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過去に書いたもののアップ① 03月24日 (水)
日記の更新をやってみようと思います。とりあえずいままでに書いてみた文章を載せてみようかな、と思っています。こういうフリーに覗ける場で発表するのはこわい部分もありますが…。覗いてくれた方、おひまでしたらご覧ください。

 ものがたりのいできはじめのおや~なよたけのかぐやひめを貫く親心

なよたけのかぐやひめは、日本最古の物語といわれているのは周知の事実である。が、「枕草子」や「源氏物語」のように明確な作者がわかっていない。物語のスケールでは決して引けを取らず、むしろそれらを凌駕しているというのに、である。これはちょっと不思議な事だ。物語はライブラリーを聞いていただくとして、じつはこの物語、現実に実在した人物が登場するといわれている。5人の求婚者がそれだ。いずれも当時宮中において華やかに活躍した権力者であるといわれているが、この物語の中では散々にこき下ろされる。それは、一種の復讐のようにも感じられる。このことから、想像の翼を広げて作者像を探ってみよう。
この物語は明らかに朝廷に対しての批判が含まれている。そのことから、時の朝廷によって不遇の境遇に落とされた人間が作者ではないかと推測できる。具体的には、富士の山の描写などから京を追われて東国に流された人物ではないか。つまり、歴史の表舞台から抹殺された人物ではないか。作者不詳なのも、そう考えると納得がいく。さらに想像をたくましくするならば、この物語の根底に流れている「親子の情」を考え合わせると、娘との別離とを経験した人物が書いたことをうかがわせる。おそらく、それは死別だったのではないか。最後のシーンの例えようのない悲しさ、かぐやひめが月(=再びあえない世界)に帰っていくことを考えると、あながちうがった見方ではないのではないように思われる。では、なぜ娘は死んでしまったのか。おそらくは、帝が絡んでいるのではないか。この物語のなかで、おきなは、ひめと帝とを天秤に掛けて最終的に自分の娘を選ぶ。現実世界ではありえない選択であるといえるだろう。帝のお召しは絶対、それにそむいて娘を守ろうとするのだから…。ここには親としての願望が込められている。現実の娘は帝の不況を買って命を落とした。だが、物語のかぐやひめは帝の誘いも断り、誰の誘いも断りおきなとうばの下にいることを望む。これはかぐやひめの望みでありながら、おきなののぞみでもある。作者は完全におきなに自己を投影しているのではないか。
悲しいかな、かぐやひめは人間ではない。天人である。この点におきなの悲劇を感じる。おきながもし、自分の娘を亡くしてしまったのなら、同じ人間としてのかぐやひめを描くことはできなかったのではないか。人間である自分の娘は死んだ。でも、もし…。そんな悲しい気持ちと願いが伝わってくるようだ。
ちなみに、かぐやひめは月の世界で罪を犯した罪人であるといわれている。これもまた、上記の推測を裏付けているように思われる。
どうでしょうか?限られた紙面の中で、ことば足らずで申し訳ございません。物語のストーリーから、この物語がどのような気持ちで書かれたか、を探ってみました。ただ、今までの物語に新しい視点を持ってみること、物語に対する探究心を持ちつづけることが常に新鮮な取り組みを持続させるコツですよね。
また、このライブラリーは5・7調の言葉遣いが特徴的。また、言葉遊びも非常に優れています。作中に登場する和歌を例に取り、英語との対訳を見てみると日本語表現のすばらしさがわかります。実際に歌を読んでみるのも面白いですね。また、絵本にも大きな仕掛けがあるんですよ!だまし絵のように、たくさんのモチーフがえががれていることに気がつくと、俄然面白くなります。例えば絵空事の冒険譚を話す倉持の御子のページ。想像上の風景は、実は全て鏡のようなものの中に描かれていて、倉持の御子はその鏡の外側に立っているのです。この絵はさりげなく、倉持の御子の話が空想であるということを語っているのですね!他にもいっぱいありますよ。ぜひ探してみてください。
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