幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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National Teacher of the Year来日記念講演 10月26日 (水)
この週末、星槎大学主催のNTOY2011来日記念講演会に参加してきました。

Facebookに がのさんがupされていて、たまたま目にとまった講演会の情報でした。
National Teacher of the Year Programというアメリカ教育界では最も古い権威ある賞を
今年受賞された最優秀教員であるMichelle M.Shearerさんという方が来日され
直接のお話を聞ける機会だという事で興味を持ちました。
また、会場が私の自宅から近く、
ラボでも中活や高活の発表会で使われる会館だったという馴染みもあり
すぐにエントリーしたところ、運良く参加できる事になりました。

「21世紀に求められる教育とは」というタイトルにはもちろん惹かれましたが、
私の一番の興味は、アメリカという50州もある広大な国で、何を基準にどのようにして
優秀な教員を選出しているのだろうか・・・ということでした。
多くの教員達の中からたった一人を選ぶに当たって、重要視している点は何だろうか?
もちろん選出方法は、始めは自己推薦か他薦によるもので、
各地域のいわゆる教育委員会的なものの選出委員会というような人々が選ぶのだろうと
ある程度の想像はした上ですが、実際に知りたい事は色々ありました。
選出の基準や考え方を知る事で、アメリカという国が現在どの方向を向いていて
教育というものを捉えているかがわかるような気がしたからです。

講演会当日配布された冊子を読むと、
なんと公立の幼稚園、小学校、中学校、高校の500万人もの教員の中から選出されているとのこと!
まさか同じくくりで幼稚園~高校の先生までが選ばれているとは思わなかったので、
余計に驚きました。
選出に関する問題はさておき・・・
そんな広大なアメリカという国から最優秀と認められた先生の大切にしている事や
教育に対する考え方をうかがえるのは大変貴重な事だと嬉しく思いました。

講演会によくあるように、実際にその場にいないと、なかなか全てをお伝えする事は難しいのですが、
私が個人的に心に響いた点と言えば、以下の2点です。
一つ目は「生徒ひとりひとりとの間に、質の良いリレーションシップを取る事が大切」と
おっしゃった事です。
つまり勉強そのものの教授法や技術的なことよりも、先生ご自身が大切だと感じているのは
生徒と自分との間、そして生徒同士の間に、”肯定的な”人間関係を築くことをサポートしているいうことです。
子どもが煮詰まった時などは「あなたが問題を解決しなさい。あなたを信頼しています。」と
言うようにしていますとおっしゃっていました。
「クラスの中で、あなたはとても大切な人です」という事も必ず伝えるし、
「時間をかけていいのよ。きっとできる!」と見守る事が大切だともおっしゃっていました。
(まさにラボそのもの!)

もうひとつは、
過去には3R's(reading,writing,arithmetic,or mathematics)が重視されていましたが
現在では4C's (Critical thinking Creative problem solving Communication Collaboration)を重視しています。ということばです。
3R'sとはつまり読み、書き、そろばん。
4C'sとは「批判的な考え方」「創造的な問題解決能力」「会話力」「協力する力」です。
質疑応答の時間に「この4C'sという能力は日本人は苦手とする力であると思うけれど、
アメリカ人は比較的得意とするところではないのですか?」という質問が出ました。
Shearer先生は(高校の化学の先生)確かに日本人よりはアメリカ人の方が
得意とする分野ではあるけれど、やはり大切なことに変わりはないと答えておられました。
更に踏み込んで、Content(授業内容が分かっているか)というCも付け加えて、
4C'sではなく5C'sを大切にしているとのことでした。

公立の教師「教える」とラボテューター「導く」という根本的な立場の違いこそあれど、
教育の理想とするところは共感できる事が多く、同じ方向を目指しているのだと感じました。

元々この講演会が文部科学省より教員免許更新講習として認定されていたこともあり、
会場の3分の2は教員免許更新の先生方であり、残りのほとんどが主催大学の関係の方々だったので
教師として、実際のクラス運営についてのご意見を求める質問も多く出ていました。
中でもグループワークを取り入れていることについては、日本の先生方にとって大変興味深いようでした。

ラボでは日常的に行なわれている小グループに分かれての活動や、そのグループの作り方も
日本の公立学校の中ではピンと来ないらしく、
「どうやってグループを分けるのですか?」というような具体的な質問もありました。
Shearer先生は来日4日目であり、日本の教育現場に精通している訳ではないし、
講演を聞いている側の日本人の先生方もアメリカの教育現場に精通している訳ではないので、
日本では時折席替えはあるにしても「席が決まっている」「自分の机を持っている」
という前提が認知されていない中での具体的な話し合いは少し難しかったのでは?と思いました。
ラボでは机がないし、Shearer先生のクラスは日本の大学のように自分の机が決まっているわけではないスタイルなので、”自由なグループ作り”は簡単です。
Shearer先生は、進んでいる子と遅れている子を組み合わせたり、
時には好きな子同士のグループにしてみたり、
リーダーシップを取る子ばかりで一グループ、追従するタイプの子ばかりで一グループと
分けてみたり
とにかく固定したメンバーで行なうのではなく、シャッフルするようにしていると具体案を話していらっしゃいました。
まさにラボのように、輪になって順番に1、2、3、4と数で分けていったり、
生まれ月で分けたりもしていると言った時には、
日本の(特に公立の)先生方にとっては珍しい感もあるらしく、
熱心にメモを取られていたのが印象的でした。
Shearer先生のクラスは16~18歳までの異年齢のクラスですが、
日本ではほとんどがひと学年という同級生クラスですから、
その点でもShearer先生と日本の学校のクラスは同じ土俵では語りにくいのかもしれません。
一方ラボとの共通点は多く、異年齢でのグループ活動がいかに人間関係形成に役立つかという部分は
特に心に残りました。

Minoritiy studentsの中で英語を母語としない学生への対応は(アメリカの現教育現場では)
どうされているのか?という質問には私も耳をひときわ大きくして聞きましたが、
残念ながら「現時点でも大きな課題です」との返答でした。

良く言われることですが、英語力とひと言に言っても、日常生活に使うような
生活言語能力/BICS(Basic Interpersonal Communication Skills)と
英語で現地で実際に行なわれる授業についていくための学習言語能力/
CALP(Cognitively Academic Language Proficiency)は異なるわけで、
これは日本からアメリカに留学した生徒だけが直面する問題なのではなく、
日本で英語を学んでいる(英語を母語としない)日本の子どもにも置き換えられるテーマなのだろうと思い、
大変興味があったので、具体的な方法が聞けず多少がっかりはしました。
しかし、裏を返せば、アメリカでもそれほど「大きな課題」なのだという事実です。

この「大きな課題」に、母語を壊さずに(大切に)英語を学ぶ方法を真摯に追求してきた
ラボの45年間の蓄積は相当大きなものだなとも思い、誇らしささえ感じました。

長くなりましたが、最後にNTOYについて(最優秀教員の選出方法について)
詳しく書かれている本がありますので、興味がある方はどうぞ。
野口桂子さんの書かれた「ベスト・ティーチャーズ」(評言社)という本です。

この本のお陰で、講演を聞いた後もずっともやもや気になっていた疑問が解消され、
すっきり致しました!

ラボの45周年記念の「子どもの未来を考えるフォーラム」中に出て来たお話から
”excellent tutors”ということばを思い出し、
この"best teachers"ということばが(敢えて冠詞はつけていませんが)ぐるぐる頭を駆け巡り・・・
なんとも心地良くリンクしつつ「同じ方向を向いて、同じ理想を持って」
"We love children,right? " の問いかけに "Oh,yes!" と力強く頷きながら
紅葉坂を下って来た私でした。

ご紹介下さったがのさんへ、感謝申し上げたいと思います。
そしてこの場を借りて、通訳をされていたとろりんさん(野口桂子さん)へ
選んでいた日本語が直訳ではなく、Shearer先生のお人柄が伝わるような抑揚ある語り口で
とても素晴らしかったです。
Shearer先生の英語もとても聞き取り易かったので、私も頭の中で通訳に挑戦しつつ聞きましたが、
私の訳とは比較にならない、素敵な日本語でした。
久々に美しいお声を聞けてとても嬉しかったです。ありがとうござました。
Re:National Teacher of the Year来日記念講演(10月26日)
がのさん (2011年10月26日 14時40分)

丁寧なご報告をいただき、ありがとうございます。
受け取るものが多かったのは、聞く側の資質に負うもので、
Basshi さんにはわたしからも感謝申し上げます。
Basshiさんがこうした高レベルの思考世界にいるとき、
わたしは自治会の仕事で「お芋掘り大会」。
ちょっと笑っちゃいますね。
とろりん(野口)さんには、この報告文をそのままそっくり
コピーして見せてあげようかと思いますが、いいでしょうか。
きっと喜んでくれると思いますよ。
これからの教育を考えるうえで、示唆に富む
刺激的な講演だったようですね。
もっとたくさんの方々に聞いてもらえるとよかったのですが。
Re:Re:National Teacher of the Year来日記念講演(10月26日)
Basshiさん (2011年10月26日 19時40分)

がのさんへ
>丁寧なご報告をいただき、ありがとうございます。
→情報をいただき、またこちらへの書き込みまで、ありがとうございます。

>受け取るものが多かったのは、聞く側の資質に負うもので、
Basshi さんにはわたしからも感謝申し上げます。
→聞く側の資質とおっしゃられるとお恥ずかしい限りで、少々不安になりますが・・・
私自身は、ラボで提供されている様々な講演会やフォーラムの質の高さを
改めて実感した次第です。

>Basshiさんがこうした高レベルの思考世界にいるとき、
わたしは自治会の仕事で「お芋掘り大会」。
ちょっと笑っちゃいますね。
→いえいえ、羨ましいネットワークです。お芋掘りにも手を脱がずに(笑い)
夢中になってしまったと書かれていたのを読みました~

>とろりん(野口)さんには、この報告文をそのままそっくり
コピーして見せてあげようかと思いますが、いいでしょうか。
→ええええーーーーーっ!あれで大丈夫でしょうか。
(こっそり手直しお願いします)

>これからの教育を考えるうえで、示唆に富む刺激的な講演だったようですね。
→公立と私立の先生方が入り交じっている事で、余計にラボ40周年フォーラムを
思い出しました。

>もっとたくさんの方々に聞いてもらえるとよかったのですが。
→そうですね。私も風邪等でダウンしていなければ、興味のありそうな方に声をかけて
ご一緒したのにと思っています。
また、Facebookの方もチェックしますので、ぜひ色々教えて下さい。
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