***** LABO MASE PARTY 2004 *****
【サンタクロースは本当にいるの?】
こどもたちには、できるだけ長く信じて待つ心をもっていてほしいと思っています。
だから、「本当にサンタクロースっている?」って聞かれるそのたびに、『信じている人のところにやってくるの!」って答えています。
でも、大きくなってそれなりに物心がついてくると、誰もが一度は考えますよね?
『サンタクロースっているんでしょうか?』って・・・
実は今から百年以上も前の、アメリカのニューヨーク・サンという新聞の社説に、その答えが取り上げられました。
とても有名なお話ですので、ご存知の方もたくさんおられることと思いますが、「聞いたことが無い」という方のためにご紹介させていただきます。
少し長いかもしれませんが、じっくりとお読みいただけると嬉しく思います。
本当に『サンタクロースっているんでしょうか?』
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Dear Editor:
I am 8 years old and Some of my little friends
say there is no Santa Claus.
Papa says "If you see it in The Sun it's so"
Please tell me the truth, is there a Santa Claus?
Virginia O'Hallon
115 Wese 95th Street
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きしゃさま
あたしは八つです。
あたしの友だちに、「サンタクロースなんていないんだ。」って
いっている子がいます。
パパにきいてみたら、
「サンしんぶんに、といあわせてごらん。しんぶんしゃで、サンタクロースがいるというなら、そりゃもう、たしかにいるんだろうよ。」
と、いいました。
ですから、おねがいです。おしえてください。サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?
バージニア・オハンロン
ニューヨーク市 西九五丁目一一五番地
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VIRGINIA, your little friends are wrong. They have been
affected by the skepticism of a skeptial age. They do not
believe except what they see. They think that nothing can
be which is not comprehensible by their little minds. All minds,
VIRGINIA, whether they be men's or children's, are little. In
this great universe of ours man is a mere insect, an ant, in
his intellect, as compared with the boundless world about him,
as measured by the intelligence capable of grasping the whole
of truth and knowledge
Yes, VIRGINIA, there is a Santa Claus. He exists as certainly
as love and generosity and devotion exist, and you know that
they abound and give to your life its highest beauty and joy.
Alas! how dreary would be the world if there were no Santa Claus.
It would be as dreary as if there were no VIRGINIAS.
There would be no childlike faith then, no poetry, no romance to
make tolerable this existence. We should have no enjoyment,
exception in sense and sight. The eternal light with which childhood
fills the world would be extinguished. Not believe in Santa Claus!
You might as well not believe in fairies! You might get your papa
to hire men to watch in all the chimneyss on Cristmas Eve to catch
Santa Claus, but even if they did not seen Santa Claus coming down,
what would that proved? Nobody sees Santa Clause, but there is no
sign that there is no Santa Claus. The most real things in the world
are those that neither children nor men can see.
Did you ever see fairies dancing on the lawn?
Of course not, but that's no proof that they are no there.
Nobody can concieve or imagine all the wonders there are unseen
and unseachable in the world. You may tear apart the baby's rattle
and see what makes the noise inside, but there is a veil covering
the unseen world which not the strongrst man, nor event the united
stregth of all the strongest men that ever lived, could tear apart.
Only faith, fancy, poetry, love, romance, can push aside that curtain
and view and picture the supernant beauty and glory beyond. Is it all real?
Ah. VIRGUNIA, in all this world there is nothing else real and abiding.
No Santa Claus! Thank Good! he lives, and he lives foerver.
A thousand years from now, VITRGINIA, nay, ten times ten thousand years
from now, he will continue to make glad the heart of childhood.
From the editorial of The Sun. September 21, 1897
バージニアさん、お友達は間違っています。みんな、疑う時代の
疑い病に慣れてしまっているのです。自分に見えることだけしか信
じません。心が狭くて、分からないことは無いこと思っているので
す。バージニアさん、そのような人は大人であっても子どもであっ
ても、心が狭いのです。真実と知識の全てを分かることができる知
恵や人を取り巻く広い世界に比べ、我々のこの大きな宇宙で、人は
知恵において虫や蟻にすぎません。
そうです、バージニアさん、サンタ・クロースはいるのですよ。
愛や広い心や敬虔さと同じ様に、サンタ・クロースは確かにいます。
愛や広い心や敬虔さは、あたの人生を美しさと楽しさに満ち溢れた
ものにしていることをあたなたはよく知っていますね。サンタ・ク
ロースがいないなら、ああ、世界はどんなに寂しくなるでしょう。
バージニアがいなかったら、どんなに寂しくなるのかと同じです。
子どもらしい誠実な心がないなら、そうなればこの現実に耐えられ
るようにしてくれる詩や物語もなくなります。我々は楽しみを持て
なくなり、ただ感覚と視覚的なものだけになってしまうでしょう。
子どもらしさがその光明でこの世界を満たしていた、その永遠の光
も消え失せてしまいます。
サンタ・クロースがいるって信じない、ですって! 妖精がい
るって、信じないというのと同じです。クリスマス・イブに煙突み
んなを見張りサンタ・クロースを捕まえ証明しようと、人を雇って
とお父さんに頼んでみるのもいいのですが、その人達が降りてくる
サンタ・クロースをだれも見なかったとしても、それが証拠になる
のでしょうか?だれもサンタ・クロースを見ていませんがサンタ・
クロースがいないという証拠にはなりません。
この世界でもっとも現実的なものは、子どもにも大人にも目で見
ることができるようなものではありません。芝生で踊っている妖精
を見たことがありましたか?
勿論ありませんね、しかし妖精がいないという証拠にはなりません。
誰かが、この世界で目に見えなく探すこともできない不思議なこと
全部を思い付いたり「存在しないもの」を思い描いたりしたのもの
ではありませんし、そんなことのできる人はひとりもいません。
赤ん坊のガラガラおもちゃをこわし、内側で音を出しているのは
何かを目で見ることはできます。しかし目に見えない世界のベール
は、一番力持ちの男でもまた今まで生きていた力持ちが集まっても、
引き裂くことができないものです。信頼・想像力・詩・愛・物語だ
けがそのカーテンを上げ、その向こうに在る素晴しい美しさと輝き
を見せありありと描いてくれます。それ全部、事実なの? おー、
バージニア、この世界でこれほど真実で長くつづくものは、他には
ありません。
サンタ・クロスはいないって! ありがたいことに、彼はいて、
また永遠に生きています。バージニアさん、今から千年も、いや今
から一万年の十倍も子どもの心に喜びを与え続けるのですよ。
サン新聞編集者から。 9月21日1897年
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この「ニューヨーク・サン」新聞にのった社説は、今では古典のようになって、クリスマスの時期が近づくと、アメリカのあちこちの新聞や雑誌にくり返し掲載されるといいます。
日本でも、1977年12月24日の朝日新聞の天声人語をはじめ、読売新聞の社会面やNHKなどで紹介されています。
これを書いたのは、フランシス・P・チャーチ(1839-1906)という同社の記者でした。この人について、当時の編集長は、回想録に「人間生活のあらゆる面について、深い洞察力とするどい感受性をそなえた人物だった」と記しています。まやかしや不正をどこまでも追及する記者魂とともに、ゆたかな想像力と暖かい同情心をそなえていた人だったと思われます。
ある日編集長はチャーチに、幼い筆跡で書かれた一通の手紙をわたして、この子への返事を社説に書いてみないかといいました。八歳の子どもへの手紙を社説に? チャーチは、はじめはぶつぶついいましたが、やがて机に向かって書き上げたのが、上記に紹介した文章です。
その中には、ただ子どもの心を大切にしたいといった、優しい気持ちだけではなく、それ以上に大人に向けた警鐘を含んだ、すばらしい文章となっています。物質的に豊かになるその反面、精神的な貧しさが増幅されていくことに、新聞記者として気付いていたのかもしれません。
いずれにしろ、サンタクロースはいるのです。
大切なものは、おとなにもこどもにも見えない、見えないけれど、
「この世の中に、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです。」
あなたにも、わかっているでしょう。世界にみちあふれている愛やまごころこそ、あなたのまいにちの生活を、美しく、楽しくしているものなのだということを。
もしもサンタクロースがいなかったら、この世の中は、どんなにくらく、さびしいことでしょう!
~ Christmas Count Downより~ |
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