キャンプの振返り |
08月29日 (水) |
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ラボでは、国際交流に行った子が模造紙に写真を貼って記録を残しますが、
テューターになったばかりの頃、あの模造紙を見て、
なんて素晴らしいことをしているんだ!と感心したものでした。
模造紙に大きく書く、一枚という制限のある紙の中に、自分の伝えたい部分をまとめる
というだけでもとても難しいことだと思うのです。
一ヶ月行って来たのですから、そんなたくさんの思い出の中、たくさんの写真の中から
どれを使おうかと考えて絞り込むだけで、随分時間がかかるだろうと思った私でした。
学校などでも校内新聞や、自由研究などで模造紙に書かせる活動も多少はあるでしょうけれど、
それがグループで行なうものだと、大抵字がきれいな子や、意見の強い子が主導権をにぎってしまい
面倒くさがる子が模造紙に向き合う機会は、意外と少ないものです。
ラボでは、本人が一枚の模造紙に向き合っているので、
字のうまいへた・まとめかたのうまいへたは別として、
必ず自分のことばで自分の体験をまとめて人に伝えるという作業をしているわけですよね。
ちょっと話は飛びますが、シニアメイトに登録した子が、キャンプの際にプログラムを
模造紙に書いたりするのも同じで、
頭に入っているつもりのことでも、人に伝えるために視覚的に表現するというのは
実はかなり難しいことだと思うのです。
そんなことに感激していた私は、自分も真似て、初めて参加したファミリーキャンプのことを
模造紙にまとめてみました。
当時はまだ息子は2歳。息子のためではなく、自分のためにやってみました。
こういう作業は比較的得意と思っていましたが、やはり楽しかったことが多過ぎて、
1枚にまとめるというのは非常に難しかったのを覚えています。
さて、そんな訳で、以来 息子が大きくなるにつれ、
私が手伝いながらも、キャンプの感想をファイル1冊に残すようにしました。
(模造紙は保管するのが大変だったので、スクラッピングという方法にしました。)
最初はほとんど私がやっていましたが、幼稚園の頃には、写真を選んでもらったり、
感想を言ってもらって私が代筆したりと、一緒に楽しんでファイル作りをしたものです。
昨年は引率したラボっ子にも、「写真を貼るだけでもいいよ。」
「思い出したことがあったら、写真みながら家族の人に伝えてね。」(そして家族が代筆しても良い)
と伝えて、ファイル作りをしてもらいました。
でも、やはり親子で宿題という感じになってしまっては、
なんだか「嫌なこと」になってしまって、本末転倒なので・・・
今年は更に楽しいイベントになればと思い、ファイル作りの時間を取りました。
みんなで集まって、お互いの写真をみたり、見せたりしながらなので、
作業が進まないかな?と思っていましたが、ひとしきりしゃべってシェアした後には
みな集中して写真を貼付けたり、コメントを書いたりしていました。
このシェアするということもとても良いですよね。
「合宿、面白かったよ~」「へぇ、何やったの?」
「キャンプではさ、こんなの買えるんだよ。」「いいな~」
などなど、写真を覗き込みながら、とっても楽しそうでした。
驚いたのは、1年生もファイル作りを全部自分ひとりでやっていたこと。
写真を切って貼付けてみたり、吹き出しをつけて面白いコメントを書いてみたり、
手伝いながらやろうと思っていた私の方がびっくりしてしまいました。
もちろんその日だけでは完成しないけれど、
できるところまで自分ひとりでやったということに意味がある!
私はたくさん褒めてあげたいなぁと思ったのでした。
自宅では、こうはいかないと思うのです。
やはり縦長異年齢の子が集まって、他の子がやっているから、見よう見まねで
できてしまう。
そんな雰囲気に身を置くのはとても大事だと思います。
初めての場所、初めて会う人の中で、自然体で過ごせるはずもなく、
緊張と不安で辛いこともあったでしょう。
逆に楽しいこともたくさん、たくさんあったことでしょう。
それを振返ることで、自分でも発見できる自分の成長やがんばりがあると思います。
またファイルを見直した1年後、2年後には、また少し客観視できて
別の感想や思い出が出てくると思います。
(ファイルがなければ、そういう機会もないままですから。)
もう8冊目で慣れた息子は、あっと言う間に全部作り終えて、
その日のうちに感想文と表紙には幾何学的な?(変な)絵を書いて満足げでした。
これまで何日もかかって仕上げていたファイルアルバムですが、
こんなに早く、しかも感想もささっと書ける様子を見ていて、
まとめる力がついたというだけでなく、
充実したキャンプ体験だったんだなぁと、嬉しく思いました。
私自身、わかったつもりの息子のことですが、5年経って、今頃
「うちの子、シャイなんだ」と気づく・・・という体験をしました。
パーティや普段の家庭での様子では全然分からない心の中のこと。
子どもに寄り添うというのは、こんなに時間のかかることなんだ、
我が子でもそうなのだから、ラボっ子なら更にそうだろうと、とてもとても勉強になりました。
キャンプ中に、よそのラボっ子を見ていて、ふと・・・自分のパーティの子と重なり
「そうだったのか・・・あの子は、あの時、こんな気持ちだったのでは!?」と
気づいたりします。
何度も何度も何度もキャンプに行くから、見えてくること
なのだろうと思います。
「一回行ったから、もうどんなところかわかった。」とか
「もう知ってる。」とか
そんなことは絶対あり得ない。
何度行っても新しい気づきがあり、新しい物語と新しい言語との出会いがある
そんなことを
ファイル作りをしている子ども達の背中を見ながら、感じました。
ちなみに私はと言えば、ぼけっと子ども達を見守っているのもなんなので、
息子がキャンプのファイルを作っていたので、私は地区合宿のファイルを作りました。
雑だなぁ、センスがないなぁ・・・と自分のファイルを見て落ち込んでいたら
息子に「ママは上手だね。さすがだね。」と褒めてもらって、
少し心が軽くなりました。(単純)
大人も時には褒めてもらうと、嬉しいものですね。(笑)
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Re:キャンプの振返り(08月29日)
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さっちゃんさん (2012年08月31日 21時37分)
M君がラボ大好きなのは、お母さんと
一緒にファイルを作ったり、物語に
つながるいろいろなところにいったりと
楽しんでるからなのではと、日記を読みながら
思いました。
体験したことをまとめるっていいですね。
わくわくワークスにも出せるのでは?
今度ぜひ見せてくださいね。
ところ
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Re:キャンプの振返り(08月29日)
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あっこちゃんさん (2012年09月01日 09時20分)
こんにちは。
キャンプの振り返りについて、納得しながら読ませて頂きました。
…私自身は、こういうのが苦手でできないで、息子にもしてあげていませんでした。
でも何年かしてラボっ子たちがキャンプへ行くようになると嬉しくて、
その姿を是非つたえたい、という思いから、キャンプアルバムを始めました。
すると作っている子どもたちが夢中になって、出来ると見せっこして喜んでいる、
他のお母さま達に誉められている、様子を見ていると
キャンプの振り返りの大切さを実感しています。
皆で一緒に作る時間を持つのって、いいですね。
次回は取り入れてみたいと思いました。ありがとうございます。
息子は、ニュージーランドから帰国後、模造紙まとめていました。
字は下手で見栄えはもう一つですが、そのまとめ方、素敵な紀行文になっていて、
感心してしまいました。
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Re:Re:キャンプの振返り(08月29日)
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Basshiさん (2012年09月02日 23時30分)
さっちゃんさんへ
>M君がラボ大好きなのは、お母さんと一緒にファイルを作ったり、
物語につながるいろいろなところにいったりと
楽しんでるからなのではと、日記を読みながら 思いました。
→ありがとうございます。
子どもを楽しませよう(学ばせよう)という下心ではなく
私自身が楽しんでいることが重要だと、先輩方に教えていただいたことで
私も心おきなく楽しんでいます。(笑)
それが、ひいてはライブラリー好きにつながっているなら嬉しい限りです。
>体験したことをまとめるっていいですね。
→はい。本当にそう思います。
「あー楽しかった」で終わってしまうのと、何かに残す作業をしたものとでは
記憶の残り方が違うように感じます。
>わくわくワークスにも出せるのでは?
→パーティでまとめて出そうかと思っていましたが、一人一人でもありなのですね。
意外な発見でした。
学校の自由研究として出したことはあるのですが。
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Re:Re:キャンプの振返り(08月29日)
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Basshiさん (2012年09月02日 23時42分)
あっこちゃんさんへ
>その姿を是非つたえたい、という思いから、キャンプアルバムを始めました。
→まさに、キャンプアルバム!ぴったりのネーミングですね。
私がファイルと呼んでいるのは自由研究用に売っている市販のファイルを
使っているからなんですが、やってることはアルバム作り。
格好良く言うとスクラッピングですよね。
>すると作っている子どもたちが夢中になって、出来ると見せっこして喜んでいる、
他のお母さま達に誉められている、様子を見ていると
キャンプの振り返りの大切さを実感しています。
→キャンプのことを話したり、伝えたり、また質問する上でも
写真や絵など視覚的なものがあると具体性が違いますよね。
>皆で一緒に作る時間を持つのって、いいですね。
次回は取り入れてみたいと思いました。ありがとうございます。
→シェアするための時間をわざわざ作っても、
子ども達は他のことに気を取られがちですが、
一緒に作るという作業の間だと、とても自然に伝え合っていました。
>息子は、ニュージーランドから帰国後、模造紙まとめていました。
字は下手で見栄えはもう一つですが、そのまとめ方、素敵な紀行文になっていて、
感心してしまいました。
→お母さんに感心してもらえるなんて、最高ですね!
素敵な紀行文も素敵な思い出と共に、とっても大切で代え難い一生の宝物ですね。
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