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“グズ”の反対語は…? 02月02日 (火)
“グズ”の反対語は…?

何かにつけグズグズしているひと、いますよね(あっ、それ、わたしのことか!)
反対に、何ごとにつけ、テキパキ、手ぎわよくこなすひとがいます。
そういうひとのこと“ズグ”……とは、まさか、いわないですね。
…いわない、いわない。
ところが、「クズ」とはいわず「ズク」とよぶ習わしのところがあります。
木くず、削りくず、鉋(かんな)くずの「クズ」を、ひっくり返して「ズク」とよび、
それを宝物のように大事に尊ぶひとたちがいます。寄木細工の工人たちですが。

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ややこしく仕掛けられた「からくり秘密箱」で遊んだ記憶はありませんか。
小学校低学年のころだったでしょうか、
箱根の温泉に行った叔父さんがおみやげに買ってきてくれたのが、それ。
きれいな文様の入った木の小箱。中にすばらしいものが入っているらしいのですが、
これがなかなか開かない。どうやっても開かない。2時間、3時間かけても、
いや、半日かけてもびくともしない。
(あれ、ルービックキューブの元祖みたいなものですね)
やけになり、ベソかいているのを見計らっていたかのように、
叔父さんはいかにも秘密らしく、もったいをつけて7回、8回、9回と
あちこちスライド操作してパカッと開けてみせる。
もったいぶったわりには、中身はたいしたものではなかったですが、
小箱を開ける順序正しいスライド操作を教えてもらい、どうにか覚えたあと、
今度は意地悪くこれを友だちにやらせ、さんざん悩ませ困らせて、
得意な優越感にひたった、あの酸っぱい記憶も懐かしい。
あれが箱根伝統の工芸品、寄木細工だったのですね。

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その寄木細工の発祥の地とされる箱根・畑宿を訪れました。
箱根の奥地、“天下の嶮”と歌われるのはここのことか、と思わすような
あまりひとの行かない谷あいの小さな集落。それでも、かつてここは
旧東海道沿いにあり、それなりに宿場だったらしい。
箱根の山には、古来、サクラ、ミズキ、タモ、カツラなどなど、
かなり豊富な種類の樹木があり、江戸時代の後期、ここから
畑宿の石川仁兵衛というひとが創作したのが寄木細工のはじまり。
(今は外国材がほとんどとか)
さまざまな色合いの天然材を寄せ集めて(寄せ木)種板をつくります。
その種板を鋭い手鉋で紙ほどの薄さに削ったものが、
鉋クズではなく、「ズク」。
木肌の配色で幾何学的な精妙な文様がつくりだされます。
縞模様、市松模様、青海波などなど。伝統的なそのパターンを
写真で見てください。

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このズクを化粧材として木製品の表面に貼って(ズク貼り)
シックな絵柄を楽しむという固有の工芸品。
海外交流のおみやげに、こんなのどうでしょうかねぇ。
秘密箱で青い目をびっくりさせてやったら、楽しいだろうなあ。
今は、箱もの、器ものだけでなく、アクセサリーや携帯ストラップ、
コースター、しおり、ブローチなどなど、
この時代らしい、手ごろな小物が人気のようですが。
それに、よほど切れ味のよい鉋の刃なんでしょうね、
厚さ1センチ足らずの種板から40~50枚ものズクを削り取るといいますから。
写真は、ふつうの手鉋とは違う、大がかりの鉋。
昔使われていたもので、左の柄を女のひとが起こすようにして慎重に引く。
夫婦でぴったり呼吸を合わせないと、きれいなズクがとれず、
ケンカばかりになって、苦労が多かったようですよ。

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寡聞にして今回はじめて知りましたが、正月の箱根駅伝、
あの往路優勝チームに与えられるトロフィーは
伝統的に寄木細工で作られてきたのだそうですね。
青山学院大学のチームがここ2年連続でこれを獲得しているというわけ。
いいねぇ。

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