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斎藤惇夫氏の講演 12月21日 (水)
日曜日は午前中は動物画家 薮内正幸氏のご長男であり薮内美術館の館長でいらっしゃる薮内竜太氏の講演、午後は児童文学者の斎藤惇夫氏の講演会でした。


薮内正幸氏は全く絵は独学でしかも動物の絵は写真もみたり実物をみたことがなくても描いていたとのこと。
薮内氏は決して絵の天才だったわけではなく、1万2万というありえないくらいの絵を描いてきたということと、天才的に動物が好きだったからこそこのように描けたのです、と竜太氏。

子どもの頃から動物が大好きで、カメラを持っているのも珍しい時代に、なんとか見た感動を記録に残したい一心で「今日はライオンの日」と思ったら朝から閉演時間までずっとライオンの前で座って家に帰るなりそのスケッチを描いているような子どもだったそうです。あまりに動物好きで家の中でも4つ足で歩き、手を使わずにおやつを食べていたこともあったとか。そして、やっと小3で買ってもらった鳥の本に書いてあった早稲田の鳥類学者の先生の研究室に直接お手紙を書いて動物の質問をお手紙のやりとりでしていたそう。
そのうち「君は哺乳類について興味があるようだから、ぼくの友達を紹介しよう」と国立博物館にお勤めだった哺乳類の研究の権威の今泉先生を紹介してもらい、今度は今泉先生との手紙のやりとりが始まったそうです。
そのやりとりですばらしいのが、有名な学者である先生方が1少年の疑問に誠実にこたえて下さっていたことです。子どもだからといってないがしろにしない大人たちのこの対応が本当に素晴らしい。


そののち、たまたま世界一の哺乳類図鑑を作りたいという福音館の松居直さんが今泉先生にオファーをしたところから、「でも動物の絵を描ける人がいないんです」ということを聞き、たまたま今泉先生のところに送られた薮内さん(当時高校3年生)の年賀状のイノシシの絵を先生が「こんな高校生がいるんだよ」と見せたのをきっかけに、そのまま大阪から上京して福音館で働くことになったそうです。その時も会ったこともない高校生の薮内氏に送った松居さんのお手紙の熱意もすばらしかったのです。

何でもぽちっとすれば検索できてしまうこの現代ですが、手間をかける、時間をかける、考える、工夫する、といった時間をかけることの大切さとやはりそれには好きだという情熱が必要で、好きであればそこに時間と手間はいくらでもかけられるのでしょう、とお話して下さいました。

このスピーディに結果が求められる現代に、大切なことを伝えて下さいました。


そして、竜太氏は、「生き物に対する興味を持ってほしい、それが必然的に環境のこと、命の大切さ、相手の立場に立ってものを考えられるようになるのです」とお話を締めくくられました。

やっぱりどんなことでも時間をかける、手間をかけるって大切なことだとしみじみ考えさせられました。子どもたちの好きを生み出すために、時間や手間をかけて工夫できるテューターでありたいものです。


午後の斎藤惇夫氏のお話は、まずはご自身の読書体験や先生との出会い、本との出会いなどについて語って下さいましたが、
やはり少年だった斎藤氏にしっかりとした本を手渡す大人がいたのです。

学校の司書の先生だったり、担任の先生だったり。小学校5年生くらいの時に国語の時間といえば宮澤賢治の本やドリトル先生、ケストナーの本を読み聞かせて下さっていたそうで、子どもたちには強烈な印象を与えたようで、何と数年前にドリトル先生アフリカゆきのお話がもとでそれぞれお金をためてアフリカで同窓会をやったのだそう!

そして、編集者として働き始めても尚、「子どもと未来を信じる」とい強い信念を持って働いている図書館の職員、編集者、作家、画家たちが「相手は子どもなんだよ」と子どもに対する敬意をもって作品を作ったり、何年もかけて改定や選書をする人たちがいることに感動した体験を語って下さいました。
子どもたちと関わる自分としても、大人のあり方、関わり方、手渡すものについて強い敬意と情熱をもって仕事をしていかねばならない、と強く強く感じました。
「相手は子どもなんだよ」子どもだからこそ丁寧に仕事をしていく子どもの本に関わるヒトたち。私ももっともっと子どもたちと真摯に向き合って仕事をしようと引き締まった気がします。

最後に斎藤氏にラボ・テューターであることを告げてご挨拶したら「ラボにはどんどん深入りすることになっていてね」なんておっしゃられていましたが、ラボとしても是非何らかの形で仙台にお呼びできたらと野心が芽生えました^^

石井桃子さんだったり瀬田貞二さんだったり児童文学を築き上げた方々のお名前もたくさんあがりましたが、子どもたちの未来のためにと身を削るほどの思いを持ってお仕事をされてきた方々に感謝をするとともに、自分のできる範囲のことをがんばっていこうかなと思えた1日でした。
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