づきを連発していました。

「この台詞は人間じゃなくて、動物だと思う。」

と言うことで、立つ場所も変わるし、言い方だって変わります。
ライブラリーを聞いて、ちゃんとイメージを持って来ているからこその説得力でした。さすが!

剣道の大会等で忙殺されているうちの中学生の息子も奇跡的に合流できて、さり気なく支えてくれました。
「前へ前へ、自分が自分が」という感じだった息子が、
支える側に回れるようになった事に、成長をみました。

もう一例。
仲良しの子と一緒なら大声でセリフを言えるけど、
Are you afraid of the alligator?というたった一文を
独りでは、心許なくてなかなか言えなかった女子。

彼女もだんだん言えるようになってきていました。

活動を終えて、全員で会場の掃除をしている時、1人のラボっ子が、重なった椅子の裏側で、
Wow! Rhino! という台詞を言ったのが私の耳に入りました。
「え?そんな所にサイがいたの?怖い!」と私がふざけて返すと
すかさず、他の子もWow! Tiger!などと言い始めました。

その時、例のシャイな女子が目を輝かせながら、
待ってましたとばかりに、ホワイトボードの裏に走って行って
Wow! Alligator! と言ってくれました。

あの時の輝いたドヤ顔!皆さんに見せてあげたい位です。

なんだ、たかだかワニという単語ひとつじゃないか、と思う方もいるでしょう。

でも違います。

本当に口を開けて肉にかぶりつくワニを見た時など
実体験があるとことばは宝物として心に留まります。
ラボでは、それに近い疑似体験です。

「ワニはどう?怖いかい?」と自分が聞いて、
相手が、歯も尖ってると答える。そんな場面をやっていて
ワニ役の子が口を開けてないと、歯が見えないじゃん!と話し合う。
今度、ワニ役が口をパクパクしすぎると、
春風に吹かれて気持ちよさそうにしてるはずなのに、
怒ってるみたいだと感想を言う。
言われた方は、やれと言われたからやっただけと反論。

じゃ、ワニって見たことある?
なんて話をしながら、ワニの動きを皆んなで再現してみたり
絵を描いたり。

そんな積み重ねのやりとりが「共通の思い出」としてあって、
尚且つ、やっと独りでも英語の一文を言える!という自信もついて、
そして本物の自分のことばになったのです。

だからきっと彼女は何十年経ってalligatorという単語は忘れないはずです。

そんな、遠回りにも見えるラボの英語習得ですが、
本人達が、心を動かし、楽しみ、そして口に出してるので、
お勉強で覚えた単語の何倍も、大切な宝物となっています。
発表を終えた後が更に楽しみです。


《発表を終えて》

年に一度の地区発表会を終えました。

小学高学年と中学生が発表当日に出られるかどうかが不明の中、
大きな子に頼らないで、自分たちだけで丸ごと楽しめるお話にしよう!と呼びかけると、
低学年の子達、そして初参加の子も一生懸命考えて、「はるかぜ とぷう」に決定したのでした。

当日には、場立ち確認もしたはずが、
運動場の場面では、遊具の場所が全然違う所になり、一箇所に固まってしまったり、
ナレーションが入る前に、さっと次の場面に動こうねと何度も何度も動いたはずが、やはり忘れてしまって
ナレーションを聞いてから、それに合わせて動いたり。
ライオンのたてがみや尻尾で遊ぶ場面は、もっと伸びやかに動き回っていたのが、本番では、なぜか全員でたてがみを綱引きのように引っ張っていたり…笑

細々言ったら、反省点はそれなりにありますが、
まずは、今のメンバーの年齢にぴったりのお話で良かった!

そして、本当の兄弟だから、すぐに役を忘れてほんとの兄弟喧嘩になってしまっていた子たちが、
ちゃんと目を見て「会話」をしていてとても良かったです。

喧嘩の場面もニヤニヤせずにできたし、
舞台全体を使いながら、人間の喧嘩にならないように気を使って春風らしくと意識していたことは伝わったので、とても良かったと思っています。

終わって、子どもたちそれぞれの感想も様々。
自分なりの満足度が高い子。細々反省はあるけど達成感はあった子。
緊張しなくなったと嬉しそうにいう子。
舞台なのを忘れて楽しかったと朗らかに言う子。
前の発表よりよくできたと、自分なりに成長を感じたらしい子。いろいろ感じられて良かったね。

「春は感じられた?」というわたしからの質問。

子どもたちなりに、ちゃんと受け止めて考えてくれて、しばしの沈黙の後、

「春・・・というより、戦って夏みたいに暑かった。」

「お母さんに、もう次の場所行くよ、と言われた時には、あぁもう役目が終わったんだなと思った。」

「ちょうちょう、飛べてるかな?と思った」

などと素敵な感想を聞かせてくれました。
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