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私のおすすめライブラリ 第3号 2006年4月17日
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1)SK-15 The Susa-no-o, the Vagabond God
2)SK-21 Perseusペルセウス
3)SK-28 STONE SOUP 石からスープができるかな
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1)きっかけは「スサノオ」 千葉中央地区 越桐昌子
私と私の息子がラボに出会ったのは、息子が年少の秋でした。初めて見学に行ったパーティーでは、Mr Gumpy’s Outing をみんなが楽しそうに活動していました。そして、このテーマ活動が私たちの初めてのラボで出会う物語になりました。次の年の夏に発表したのが、ピーターパンでした。ここまで、活動したのは、ほとんどが母、私で息子は何も発しなかったと記憶しています。
入会して一年後、パーティーでテーマ活動大会に出ることが決まりました。それは、『国生み』から「スサノオ」でした。「この一年間、声を出すこともなく楽しそうでもなかった息子には、こんなにむずかしい物語は絶対に無理! 舞台にだって立つかどうかわからない」と、すぐに思いました。
ところが、息子はCDを毎日聞き始め、しばらくして、私に質問しました。「ママ、さすらいって英語でなんていうか知ってる?」「えー。知らない。」と、言ったら「知らないの。バガボンドだよ。」と、言われました。私は、驚いて、先生に「はじめて覚えた英語が、バガボンドなんて!」と、話したことを今もはっきりと覚えています。この言葉をきっかけに、どんどん物語りに入り込み、パーティーでも剣をもちスサノオになりきっていたそうです。
その後、たくさんの物語に出会いテーマ活動をしていますが、「プロメテウスの火」では、ゼウスの台詞が、「トム・ソーヤ」では、牧師の台詞が、「アリス」では、公爵夫人の台詞が、「ドン・キホーテ」では、サンチョ・パンサの台詞が、大好きで、この台詞が言いたくてパーティーへ出かけて行くうちに、結果、物語全体が好きになり、毎回満足そうに発表しています。彼にとって、物語の長さ、台詞のむずかしさ、主人公は誰なのか、等、まったく関係ないようです。ポイントは、たったひとつ、楽しい、面白い音をみつけることだけのような気がします。いまでも、「バガボンド」をさがしを続けているようです。
わたしのパーティーで、いま「はらぺこあおむし」をしています。2才~4才の元気な子どもたちは、月曜日から土曜日までのたべものを食べることに夢中で盛り上がります。しかし、けっこう疲れてしまい、葉っぱをたべると本当に寝てしまいそうになるので、ある日、さなぎになったところで今日はここまでにしようと、言ったら、子どもたちに「先生、まだちょうちょになってないよ。」と、言われて私は驚いてしまいました。子どもたちは、かってにちょうちょになって部屋の中を飛び回っていました。私は、反省してパーティーを終えました。こどもひとりひとり、お気に入りの言葉や物、場面は、違うのですから出来る限り全部通してあげないといけないと思いました。それぞれのきっかけを大切にしてあげたい。良い物語にたくさん出会い、頭の中で上映できる物語をふやしていってほしいと思います。
2)ペルセウス ときわ地区 萬浪絵里
どっしり・うっとり・がっくり・くすくす・わくわく・どきどき・はらはら・
すっきり・しんみり・ずっしり…
聞いて楽しい、やって楽しい、考えて楽しい。そんなライブラリーの筆頭に、私なら「ペルセウス」を挙げたい。自分の祖父を殺してしまう運命をどう考えればよいのか…。神と人と英雄の関係は? いやいや、そんな難しい疑問は後回し。「ペルセウス」の話は次々と出てくる登場人物の個性と、場面のはっきりした息つく間もないストーリー展開に、聞き始めると誰でも引き込まれる。
例えば「アリス」は聞いて楽しいけれど、テューターでありながらどうもなかなか童心に帰れない私にとっては、自分でテーマ活動をやると、何だか、かなり無理が入ってしまう気がする。でも、この話は違った。元々大好きだったが、テューター研修でテーマ活動に取り上げたとき、ペルセウス役をやらせてもらうことになったら、なんと本当に空が飛べたのだ。 “Winged sandals, make speed!” フワリと浮かぶと、眼下に飛び去っていく森や川が本当に見えた。「見えるはずだ」と頭で考えて飛んだのではなく。こんな経験をしたのは初めてだった。それに何と言ってもこの英雄はカッコイイ。成長し、与えられた試練を次々と切り抜けていく。ラボっ子の中に、いつも主役をとりたがる子がいるけれど、一度自分でペルセウスの役をやれば、そんな子の気持ちがすぐわかる。
ファンタジーでもフィクションでもない。でも、現実離れしたことが次々起こり、心に訴える重みがある。神話にはそんな魅力が感じられる。
テーマ活動がいいものであり、ラボの根幹なのはわかる。けれど、自分でやるとき、どこか照れを押し殺していることに実は強烈なストレスを感じている子は、結構いる。特に、「気分はすっかり大人」の小学校高学年。純然たるファンタジーの中で心が遊ぶには、もう理性が邪魔してしまう。バカらしく感じてしまうことが押さえられない。そんなときは、ギリシャ神話を取り上げるべし!!「大人である自分」を偽ることなく取り組めると思うのだ。もちろん、テーマ活動をやるときに理性が邪魔してしまう「本当の大人」にとっても同じくオススメです。
3)SUCH WOMEN DON’T GLOW ON EVERY BUSH.
なかなかいないよ、あんなすごい人たちは 千葉総局 西山直輝
このコラムのタイトルを考えながら、ぐつぐつと美味しそうな湯気を立てている大きな鉄のなべを想像した。思わずお腹がグ~っと鳴った。
この4月で入社して丸3年が経つボクが、入社直後からずっとやりたかった仕事のひとつが前期テュータースクールだ。その理由はいくつかあるが、「一人のラボテューターがいかにして誕生するのか」を知りたい、というのが一番の大きな理由だった。
今回のテュータースクールでは、ラボを元々知っている人(ラボママや元ラボっ子)と、ラボを全く知らなかった方が、ほぼ半々の比率だった。当然、どの方もテーマ活動には抵抗がある方がほとんどだ。それはそうだろう。いい大人が真剣な顔で、飛んだり跳ねたり地面を這い回ったりするわけだから。しかし、毎回2人ずつ素語りや絵本の紹介をしたり、ソングバードやナーサリーライムに取り組んだり、家でお子さんと一緒にCDを聞いて遊んでいるうちに、自然とぎこちなさもほぐれ、若干引きつっていた笑顔が輝き始め、もごもご言っていただけの歌がしっかりと歌詞を聞き取れるように、変化の兆しを見せてきた。まるで一匹のあおむしが種々様々な食べ物を食べて成長していくかのように。
さて、テュータースクールでは、ご存知のようにテーマ活動の発表を最後に行なう。今回も例外ではなく、回を重ねるごとに徐々に変化してきたこのグループも、発表するお話を決めることになった。候補に挙がっていたお話は2つ。ふしぎの国のアリス”The Queen of Hearts”と、ハメルンの笛ふきに収録されている”STONE SOUP”。結局、どちらを発表するのか、子ども達と同じように、家でCDを聞いて一度通して動いてみて決める事になった。その結果、「アリスのお話はとても動きやすい&イメージがしやすい」という意見。逆に「STONE SOUPは、お話が淡々と進むのでなかなかイメージがしづらい」という意見が出た。その結果、発表するお話はSTONE SOUPに決定した。「何で?普通、逆じゃない!?」と思って聞いてみると、「イメージがしづらいからこそ、みんなでイメージを持ち寄ってそれを合わせたときに、もっともっとお話が楽しめそうだから」とのことだった。それを聞いた時に、「あぁ、この人たちは、もう既にラボテューターとしての第一歩を歩み出している。もう何の心配もいらないな」と、まるで父親のような心境になったのをしっかりと覚えている。
発表を終えた時に、参加者の一人が「ねぇ、テーマ活動って、まさにこのSTONE SOUPのお話と一緒だよね。みんなで少しずつ材料(意見)を持ち寄って、美味しいスープ(テーマ活動)を作り上げるんだから」と言っていた。どうやら全10回のテュータースクールを通して、彼女達も美味しい石のスープの様に素敵なテューターに仕上がったようだ。 |
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