幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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 2005年 活動報告
Welcome!
私のおすすめライブラリー 第10号               2007年4月16日

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1)GT-20 Don Quixote
2)SK-22 Mr.Gummpy's Outing     
3)SK-14 Mother Holle
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1)ドン・キホーテ -深く、深く心に迫るテーマ活動ー
                         ときわ地区 飯島茂子

食べ物の中で食わず嫌いだったものが、ある時、一箸食べてみると以外に美味しくて、実は大好物になったりして・・・なんて経験ありませんか?
ラボ・ライブラリーの中にもそんなことってあるんですよね。実は飯島パーティにとって「ドン・キホーテ」がそうだったんです。発刊の時、なんとなく興味がなくてやらず、何年か前に、私がスペインに旅行した時、マドリードからトレドへ行く途中の田舎のみやげもの店で、木彫りの馬(ロシナンテ)に乗ったドン・キホーテとロバに乗ったサンチョ・パンサの人形を、かなりの値段で思わず買ったにもかかわらず、それでもテーマ活動したこと無かったんですから不思議です。
 そんな「ドン・キホーテ」を中高大生グループが3月に発表したのです。もう2週間も経つというのに、私の心には熱いものが残っているのです。テーマ活動を通して彼らが大きく育っていったからです。
 1話からスタートし、ケタはずれにハチャメチャなドン・キホーテの行動、それにとまどいながらも従うサンチョ・パンサ。一つ一つの話を面白可笑しくテーマ活動しながら、片や原作を読んだり、セルバンテスを調べたりと楽しみつつ、発表は3話(銀月の騎士)に決まりました。
 不思議なことに、物語が進むうちに、みんなの気持ちがどんどんとドン・キホーテに入りこんでいくのです。あきれる程バカらしいけど憎めないドン・キホーテ。まるでみんながサンチョの気持ちになっていくようでした。そして最後の銀月の騎士との戦いのところで、あんなに楽しくやってきたテーマ活動が、ハタと立止まってしまったのです。
セルバンテスって、本当にすごいです!!
あんなに楽しく私たちを旅に連れて行ってくれながら、ただ楽しいんだけじゃないんだよ!と言っているようでした。彼らは真剣に考えこみました。真剣に話し合いました。
「ドン・キホーテってどんな人?」
「ドン・キホーテってどうして旅をしているの?」
「サンチョ・パンサってどういう人?ドン・キホーテにとってどういう存在?」
「ドン・キホーテの騎士になりつつ゛ける夢が、本当にくだけたのはどこなんだろう?」話し合いは続きました。そして彼らは現実の生活の中での体験を語りだしたのです。受験で挫折した時のこと・・・。そんななか、今春ラボを卒業した大学生が就職活動に苦戦している中で「現実は、夢や理想を持ち続けることは厳しいんだよ!」と言ったのです。一瞬、皆息を止めたようにシーンとなりました。彼女を気つ゛かう仲間達がいました。「でも、やっぱり夢や理想は持ちつつ゛けなきゃね!ドン・キホーテはすごい人だよ。」と言ったのです。私は、「ああ、これが彼女の後輩に伝えるメッセージだな」と思ったのです。
 当日の発表はドン・キホーテと銀月の騎士との場面では理想と現実の対比を、そして最後の場面ではサンチョの励ましを受けて故郷へ旅立つ二人に温かい光を送る彼らの姿がありました。

“One closed door leads to another that is open”
「一方の扉が閉まれば、もう一方の扉が開く」

この春「ドン・キホーテ」に出会った若い彼らに心をこめてこの言葉を送りたいと思ったテーマ活動でした。

「ドン・キホーテ」お薦めします。

2)Mr. Gumpy’s Outing”        
              千葉中央地区  園田理恵

ナーサリーライムの故郷でもあるイギリスで生まれたお話は、ラボライブラリーの中に私のお気に入りの話としてもたくさんある。
ケンジントン公園の見上げるように大きな木々の間を歩くと、ピーターパンの話を、リージェントパークのバラが美しい季節になると、不思議の国のアリスを思い出す。この様にロンドンの街中でさえ大きな公園が至る所に散在する緑の美しい国である。とりわけ郊外の方へ行けば行くほどその自然美はまし、歴史的建造物とのハーモニーは素晴らしい。
そんな典型的な風光明媚さが描かれた“ガンピーさんのふなあそび”が私は大好きだ。

「りー,Surprising planがあるからこの日は必ず空けておいてね。」
昨年夏、日本への本帰国が間もない頃ご近所で仲良くしていたアメリカ人とアメリカンスパニッシュのご夫婦からお誘いがありピカピカに晴れたある朝早く、同じくご近所仲間3家族で家を後にした。2時間ぐらい車を走らせて着いたのはテムズ川の上流の小さな村の川べりだった。イギリス人の間では夏になるとバージと呼ばれる平底船を好きな期間借りての気ままなボート遊びが人気だ。ゆっくりゆっくり船を進ませ、ロックと呼ばれる地点では自分達の手作業で上流と下流の水位を調整しながらののんびり旅だ。自分達で船の中で料理したり時には岸に船を横付けにして散策を楽しんだり地元のパブに立ち寄ったりと時間はあってないようなもの。ご近所夫婦もそんな日帰りの船旅を予約してくれていたのだ。
ガンピーさんの舟にウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、ウシ、ヤギが乗せてもらったように国籍様々の私達もその船に乗り込み“ふなあそび”が始まった。(幸いな事に私達は喧嘩はしなかったが。。。。。)舵を取りたい人が舵を取りまるでスローモーションのように周りの景色が進んでいく。ボートから岸を見ると木々の1本1本、草むらや其々の花もまたいつもの角度とは違って見える。水面を泳ぐカモやアヒルの親子に子供達は歓声をあげ、時折すれ違うボートに乗っている人達と笑ってお互い手を振りあう。私はすっかりジョンバーニンガムの優しい柔らかいタッチと美しい色彩の絵本の世界にいた。

イギリスというのはある意味不思議な国である。先進国で何でもきちんとしているかと思えば電車の時間をはじめいい加減な部分も結構ある。古きよき伝統をかたくなに守っている反面、斬新な文化も色々受け入れている。歴史的背景もあり過去より移民の受け入れも多く多民族国家である。多種多様の価値観が微妙に存在し何となく上手く調和している気がする。それはかつて大英帝国として反映した成熟した大人の国イギリスのおおらかな寛容性なのかもしれない。違った動物達が舟の中でお互いもめて結局川に落ちてしまい、まあいいじゃないかと皆でお茶を飲むガンピーさんのお話はそんなイギリスの国そのものを私に連想させる。  “Come for a ride another day.” ガンピーさんのこの最後の言葉にある種のせつなささえ感じてしまう。

黒姫キャンプの掃除の時間に流れる軽やかで美しく楽しい音楽があります。『ホッレおばさん』の音楽です。
この音楽はラボライブラリーの音楽の中で私の最も好きな音楽のうちのひとつです。
無条件に楽しく,とても幸せな気分にさせてくれます。7年ほど前まで,私は黒姫キャンプには必ず対応していたのですが,タロー丸本部で掃除の時間にはきまってこの音楽をかけていました(私がキャンプ対応する以前もそうですが…)。夕食を食べる前にロッジの中をみんなできれいにして,楽しくお掃除!という思いをこめて。

3)『ホッレおばさん』の魅力
               千葉総局 橋本武史

この冬,ホッレおばさんは寝床をこさえる時に,羽根枕や羽根布団を羽根がちらかるほど,あまり大きくふらなかったのでしょうか? それともちょっとおつかれだったのでしょうか? マルガレーテのような娘が来なかったのでしょうか? 冬の寒さは苦手ですが,もう少し雪が見たかったような気がします。
それはともかく,枕や布団の羽根が冬の雪にかわって私たちの世界に舞い降りてくるなんて,想像してみると本当に素敵ですよね。冷たい雪なのに,なんだか暖かく楽しく感じられます。

    滝のように落ちたりんごをなぜ拾い集め山のようにしたんだろう?
    下の世界から上の世界に雪を降らせるなんて…
    ホッレおばさんって何もの? 冬の神様?(→中欧ドイツで多神教?)
    ホッレおばさんといる世界は千倍も楽しい生活なのに,いじめられた家族のもとに帰りたくなるなんて
    金色の雨,純金になる雫って,すごいなあ
    とても意味深いホッレおばさんの言葉の数々
など…。他にもたくさんありますが,頭が固くなった私は,逆にそのようなことが不思議でもあり,とても面白く感じるところです。でもラボっ子たちはもっと自然にとらえているのでしょうね。正直,私は『ホッレおばさん』の発表はかなり前にキャンプの共通テーマの時以来,ほとんど見た記憶がありません。ですから,ラボっ子たちがどんな表現をするのかとても興味があります。
マルガレーテは継母にいじめられ,閉ざされた生活を強いられていました。そんなある日,糸巻きを取ろうとして井戸の中にマルガレーテは落ちてしまいます。気がつくと牧場の緑にうつぶせになって全く違う世界に紛れ込みます(アリスでも見たような場面ですね)。そこは天国にも似ているような気がしますが,いろんな解釈ができるところかもしれません。マルガレーテはそこから春,夏,秋,そしてホッレおばさんのいる冬と,様々な出来事と出会ってゆきます。
そしてマルガレーテはホッレおばさんの家で寝床を作ることを任されます。枕や布団を羽根が飛び散るくらいよくふって作るのですが,その飛び散った羽根が“上の世界”では雪となって舞い降りるのです。マルガレーテは雪の上をかけるきつねやウサギを思い出し,「森や野原も真っ白になるのだわ」,「足跡ができるのだって私のおかげなのだわ」と,なんだかとてもたのもしい言葉が…。“上の世界”では継母の言いなりでしたが,いくつかの出来事をとおしてだんだんと自分という存在の意味を感じはじめていったような気がします。自分が誰かを幸せにしているという実感,人の成長にはこの実感こそが,必要なんだろうなと感じました。これはあくまでも私の主観ですが…。
私にとってこの物語で何といっても劇的なのは,大きな扉の前に立った瞬間,マルガレーテが金の雨を浴びて,服も靴も,手袋も,そして髪も輝く金になってゆくところです。金ぴかになったマルガレーテに「これがあんたの働いた分だよ」とやさしくホッレおばさんは教えてくれます。この言葉がなぜか私にはとても印象的でした。こうして元の世界に戻ってゆくのですが,ラボっ子たちにはこの場面はどんなふうに映るのでしょう?
どんな物語も同様ですが,ここにあるホッレおばさんの“ことば”やこの物語の“出来事”は本当に様々な解釈ができ,深みを感じる物語だと思います。ぜひ,特に小さいラボっ子たちに触れさせてあげたい物語です。
繰り返しになりますが,ストーリーの美しさ,楽しさ,美しい言葉(英語・日本語),いろんなことを想像できる出来事,そして美しい音楽と…,たくさんの魅力のつまった宝物のような私のお勧めライブラリーです。
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