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八月の鯨 10月09日 ()
10/7の金曜、千石の三百人劇場に劇団昴の「八月の鯨」をみにいった。昴からご招待いただいたのだ。スケジュール的にはきつかったが、芝居を見るのもだいじな仕事といいきかせて、地過テューター津にとびのった。おりからの小雨、開演10分前の6時50分についたが、もう真っ暗だ。あれほど明るかった夏の日差しはもう遠い。
 この劇はデヴィット・ベリーの名作だ。もともとが舞台劇として書かれたが、1987年にリンゼイ・アカダソンのメガホンで映画化され大ヒットした。
ぼくは当時34歳の若造だったが、岩波ホールでみたことを覚えている。
それは映画としてはとても緻密につくられていたが、老人しかてでこないこの作品そのものには前評判ほどには感動できなかった。映画では盲目で屈折した正確の姉、リビー役にベティ・デービス、妹役にリリアン・ギッシュさらにバイプレイヤーにはビンセント・プライスというじつに名優ばかりがキャスティングされていた。デービスはこの作品がなんと出演100本目であり、ギッシュはこの役でカンヌの特別賞をとった。
 この物語を知らない人のために昴のパンフからあらすじだけ書いておこう。
 セーラとリビーの姉妹は60年来、夏ごとに小さな島にあるセーラの別荘にやってくる。昔、そこの入り江には8月になると鯨が来ていた。少女の頃、彼女たちはよく鯨を見に駆けて行ったものだった。それも遠い昔のこと。セーラは目が不自由になった姉のリビーを支え面倒をみている。リビーは他人に依存しなければ生きていけない自分に腹を立て、わがままになっていく。セーラが迎えた客人との楽しいひとときもリビーの刺のある言葉で台無しにしてしまう。リビーはいつも心の中で一人ぽっちになることを恐れていたのだ。 
やがて彼女はセーラが望んできた大きな窓を居間の壁に取りつけるというアイデアを受け入れ、そのことで自分の気持ちを伝えようとする。
静かに時は流れ、再び鯨を見ることを夢見ながらふたりの暮らしは過ぎていく……

 ようするに老人しかでてこない芝居なのだ。人生の最終章にさしかかった人びとが語りかけるものを若造だつたぼくが理解しきれなかったのは、当然だなあと思った。
 昴によるキャストは妹のセーラに谷口香さん、リビー小沢寿美恵さん、ほかに北村昌子さん、西本裕行さん、そして内田稔さん、どなたもすばらしい演技だった。濃密で軽妙、緻密で大胆、天使と悪魔、すばらしく密度のある舞台を堪能した。10/16までやっている。
 残念なことに三百人劇場は来年いっぱいでとりこわしとなる。したがって来年一年がラストショーである。三輪えり花さんは来年の10月、ほんとのベリーラストショーの「夏の夜の夢」の演出をされるそうだ(パンフにも予告がてていた)。また、いい芝居小屋がひつと消えるかと思うとさみしいが、
 ばっときえるのも芝居の華か。
 
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