幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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Don Quixoteの旅 02月18日 (火)
Squire
ふと上を見上げると、Don QuixoteとSancho Panzaが!しかし、よく見るとSanchoは、本物の人間!こんなユーモアがあるスペインでした。in Mijas
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冬休み中、『ドン・キホーテ』の世界に少しでも近づきたく、スペインへ行って参りました。バルセロナから南下し、遠くアフリカ大陸を臨めるところまで行き、ラ・マンチャ地方マドリッドへと北上。毎日、よく移動し歩き、1週間で7都市を巡ってきました。まず最初に感じたのは、石の街であること。バレンシアへのオレンジ畑、グラナダへのアーモンド畑、セビリアまでのオリーブ畑を眺めながら、高い木が糸杉ぐらいしかない荒野と言ってもいいような岩山を見てきました。小説にも出てくる山脈を抜けて、ラ・マンチャ地方に入ると、今度は赤い大地が地平線まで続きます。ラ・マンチャが、アラビア語で「乾いた大地」を意味することに納得。低木のブドウ畑が見られる程度で、他の作物は、ほとんど見られません。この水の少ない地域で、馬や驢馬で移動した当時の人々の生活を想像してみました。

Venta
セルバンテスが泊まったという旅籠(Venta del Quixote)は、こうした赤土の大地に突如、小さな集落があり、その中にありました。ここは、騎士の叙任式をした旅籠という設定になっているため、どこにもサンチョ・パンサはいません。今や観光地として、その旅籠だけが、きれいに壁が白く塗られていましたが、周囲は、古い集落でした。丁度、シエスタだったのか、閑散としていました。最近出来たというドン・キホーテの展示室が、旅籠の中にあり、セルバンテスの書斎の再現、当時、出版された本のレプリカや、ゴヤ、ピカソ、ダリ、など多くの画家達が描いたドン・キホーテの挿絵が飾られていました。鳥の怪獣のように描かれた風車もあり、画家達も多くのインスピレーションをこの物語から得たようでした。子ども達もこの画家達以上に想像力を発揮できると感じました。面白かったことは、日本の浮世絵風ドン・キホーテが、試みとして描かれていて、「侍ドンキホーテの文学的狂気」などタイトルがあったことです。たしかに騎士道と武士道は、どこか共通する部分もあります。

WindmillDQ
コンスエグラの風車は、ドン・キホーテが闘った風車ではないという設定ですが、風車の前には、Don Quixoteが立っており、風車の中に入ることもできました。よほど日本人の観光客が多いようで、スペイン語・英語・日本語の説明がありました。闘った風車は、さらにもう二日ほどかけないと見に行けない場所にあることが、子ども達が調べた資料から分かりました。今では、最新型の三枚羽の風車が、あちこちの丘に立ち並ぶスペインですが、ぐるぐる回る羽根は、今でも、巨人の手に見えて、思わずにんまりとしてしまいました。白い煙がみえれば、軍勢かな?洗濯物を見つけては、城かな?と、すっかりDon Quixoteの気分で回りました。

Earth
Cervantes
マドリッドのスペイン広場には、『ドン・キホーテ』の本を右手に持ったセルバンテスの大きな像が堂々とたっていました。宮殿の前にひっそりと立つフェリペⅢ世の像よりも、ずっと立派で、スペイン人が彼をいかに誇りにしているかが分かりました。像の上には、地球があり、その下には本を読む人々が彫られていました。これは、『ドン・キホーテ』が世界中の言語に翻訳されたことを意味しているそうです。


セビリア、コルドバなどは、街路樹にたくさんのオレンジの木がありました。丁度食べ頃で美味しそうなオレンジがたくさんなっていましたが、誰も取りませんし、鳥が来て食べる様子もありません。不思議に思って尋ねると、スペイン人の方が、「とても苦くて動物ですら取らない。こんなオレンジは、イギリスに売ってしまうのさ」と言って笑っていました。まさに、Rain, rain go to Spain~の逆バージョンでした。後で調べると、これは、セビリアオレンジとして有名で、イギリスではジャムの材料として好まれているとのことでした。
Orange オレンジの木の後ろの建物は、国立のプロのフラメンコダンサー養成校。たしか8歳から入学できるとか。

また、セビリアの万博会場となったスペイン広場では、アルファベット順に壁画があるのですが、"C"で始まる壁画には、Castilla-La Manchaの出来事として、ドン・キホーテとサンチョが描かれていました。ちなみに、"G"は、Granadaの無血開城の絵ですので、どれほどドン・キホーテが、スペイン人に愛されているのかが分かります。
C


コロンブスの新大陸発見で富を得て、かつて「陽の沈まぬ国」だったスペインも、無敵艦隊が敗れた頃から衰退し、様々な戦争を経て今に至っています。ピカソの「ゲルニカ」など、当時の人々の叫び声が聞こえてくるようでした。スペインの経済状況は、2014年1月時も厳しく、マドリッドの中心地でも、スケルトンビルディングが多くありました。若者の失業率55%も深刻でした。消費税21%であっても、社会保障制度は同じEUの諸国に比べ充実しているとはいえないとのこと。ただARTは、本当に素晴らしく、どこを歩いていても、絵になる風景があり、建築物、モニュメントなど、常に芸術を感じずにはいられませんでした。

また、歴史的背景から、スペインは、イスラム教徒に支配された時代とキリスト教徒に支配された時代が交互にあり、両文化が共存する世界は、不思議な景観でした。建築様式もゴシック、ルネッサンス、バロック、ロココ調まで、全てが一カ所に集まっている建物もありました。『ドン・キホーテ』にも、モーロ人の話、キリスト教徒の話、どちらも否定されることなく出てくるのは、まさにスペイン史そのものかなとも感じています。

観光地では、ジプシーと言われる人々にも初めて合いました。この言葉は日本では差別用語のようですが、昔、イザベラ女王の時代に、流浪の民であったこの民族が、軍馬の調達や敵城視察など活躍し、グラナダの丘に住むことを認められたということでした。丁度、2013-14Winter「ことばの宇宙」10ページの丘の中腹あたりです。15世紀、当時は横穴式住居だったそうです。そうした民族でもありますが、様々な意味で蔑視されているところもあります。この話をすると、やはり小学生達からは、有名なNursery Rhymeを思い出す子もいました。

スペインのカトリック総本山のカテドラルがあり、刀剣の産地として有名なトレドでは、たくさんの剣が店先に並んでいました。隣には、鎧兜も。バルセロナにあった鎧兜一式は、1ユーロ=150円(2014.1)で計算して、70万円ぐらい。剣は、もちろん偽物ですが、それでも3~5万円ぐらいで、持つとずっしりと重く、これに盾を持って闘う騎士を想像しました。
Knight 銀月の騎士?

シェイクスピアと亡くなった日が同日でないかという説もあるセルバンテスですが、『ドン・キホーテ』の中には、『ロミオとジュリエット』に勝ると劣らぬ恋愛物語が出てきます。真相は分かりませんが、シェイクスピアも『ドン・キホーテ』を読んだと言われているそうです。

ラボのCDは、前後篇ある長い原作(岩波文庫6巻)を3つの話にしぼり、まとめています。ラボでは、原作とは少し違った楽しみ方もできると感じつつあります。

  原作には、たくさんの神話、格言、哲学、思想、歴史が出てきます。ほぼ独学のセルバンテスの知識、知恵には、感動するばかりです。人間味あふれるドン・キホーテとサンチョ・パンサの二人の人物像も、非常に面白く、読み進めていくうちに、ドン・キホーテという人物にひきこまれ、崇高な存在になっていくところが不思議です。この人物像の裏には、やはりセルバンテス自身の波乱に満ちた人生が大きく関わっていることが読み取れます。

  ドン・キホーテとサンチョの関係も、最初は、ボケとつっこみのような関係から、しだいにサンチョも、ドン・キホーテの知識の深さに惹かれ、サンチョ自身が才覚を発揮し、その働きにドン・キホーテがサンチョを見直します。しだいに強い主従関係で結ばれ、最後には、あれほど嫌がっていたサンチョ自身が遍歴の旅の虜になっていきます。

  最後にドン・キホーテは、死を迎えますが、セルバンテスが、なぜドン・キホーテの生涯を終わらせたのか、その理由も原作を読むと自ずと納得できます。これは、私の考えですが、おそらくこれ以上の贋作が出ることを警戒したのではないかと。そしてセルバンテス自身も、後篇発刊の翌年にこの世を去ります。

  今でもスペイン発行の50¢、20¢、10¢コインには、文豪セルバンテスの肖像が刻まれています。没後400年が経っても、いまだにスペインの人々に尊敬され続けているのだと思います。

  スペインの全てが詰まっていると言われる『ドン・キホーテ』を子ども達がどう味わい、どう表現するのか、これからが楽しみです!
Re:Don Quixoteの旅(02月18日)
HITACHIさん (2014年02月18日 20時06分)

スペイン:「ドン・キホーテ」への旅!
良かったですね。読ませて頂いて「ドン・キホーテ」の背景がとっても良く分かりまし
た。
行きたいと思っていた場所でした。

今度パーティで取り上げるのですか?
子ども達との活動でより楽しく「旅」が出来るでしょうね。
羨ましいいとさんのラボッ子達。
Re:Don Quixoteの旅(02月18日)
いとさん (2014年02月18日 21時03分)

HITACHIさんへ
お読みいただき恐縮です。4月にⅢ話を小学生以上で発表する予定で
す。写真も、原作の感想も、まだまだたくさんありますが、子ども達な
りに、どのように『ドン・キホーテ』を楽しむのかを、今は見守ってい
きたいと思っています。
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