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✦再会、文豪・芥川の鋭い感性  10月09日 (水)
芥川龍之介といったら、あなたはどんな作品を想い浮かべますか?
「羅生門」「藪の中」「地獄篇」といったあたりでしょうか。
それとも「鼻」「河童」「歯車」「侏儒の言葉」のような短篇作品でしょうか。
わたしのラボ現役時代、ライブラリー制作をあずかっていたころ、
さまざまな組織事情があり具体的に提起こそいたしませんでしたが、
いつもこころの底にあったのは、「蜘蛛の糸」や「蜜柑」というすぐれた好編でした。
「蜘蛛の糸」は、だれもがよくご存知の、人間のエゴイズムを
鋭くえぐりだした傑作。十年ほど前になるでしょうか、
鎌倉の光明寺へ行ったとき、ははぁ、このハス池がモデルだな
(芥川はこのごく近くに1年あまり住んでいたことがある)
と、一人合点したものでした。「地獄変」もここが舞台に違いない、と。
「蜜柑」のほうは、人間愛の話というか、貧しさのなかでひとり奉公に出る、
あまり見てくれのよくない姉娘と、その3人の弟たちとのあたたかい関係性。
その娘が車窓から身を乗り出して、ぱらりと弟たちにみかんを投げます。
陽のなかで鮮やかな色を輝かせて飛んでいく5~6個のみかん。
姉弟のきずなのあたたかさをその一発で表現した芥川の文学的感性に
感動を覚えたものでした。
イメージも動きもはっきりしている、これはテーマ活動にぴったりだ、
子どもたちに表現させてみたい、と。でも、…ね。
そのほか、田端の旧居跡、横浜・本牧の三渓園にも、
芥川の作品のおもかげがとどまっていますよね。

akutagawa

と、わが家近くのT学園のミュージアムで開催中(10月19日まで)の
「芥川龍之介」展をのぞいてきました。ここに展示されているものの過半は
神奈川近代文学館のもので、すでにわたしは数度見ているのですが、
なんか、これまでにない懐かしさと親しさを覚えました。
一般にも公開されていますが、もともとはこの学園の中学部、高等部の
生徒たちのために企画されたものと思われます。
高校生一グループといっしょの見学だったが、彼らには関心が薄いのか、
それとも“お勉強”という義務意識によるものなのか、
サッと見てすぎるだけでした。
いまの十代の子どもたちは、どんなふうにこの文豪の作品に、
その生き方に、出会うのだろうか。
繊細すぎる神経をもった彼の苦悩と、十数年にすぎないその作家人生とに。
Re:&#10022;再会、文豪・芥川の鋭い感性 (10月09日) ・
みかん(でこぽん)さん (2013年10月23日 07時33分)

御無沙汰しています。お元気ですか?

九州では、ラボライブラリー候補として、ずっと、日本の近現代文学研究をして
いて、私の一押しも、『蜘蛛の糸』です。小さい子も、大きい子も、大人も、そ
れぞれの感性でいろんな取り組み方が出来ると思うからです。

『蜜柑』も、ライブラリー委員をしていた時に、読んだな~と、がのさんの日記
を読んでから、読み返し、あの蜜柑のシーン、それまでのくすんだ色合いのなか
の鮮やかな蜜柑色が印象的で、それに、みかんの匂いまでしてきそう。(^_^)
どう、色と匂い、表現するのでしょう?

『蜘蛛の糸』は、あの”語り”が、好きです。英語になると、受ける印象が、ちょ
っと、変わるような気もします。好きなだけに、怖い気もしますが、でも、聞い
てみたいし、見てみたい。
Re:Re:再会、文豪・芥川の鋭い感性 (10月09日)
がのさん (2013年10月23日 22時36分)

みかん(でこぽん)さん

九州では、ラボライブラリー候補として、ずっと、日本の近現代文学研
究をしていて、私の一押しも、『蜘蛛の糸』です。小さい子も、大きい
子も、大人も、それぞれの感性でいろんな取り組み方が出来ると思うか
らです。

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こんばんは。

みかんさんの頭脳のなかにも「蜘蛛の糸」が影濃く張られております
か!

芥川作品の「蜘蛛の糸」「蜜柑」については、

今後のラボ・ライブラリー候補として研究してみたいと、

数名の、それぞれ違う支部の方から意見を求められ、

その魅力とラボ・ライブラリーにするにあたってのポイントを、

ということで、E-mailを通じて、また、この「ひろば@」の私信メールを
通じて

少しずつ私見を述べさせてもらいました。ただし、ラボ・ライブラリー
として、

という観念からは距離を置いて。

それぞれにすでに書いたこと以上にはないのですが、

端的にいうなら、ことばの美しさ、力強さでしょうか。

無駄のないキリリッとした文章。

その魅力については、つい先刻ここの日記欄で書いた、

狂言のことばにふれて感じたと同じ

ことばの香り、というか、旋律というか、口にして心地いいことばです
よね。

落ち着いた語調のなかにハッとさせられるきらめきがある。

漱石が絶賛するのも当然と思われることばの流れ。

イメージもすっきりとしてきれいです。

スーーーーーッと垂直に落ちる、キラキラした一本の糸。

そんなことはありようはずがないのに、その銀色の細い糸に

何人もの罪人たちがぶらさがり、地獄の池からよじのぼってくる。

そんなシーンをラボの子どもたちがどう表現してくれるのか、

想像したら、これは、どうしたってたまらない楽しみじゃないですか。

日本人のこころの源淵にふれる要素にも満ち満ちていますし。

「蜜柑」が伝える鮮烈なメッセージにも、子どもたちに触れてもらいた
いし。
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