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新年を迎え~ 原点・試行錯誤・夢… 01月07日 (月)
あけましておめでとうございます。
今年も子どもたちの笑顔がますます輝く一年でありますように…

この日記も昨年は「気まぐれ」な更新となり、申し訳ありませんでした。
今年は、もう少し… 「気まぐれ」の頻度をあげていきたいと思います(笑)
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、書く「ネタ」がないわけではないのですが…
新しい年、最初の日記は、私が数年前に書いたエッセイの一部をご紹介します。
最近、久しぶりに読み返しましたが、あらためて自分の「原点」を思い出すことができました。
テューターのみなさんにとっては、新しいことではないと思いますが、
新しい年を迎えるにあたり、自分自身の覚書としても、また現在の自分に反省を込めて…
記録させていただきたいと思います。

「激動の2004年を振り返って…」というタイトルのこのエッセイは、
私が中部総局に勤務していたときに通っていた、
南山大学大学院(教育ファシリテーション専攻)の「院生リレーエッセイ」に寄稿したものです。
(http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/Daigakuin/Edufacili/insei/essay/1.html)

<前略>
その2.原点・試行錯誤・夢…

先日、職場の会議で「組織にも個人にとっても成長するには“原点・試行錯誤・夢”が大切」
と言った人がいました。その時、このことばがなぜか私の心に響きました。
特に“個人にとっても…”というところが。

私が“今・ここ”にいる原点は何だろう?
現在の職を選び、続けていることや、教育ファシリテーション専攻に在籍している原点は何だったのでしょうか。

この答えはすぐに見つかりました。
それは、ご存知の方も多いかと思いますが、Rachel Carsonの“THE SENSE OF WONDER”です。
この本に出会った時、探し続けていた人に出会ったような感動を覚えました。
就職して約4年、仕事や生活に対して迷いが生じていた頃でした。
そんな私に贈られたこの本は、仕事のうえでも人生を生きていくうえでも大切にしたいことを、
私の中にはっきりさせてくれました。それ以来私の「人生の教科書」なのです。

アメリカの作家であり海洋生物学者であるRachel Carsonは、1962年『沈黙の春~Silent Spring~』を著しました。
これは環境の汚染と破壊の実態を世に先がけて告発した本で、出版当時大反響を引き起こしました。
Rachelは、『沈黙の春』を書き終えてから、病に冒され残り少ない時間を“THE SENSE OF WONDER”
の出版に費やしました。残念ながら完成を見ずにその生涯をとじましたが、家族が遺業を継ぎ、
この本が世に出されたのです。Rachelは『沈黙の春』を書きながらも“THE SENSE OF WONDER”
を出版しようと思っていたようです。自然の美しさを愛でるのも、破壊するのも人間であるからこそ、
一人ひとりが、私たちが住む地球の美しさや神秘さを感じとれる“Sense Of Wonder”を持ち続けることが、
環境破壊を食い止めることになると、おそらく彼女は伝えたかったのではないかと思います。

ここには、Rachelが姪の息子である幼いロジャーと一緒に、晴れた日も嵐の日も、昼も夜も、
海辺や森の中を探検(自然界への探検)に出かけた経験から、
ロジャーの様子や彼女自身が感じ考えていたことがつづられています。

「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、
驚きと感激にみちあふれています」

「もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力を
もっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない
『センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性』をさずけてほしい
と頼むでしょう。 ~中略~  妖精の力にたよらないで、
生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」を
いつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、
感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が
すくなくともひとり、そばにいる必要があります。 ~中略~
わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている
親にとっても、『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではないと固く信じています」

私は今、子どもたちのことば(英語)の教育にかかわっています。
ことばは人間の心を表そうとしてくれるものであり、
人と人とが一緒に生きていくために互いのこころの橋渡しをしてくれるものです。
だからこそ単なる知識として教え込んでも、それを使おうとする心が育っていなければ、ことばも育たないのです。
「ありがとう」と日本語で言えない子は、それが英語で“Thank you”ということを知っていても言えないでしょう。
「ありがとう」=“Thank you”と教えるより、まず人や自然とかかわる体験を通して、
「ありがたいなぁ」という気持ち、感性を育てることが大事なのではないでしょうか。
そうは言っても英語教育ブームの世の中、多くの大人たちにとって喜ばしいのは、
一つでも多くの英単語を言えることやあいさつが英語で言えることのようです。

英語教育に限らず私たち大人は、ともすると「子ども=何もわからない、できない」と思い、
「知っている」大人が教えてあげなければならない存在と思ってしまいがちです。
しかも知識をもって教えようとしてしまいます。例えば、子どもがアリの行列を見つけたとします。
「あっ!」その瞬間から「この小さくて黒いもの、不思議だなあ」「どこへ行くんだろう?」…
いろんな「?」が子どもたちの心を占領するでしょう。
そこへ大人が「アリよ。アリは行列をなして食べ物を巣に運ぶ習性があるの」と言ったら、
それから子どもは、アリを見たとき「アリ」ということばに結び付けて、
それ以上のことは思うこともないかもしれません。
ちょっと極端な例のあげ方かもしれませんが、これに近いことは日常少なくないのではないでしょうか。何かに出会った時に子どもたちが「何だろう?」「おもしろいなぁ」「不思議だなぁ」などと感じる、
“Sense Of Wonder”をとても愛おしく思います。そこから感性や考える力が育つと思うのです。
白黒はっきりさせる前に、グレーが広がる感覚(とでも言うのでしょうか)を大事にしたい、
と思います。

私も知識偏重型(?)教育を受けた世代なので、このように考えるに至るまでには時間がかかりましたし、
試行錯誤もしてきました。今も試行錯誤を続けています。
教育ファシリテーション専攻の院生になったことも試行錯誤の一つでしょうか(笑)。
けれども今回このエッセイを書くにあたって原点を思い返してみると、一見、手当たり次第
やってきたようなことがすべて原点につながっていることに気づきました。

そして、私の夢は自分自身も“Sense of Wonder”をもち続け、
Rachelが言うところの「少なくとも一人の大人」になること。
子どもたちの教育の支援者になりたいと思っています。 

☆Yoshioka☆
>>感想を掲示板へ
Re:新年を迎え~ 原点・試行錯誤・夢…(01月07日) >>返事を書く
HITACHIさん (2013年01月07日 12時18分)

明けましておめでとうございます。
いつも訪問させて頂き、うれしい発見や考えさせて頂ける事うれしく思っております。
今年もよろしくお願い致します。

レイチェルのご本については、私たちも読ませて頂いた事があります。
忘れられた様な年月が経ちましたが、原発事故後に改めて見直される考え方で
被災地に近い茨城も、尚更彼女の言わんとしていた事をもう一度しっかり身につけたいと
思うこの頃です。
本筋と離れた事を書きましたが、「ことばとこども」に関しての教務局さんの記録は、有
り難くテューターとして,新年にあたり大いに参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。
Re:Re:新年を迎え~ 原点・試行錯誤・夢…(01月07日) >>返事を書く
ラボ教務局さん (2013年01月07日 14時26分)

HITACHIさん

明けましておめでとうございます。
うれしいコメントを頂戴し、ありがとうございます。

レイチェルの本については、本当にその通りですね。
今こそ、彼女のメッセージを受けとめ、考える時かもしれません。
私も、自分の過去の文章を読み返し、そのことに気づいた次第です。

HITACHIさんのページも拝見させていただきました。
元日のごあいさつ、「夢を持ち、未来に向かい生きる子どもたちのため
に」「環境を整え、暖かく伴走する」こと…
素敵なことば、思いだと思います。
思わず涙が出そうになりました。
今年もテューターのみなさん、事務局で力を合わせて、
その役割を担っていけるよう努力したいと、あらためて思いました。
こちらこそ、ありがとうございました!
Re:新年を迎え~ 原点・試行錯誤・夢…(01月07日) >>返事を書く
☆ショコラ☆さん (2013年01月16日 13時17分)

あけましておめでとうございます。

じわっと心にしみる文章でした。
新しい年の幕開けにふさわしい、メッセージと思います。
2月初めに予定している父母会で紹介させてくださいね(^・^)/
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