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三澤制作所のラボ・カレンダーをめくる はちゃめちゃ葉月のアリス 07月31日 (月)
今朝は5時に目覚めたが、
またウトウトして6時に起きた。
顔も洗わず、うーっとかうめきながら
よろよろとカレンダーをめくり、
それからシャワーを浴び、
朝の自然光のなかで朝食をとりながら
2メートルくらいの距離からながめ、
片付けてからコーヒーを飲みつつ
手元でじっくりと観た。
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このところ、けっこうめんどくさいことが
私的周辺にあり、
みなさんご存じのように
世の中的にもはちゃちゃでなので、
けして明るい気分ではないのだが、
この絵で小さな悩みは
あっさり全否定されてしまった。

8月の絵はルイス・キャロルの
"Alice’s Adventures in Wonderland"に
題材を求めて制作されたラボ・ライブラリー
Alice In Wonderland『ふしぎの国のアリス』に
インスパイアされた作品。
描いてくれたのは
河野祐宇さん(6歳/調布市・越智P)。
たぶん「ゆう」とお読みすると思うが、
これは男女どちらにもある名前なので
とりあえず祐宇さんとする。

絵にジェンダーは関係といえばないが、
あるといえばある。
左半分を観ると、
アリスという主人公の少女に
心を寄せて描いている感じ、
線のニュアンスやタッチなどから
女性かなとも思うし、
右半分の力強さ、
いい意味でのラフな感じは
男子の作品かなとも思う。
正直断定できない。

どちらかにbetしろとい惚れたら
「男性」で勝負だ。
違ったらごめんなさい。
いややっぱり女性かな。

だけど、じっと観ていると
ジェンダーフリーでいいんじゃないかと
思えるようになった。
「男の子らしい絵」とか「女の子らしい絵」
なんていうつまらない弁別はやめよう。
「らしい」ってことばは人間を縛る。
「らしい」で価値やありようを固定化することを
ぼくたちは拒否したい、

そうしてみると、
これは祐宇さんの個性である。
気が楽になった。

場面はCaucus-raceと思われるが、
最初に驚かされたのは、
アリスを含めて
多彩のキャラクターたちを見事なバランスで
画面にきっちり納めていることだ。
しかも「無理くり」「ぎゅうぎゅう」感がなく、
それどころかふレースであるのに
疾走感ではなく、ふしぎな浮遊感があるのもすごい。

キャラクターたちの方向もバラバラで
こうしたこともけっこうむずかしい。
祐宇さんの6歳という年齢を考慮すると
とんでもない作品だ。

いつも書くことだが、
たぶんこの絵を描いた用紙は
祐宇さんの肩幅と同じが広いくらいに
感じられたはずだ。
そして、そうした大きな紙な描く体験は
さほど拓さんはしていないだろう。
そこにこれだけのバランスで
多くの対象を描き込み、
浮遊感まで出しているのは
もちろん偶然的要素はあるにせよ、
子どもと物語の関係性が産んだ力であり、
まさに「ことばの力」が色と形になったといえる。

そして、これも毎回のように指摘することだが、
画面全体に手を抜いたところがなく、
さらにさらに細部まで「しつこく」描き込んでいるのは
6歳の体力と持続力としては並外れている。
でも、逆にいうと、
本当におもしろいもこと、心惹かれることは
子どもはいつまでも取り組んでいられる。

問題はその行動を見た目だけで禁断し、
「いつまでやってるの」などと
おとなが制動をかけてしまうかどうかだ。
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そして、これも推測だが、
祐宇さんは、ほとんど計算した配置はしていない。
目と手のコーディネイション
Hand-Eye Coordinationがすばらしいのだと思う。
それは天賦のものかもしれないが、
その力を 牛て発揮できているのは、
もっと幼いときから物語と
ことばと絵とたくさん出あって
inputしているのだろうと思う。
それから、これはもう憶測に近いが、
外で遊ぶのも好きなのではないだろうか。
あるいは野や山や海や川によく
出かけたのではないたろうか。

計算していないという根拠は
輪郭線にもある。
(この輪郭線もアリスは細い黒だが、
他はいろいろと変えているので
塗り絵的ではなくなっている)

アリスにしても他のキャラクターにしても
本来は曲線で描かれるところが
鋭角になっており、
曲線自体も「とらわれず引いている」が
がっしりと安定してはいない。
この点からいえば6歳の線でホッとする。
また全体のバランスの良さにくらべて
アリスのフォルムは随分細長い。

だけど、そんなことはどうでもいい。
この線の不安定さやアリスのフォルムが
コーカスレースの浮遊感を出しているのだ。

色のことも忘れてはならない。
各キャラクターも細かく色をかえ、
狭いところにも描き込んでいる。
同系色の濃淡、補色や反対色などの
使い分けもみごとだ。
これも幼いときからのinputのおかげか。
そして、これも褒めどころなのだが、
色の選択のセンス(感覚・意識・判断力・意味)が
きわて洗練されている。
しかも、濁りがないのは、
筆をよく洗って根本まで拭いているのだろう。

それにしても
祐宇さんとこのラボ・ライブラリーとの関係、
活動はどうであったのか、
とっても気になる。
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ルイズ・キャロルがアリス・リデルたちにお話をした、
有名な1862年7月4日、「金色の午後」の3週間前、
6月17日に、キャロルはアリス3姉妹を連れて
ピクニックに行っている。
同行はダッグワース、キャロルの姉、叔母たち。
これらが、登場するャラクターたちと
対応するといわれている。

この日もボートに乗ったのだが、
とちゅうでにわか雨になりずぶ濡れになってしまう。
少し離れた先の知人宅に服を乾かしに寄ったが、
キャロルは帰りの車をさがしたり、
なかなか苦労したといわれる。
この土砂降り体験はは手書きの
オリジナル「アリス」には出てくるが、
印刷本ではカットされ、
コーサス・レースの話に置き換えられた。

Caucusはアメリカでは
候補者や政策を決定する
派閥の幹部会、あるいは当院集会のことだが、
イギリスでは政党の地方委員会。
委員会の役員たちが、
政局で有利に立とうと、
あちこち走り回るさまをディスって、
キャロルはコーカスレースを書いたとされる。
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