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Re: 私達の住む世界 [ テーマ ] |
10月25日 (水) |
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毎週火曜日の朝は、村の医院に通勤する為、田園地帯のドライブを片道25分ほど夫と楽しんでいます。
市街地を抜けると、一面の田んぼが広がり、遠く山裾まで続いています。ところどころに、畑もあります。田植え前の水を張った鏡を並べたような田、整然と並んだ苗、青々と茂る稲、黄色に色づいてだんだん稲穂が垂れていく様子。刈り入れが始まり次々と四角い平らな田に戻っていく様子。藁を焼く匂い。田が、畑の作物が季節によって移り変わっていく楽しさ。
医院の患者さんはほとんどの方がベテランのお百姓さんなので、作物の事をいろいろと教わります。その、深い知識と経験に、プロの仕事にたいする愛情と誇りそして凄味を感じています。田を維持して行く為の素晴しいシステムが、長い間存在して来たことも驚きでした。「このシステムは、一度失われてしまったら、もうもとにはもどらない。」と思います。
広い広い田んぼの中に五、六本の大きな木に囲まれた小さなお社が、一集落に一つぐらいづつ点在しています。何年もこの風景を見ている内に、このお社は、遠い昔、このあたりが、森だった時の記憶ではないかと感じるようになりました。森を切り拓いて農地を造りだした人々は、そこから追われた動物や植物の魂を悼んで、数本の木からなる木立を残し、お社を建てたのではないでしょうか。
私達はその人々とつながっている。神話の世界の人々とも。ダルシンたちとも。
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