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①英語は耳から
日本語を話すことができるのは、日本人だからというわけではありません。
日本語を習得する”環境”があったからです。
また、日本に住む日本人は、ほぼ間違いなく日本語を話します。”話す””話せない”で分ければそれだけのものです。
しかし、”日本語を話すことができる”人の中でも、語彙が豊かな人、前向きなことばを話す人、品のある日本語を使える人、若者ことばをすぐ取り入れて話す人、優しいことばで話す人、いろいろあります。すべては、育った環境が大きく影響します。
さて、その環境はどのようなものだったのでしょう。
英語を育てることも、母語(日本語)を育てることと同じです。
英語の習得をイメージしながら、以下の日本語(母語)を習得した時を思い出してみましょう。
まず、理解していてもしていなくてもどちらでもいいのです。とにかく聞こえる環境で過ごしています。(0歳)
早口のことば、方言、ニュースの標準語、こどもの声、長い文、笑い声、流行りの歌、いろいろあります。色々あるから豊かになります。
時には、生まれた子に合わせてゆったりした日本語で、おむつを替えたり、絵本を見せたり、笑顔を向けたり、ゼスチャーたっぷりで話しかけたりもあるでしょう。
それも必要です。
どの赤ちゃんも、耳から聞こえた音(ことば・日本語)があふれる環境で過ごしています。
次に、赤ちゃんは自分も声を出したいという反応を始めます。(0歳数か月)
「ううっ」「おおっ」「ふうーー」というような”何かを伝えたい!”という目で、のどから湧き上がる音を発します。
”伝えたい””コミュニケーションをとりたい”という気持ちがあるから声を出そうとします。
そして、自分に必要なことば、言いやすいことばをまず発語します。(0歳後半~1,2歳)
「まんま」「ぶーーぶ」「ママ」「(か)あーー」とかいろいろありますね。赤ちゃんにとって伝える必要があることばです。
”伝えたい”という気持ちがどんどん育っていきます。
次に、単語を話すようになります。そしてゆっくりかみしめるように、単語がくっついて日本語らしい文章を声にするようになっていきます。(2,3歳)
世界も広がり、お友達や園の先生のことばも真似し始めます。看板や名札の字を読めると嬉しそうです。(3~6歳)
大人の真似をしてペンを持ってなにか書いてみたり、絵と一緒に文字のようなものを書いてみたり、お友達に手紙を書いてみたりし始めます。(4~6歳)
ここまで来るのに何時間の日本語を聞き続けてきたことでしょう。
それほどことばというものは根っこを育てることに時間を費やし、奥深いのです。
「お教室に言ってすぐ動物の名前を英語で言えた」「How Much?と聞ける」なんてことは、親としてはすぐ効果が目に見えて嬉しい気持ちになりますが、それは英語習得とは違うのですヨ。
すぐに英語を発語しなくても、「今はじっくり根っこが育ってるんだな~。楽しみだな~」と長い目で見る余裕が要ります。それほど語学はゆっくりしたペースで習得するものなのです。
とにかく聴きましょう。(=英語が流れている環境に身を置きましょう。)なぜなら、LとRなどの発音は、浴びるほど聞き体で覚えるしかないのです。小さいからその回線を敷くことができるのです。ラボっ子たちの発音は、どの子も素晴らしいですよ。
なぜ素晴らしいのでしょう?小さな子ほど耳が良いのです。
どんな音も聞くことができます。
耳が良いということは、語学だけでなく音楽、学校での授業にも秀でます。
また、人の話を聞く耳を持っていることは、日常生活においてもとても大切です。
英語も最初はお歌から。楽しめば自然と描けます。
さて、最初は我が子がことばが出るかということを心配していた親も、やがてそんなことはすっかり忘れ、「だってばっかり言わないの!」「ごめんなさいは?」「疲れた~とかこどものくせに言わないの!」なんて嘆きたくなる事もあるでしょう。
それ、誰かの声を聞いていたのですよ。
そのことばが聞こえる環境づくりをせっせとしてきたのですよ。
決して子どもを責めてはいけません。”母語”というでしょう。
お母さん、あなたの日本語を見直すチャンスを子どもが教えてくれているのですよ。
生意気盛りになると、日本語が完成した気分になります。というか、日本に住んでいて普通に会話ができたら、日本語が育ったとか完成したとかいうことも意識しなくても生きていけます。
が、まだまだなのですよ。
「何度言ったらわかるの?!」「なに?その言い方は?」「はっきり理由を言ってごらん」なんてお小言よく聞きます。
それは、こどもの日本語がまだまだ完成していないからなのです。
「お母さん、なに怒ってんの?」こどもは早口で怒る怖い顔のお母さんの日本語を聞いていないか理解していないのでしょう。また、弁明する日本語力もないのかもしれません。
こどもがいう事を聞かないと嘆く前に、子どもに伝わる話し方をしているか?子どもが声を聞きたくなる話し方をしているか?ということをお母さんは考えましょう。
怒っているときに鏡を見てもいいですね。
これが言語習得です。
英語を学ぶという事は、そういうことを覚えておく必要があります。
まず聞く。
楽しい。or聞きたくなる。orわくわくする。or真似してみたくなる。色々な速さ、トーン、のものを単語だけでなく文全体でとにかく聞く。美しい発音のものを聞く。(←これらが聞こえる環境づくり)
なんとなく声に出してみる。「この単語言ってごらん」「英語やってるんでしょう。何か言ってみて」とかは大人は言わない。何を言っても一緒に喜ぶ。
アルファベットをちょっと読んだり真似して書いたりしてみたくなる。
一つ注意しておきたいのが、ただ単に流しっぱなしで聴くだけでは頭がパンパンになります。
聴いたこと(インプット)を、誰かにアウトプットする場が要りますね。
海外に居ればそれは当たり前に毎日あります。日本ではそうはいきません。
アウトプットして受け止めてもらえる場、それがラボパーティであり、ラボの仲間です。
ラボは母語と同じ習得法です。
たくさん聴いて、読んで、最後に書くことをします。
ですので、どの子も英語が好きになって卒業します。
英語ができるかどうか?
試験で英語の点数が何点上がったか?
それも大きくなると大事かもしれませんが、まずは「好き」という気持ちを育てて、耳からの根っこの部分を育てておきましょう。そうすれば、「英語が必要」「もっと勉強したい」「英語の資格にチャレンジしたい」と思える時が来ます。そうすれば、ものすごいスピードで習得します。
「いい点はとれたけど、試験終わったら全部忘れた」
「卒業したら二度とやりたくない」
「英語だいっきらい!」
それは悲しいですね。
そんな思いをしてまで点数を上げる必要はありません。まずは、好きなこころを育てましょう。
島国日本で、何故英語を学ぶのでしょう?テストのためでしょうか?
私は、英語は違う文化の人と交流するため、自分の視野を広げるための一つの手段だと思います。
英語に触れる。
しかも物語で触れる。
物語の登場人物になって、劇のように演じて習得する。
そのセリフやナレーションを、読んだり書いたりする。
こんな楽しいことはありません。
楽しい上に、度胸も付きます。
舞台で年に3回英語劇をやれば、人前でも平気です。
そのような胆のすわった人間になっていれば、違うことばの国の方と英語を使うチャンスを引き寄せることができ、ぐんぐん世界を広げていけるでしょう。 |
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