幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
■■■ 運営事務局より ■■■
ひろば@LABOは,ラボ教育センターが展開する
「ラボ・パーティ」に関わる皆さんのコミュニティ・ネットワークです。
「ラボ・パーティ」については 公式サイト  をご覧ください。
ラボ公式HPTOP新着一覧趣味・ゲームランダム新規登録戻る 0548685
  
Home
Diary
Profile
BBS
Bookmarks
Schedule
メール
・メッセージを送る
・友達に教える
ページ一覧
・ 創作短編童話1
・ 青少年育成
・ アート回廊=1
 アート回廊=2
・ 勘違い語塾
・ 旅の落し文
 HAWAII
・ ものはづけ①
 ことばあそび
 読めますか
・ 萬葉植物
・ 小夜 & GANOトーク=1
 S&Gトーク=2
 S&Gトーク=3
 S&Gトーク=4
 S&Gトーク=5
 S&Gトーク=6
 S&Gトーク=7
 S&Gトーク=8
・ 古典芸能〔1〕
 伝統的技芸
 古典芸能(2)
・ 物語寸景(1)
 物語寸景2-1
 物語寸景・3
 物語寸景・4
 物語寸景2-2
 物語寸景・5
 物語寸景2-3
 物語寸景2-4
 物語寸景・6
 物語寸景2-5
 物語寸景・7
・ つれづれ塾《1》
 その《2》ラボ
 その《3》映画1
 その《4》植物
 その《5》古典1
 その《6》詩歌
 その《5》古典2
 その《3》映画2
・ 今月の花神=1
 今月の花神=2
・ 本、譲ります
・ ウの眼
 タカの眼
 イワシの眼
・ 狂歌で遊ぼ!
 川柳で遊ぼ!
 変漢ひろば
 狂歌-〔2〕
・ 小径を行けば…
・ ことばの旅路①
 その《2》
 その《3》
0705
[一覧] << 前の日記 | 次の日記 >>
★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり 10月23日 ()
何をそんなに怒っているのか、誰に対する怒りか、「シオミツタマ」はこれでもか、これでもかと台風を招き、列島に最高度の悪意を向けて、各地を水びたしにしている。「シオフルタマ」はどうしたのか、気力をなくしてあまり働いてくれない。もう台風はたくさんなのに。
秋の研修で日本の神話に取り組んでいる方々からの声が伝わってきます。愉しみつつも、どうしてももうひとつ届かないというもどかしさをもらす声も伝わってくる研修活動。日本の神話のあたりのことは、求められても、自身、それほど精しいわけではないのですが、わたしたち日本人の心の原郷にふれようとするその志に共鳴し、思いつくままの断想をご紹介いたします。
「わだつみのいろこのみや」について。

海幸彦・山幸彦の話(わだつみのいろこのみや)は、兄弟の争いとして書かれていますが、これは、太古の時代、九州にふたつの大きな勢力があって、その争いを語ったものと思われます。争いの舞台は西九州。潮の干満ということでは有明海がよく知られていますが、あの九州の西あたりは、潮の干満に大きな差があるところ。海の王からもらった珠で意地の悪いイカンタレの兄貴を水攻めしたり助けたりする逸話は、潮の干満のイメージに重なりますね。火遠理(ホオリ、山幸彦)と火照命(ホデリ、海幸彦)の兄弟喧嘩で、弟のホオリが九州北部、兄のホデリが九州南部の薩摩・大隈あたりを支配していた勢力とみられます。この南部の勢力は血気盛んな人たちでしょっちゅう反乱を起こして、国をまとめようとする朝廷を悩ませていたのですが、8世紀に入るころには制圧され、完全に朝廷に帰順しています。この物語はそのへんのことを語っているようですね。原文では、

――攻めむとするときは潮盈(みつ)珠を出して溺らし、それ愁ひ請(まを)せば潮乾珠を出して救ひ、かくしてたしなめたまふ時に稽首(の)みまをさく(おじぎをして言うには)、「僕(あ)は今よりゆくさき、汝が命(みこと)の夜昼の守護人となりてぞ仕え奉らむ」とまをさき。故(かれ)、今に至るまで、その溺れし時の態(わざ)絶えず仕え奉るなり」

潮が満ちてきて、足のところについたら、こんなふうにせよ、膝まできたときには、こんなふうに、股まできたら、腰まできたら、腋のところまできたら、いや首まできたら…と、海幸彦が水に溺れかかったときの恰好をするのですから、そんなにカッコいい踊りとは思われないのですが、これはすなわち、兄弟喧嘩に負けた南の勢力の隼人が、反抗をやめて中央勢力に帰順し、その証しとして宮廷の大嘗会の節会などのたびに隼人舞いを奏するようになったいわれを語るものと思われます。というよりは、隼人のあいだに伝承されてきたその話を古事記の編著者がここに織りこんだものとみていいのではないか、と。そのとき以来、隼人が宮中に出て隼人舞いを演じるようになるわけですが、それを継承していく人たちにこの舞楽のいわれと意味と筋を語り伝えるためのものだったかも知れません。
chrysanthmam-b.jpg
※「わたつみのいろこのみや」をめぐっては、ページ一覧のうち「物語寸景《3》」でもご紹介しておりますのでご参照ください。
Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
さとみさん (2004年10月24日 00時52分)

がのさま

『わだつみ、、、』についての背景を教えていただきありがとうございます。

聴いている時は、わからないのですが、実際に兄(ホデリ)役で動いた人が、
隼人舞いをしてみると、とっても屈辱的な気持になって、哀しくなってきた、
という意見がありました。なるほど、そういう背景がね~。
以下は、「隼人舞い」についての資料から

ーー 自分の釣り針に固執した兄海幸は、弟の山幸の得た塩盈玉でなぶられた
あげくに結局は降参する。それ以降、海幸の一族は、山幸一族への服従を示す
ために塩盈玉で溺れた様を演じ続けることを強いられ、それが隼人舞という芸
能になったという。

 海幸の子孫たちは、おそらくは征服者たちの嘲笑と蔑視を浴びながら、一族
の敗北の様を演じ続けたのだろう。その永遠に続く屈辱の記憶の繰り返しは、
彼らから復讐への意志を奪い、その魂の深部に底なしの空洞を空けてしまう。

 征服者による恐ろしいほど残酷な心理作戟だ。ーーーー

ラボのライブラリー『わだつみ、、』は、美しい音楽と、調子の良い「隼人舞
い」の音楽が心地よく、どろどろとした政治の臭いが、一見はしないのです
が、ちゃんと、兄役になりきってみて動いてみると、隠された心理が見え隠れ
するのです。(んんん、奥が深いな~。)
ライブラリーの終わり方として、ふたりで、声を出して大笑いして、兄も弟も
一緒に踊ってしまうのですから、他3話に比べて、とても、海に抱かれている
ような大らかさを感じ、心地よい仕上がりになっている気がします。

それにしても、豊玉姫からの恋の詩だけで、なぜ、ホオリからの返事の詩は、
ラボライブラリーでは、カットしてしまったのかしら?あなたなら、この詩
に、どんな返歌をしますか?という投げかけでしょうか?

がのさんなら、どんな返歌を返されますか?きいてみた~い!!

     赤玉は 緒さへ光れど、
       白玉の 君が装いし
          貴くありけり。
Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
とんかつ姫さん (2004年10月24日 00時57分)

へ~え、めちゃ興味深いです。

この話は「国生み」の中でもエキゾチックと言うか南方的で興味深かっ
たですが。

うちはとても変な所に結論を持っていって、ラボッ子たちと「釈然とし
ないね」と語ったことがあるんですよ。

間違ってるかもしれないけど、ホオリのこどもを密に出産したトヨタマ
ヒメはワニ子を産んだ、その子(または子孫)がヤマトタケルノミコト
になった、と読んだ子が「え~私たちの先祖はワニだったの~?」と言
ってまして。 わたしゃ何とも説明の出来ない思いをしたことがありま
した。

アカデミックじゃなくってごめんなさい。
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり《1》(10月23日)
がのさん (2004年10月24日 11時42分)

とんかつ姫さん
>この話は「国生み」の中でもエキゾチックと言うか南方的で興味深かっ
たですが。ホオリのこどもを密に出産したトヨタマヒメはワニ子を産んだ、
「え~私たちの先祖はワニだったの~?」と言ってまして。
----------------------------
エキゾチックですよね。
記紀神話の全体を通じても、たしかにここはほかの部分と大きくちがっている
ように思います。
象徴的には、この現世を超えた異界といえば、イザナキ・イザナミの神話でわ
たしたちはよく知るように「黄泉の国」ということになっています。
それがここでは、海の深み、海の彼方というわけですよね。
このことから、人によっては、沖縄の神話にある「ニライカナイ」を想うかも
知れません。
沖縄本島の東南に久高(くだか)島というのがあって、いまでも人びとはそこ
を「神の島」と呼んで尊んでいるそうですが、ここに沖縄の租神のアマミキョ
が海の彼方の「ニライカナイ」から渡来し上陸したというんです。「アマミキ
ョ」とは「遠い遠い海から来た人」という意味。
このへんの神話・説話と結びついた話とも考えられますし、じつは先にすっか
り図書資料を処分してしまって手もとになく、確かめようがないのですが、イ
ンドネシアにこれとそっくりの昔話があったはずです。インドの昔話にも。
仲のよい兄弟がいた。あるとき、それぞれの仕事をとりかえっこする。弟が兄
の大事にしていた釣り針をなくしてしまったことから、仲たがいがおこり、兄
は怒って弟をきびしく責める。途方にくれた弟が身を棄てようと海辺にくる
と、あるふしぎな存在によって救われ、海の底のもうひとつの世界でさんざん
いい思いをして、揚句には魚の咽喉から釣り針を取り返して帰り、イカンタレ
の兄貴に報復する。
これが浦島太郎の伝説の源流になっていることはすぐわかります。(つづく)
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり《2》(10月23日)
がのさん (2004年10月24日 11時57分)

とんかつ姫さん〈承前〉

出てくることばも、ほかの神話の部分とぜんぜん違うような気がしませんか。
塩盈珠、塩乾珠、塩椎神、綿津見神、鯛、鰐、鵜羽…、などなど。海の生活を
していた人びとのあいだで生まれた神話であることは間違いないんじゃないで
しょうか。
日向にある鵜戸神宮はおおきな岩窟のなかに建てられているんだそうですね。
わたしは行ったことはありませんが。豊玉姫があさましいワニのすがたにかえ
ってこっそりと鵜茅葺不合命を産んだのがこの岩窟ということになっています
し、海岸ちかくの青島が海のお宮のあとだそうで、ホオリと豊玉姫を祀る青島
神社もあるとか。さて…。のちの世のひとがこしらえた付会だろうとは思いま
すが、宮崎にお住まいの方、このへんのこと、よかったら精しく教えてくださ
いませんでしょうか。

先祖がワニさん。そうだわに~。いいんじゃないですか、はずかしいことでは
ないでしょうに。りっぱなことだワニ。めでたい、めでたい、ワニなっておど
ろ、てなもんでしょう。国によっては、ほら、フンコロガシを自分たちの先祖
として誇っている人たちだっているんですから。
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり《前》(10月23日)
がのさん (2004年10月24日 14時38分)

さとみさん

それにしても、豊玉姫からの恋の詩だけで、なぜ、ホオリからの返事の詩は、
ラボライブラリーでは、カットしてしまったのかしら?あなたなら、この詩
に、どんな返歌をしますか?という投げかけでしょうか?
----------------------------
ま~あ、さとみさんは、いつもいつも、ビミョーなところに着目なさるので、
純情無垢ムクなわたしなんぞはドギマギさせられます。
豊玉姫からの歌に返歌をしなかった(返しの歌をラボではカットした)のはヘ
ンカな~、との疑問。
じつはわたしにもちょっとひっかかるところです。なぜなら、
これが、のちの萬葉集などでさかんにおこなわれる男と女のあいだの贈答歌の
ハシリとなるものだからです。で、この歌ですけれど、古事記では、
   赤玉は 緒さへ光れど
白玉の 君が装(よそ)いし 貴くありけり
一方、日本書紀のほうはちょっと違っていまして、
   赤玉の 光はありと 人は言へども
    君が装いし 貴くありけり
こちらのほうは、赤玉、すなわち豊玉姫が産んだ子のフキアエズの可愛らし
さ、美しさを訴えるほうに重点があるように思いますが、当然、ここでの流れ
と背景からは、前者の古事記の歌のほうが自然でしょう。なお、赤玉は琥珀な
どのことをいいますが、赤ちゃんのことを暗示していることはあきらかです
ね。
ご存知のとおり、これにはちゃんと返歌はあります。どうしてラボのテキスト
ではそこをカットしたか…。ほんとうのところは知りませんが、わたしは「ビ
ミョー」だからだと思います。未成年者にはちょっと、という…。わたしが再
話したとしても、考えちゃうところですから。どんな返歌か。
   沖つ鳥 鴨著(ど)く島に 我が率寝(ゐね)し
     妹は忘れじ 世のことごとに
オシドリ(鴛鴦)のオス・メスの仲のよさはよくいわれますが、鴨の夫婦仲も
きっとよいのでしょうね、萬葉集の歌にも仲のよさをいうたとえとしてよく登
場しますから。(つづく)
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり《後》(10月23日)
がのさん (2004年10月24日 14時46分)

さとみさん《承前》

きれいな歌でしょ。白波がさわさわと立ちさわぐ沖のかなたに横たわる島、カ
モメが空を裂いて飛び交う美しい島のイメージが浮かんできませんか。ところ
が、一転、「率寝(ゐね)し」となり、成人の世界が展開します。わたしとぴ
ったりひとつになって共寝した処女のあなた、やさしいあなたのことがいつま
でも忘れられません、これから先、生涯にわたってずうっと、ずう~っと…。
「世」は夜這いの「よ」でもあります。
ほら、さとみさん、このホームページでこんなことをわたしに書かせてどうす
るんですか! し~らない、知らない。

がのさんなら、どんな返歌を返されますか?きいてみた~い!!
  赤玉は 緒さへ光れど、白玉の 君が装いし 貴くありけり。

わたしからの返歌ですって! とんでもないことをおっしゃる!
でも、メールで後日、ないしょに送るかも…、いや、送らないかも。
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
がのさん (2004年10月24日 21時43分)

さとみさん

 海幸の子孫たちは、おそらくは征服者たちの嘲笑と蔑視を浴びながら、一族
の敗北の様を演じ続けたのだろう。その永遠に続く屈辱の記憶の繰り返しは、
彼らから復讐への意志を奪い、その魂の深部に底なしの空洞を空けてしまう。
 征服者による恐ろしいほど残酷な心理作戟だ。――
----------------------------
ついでに、もうひとつだけ付け加えさせてください。
引用いただいた上記の資料についてですが、おおむねわたしの見方と同じなの
ですが、誤解なきよう付言するならば、隼人は負けて卑屈になってものわらい
にされているような人たちではないということです。
日本列島の北東に毛人(えみし、蝦夷)がいました。
そして南西部に隼人がいました。
ともにヤマト政権にとってはやっかいな存在で、手を焼いていました。
その絶えざる戦いのなかで、反乱したり服属したりを何度も繰り返していまし
た。
しかし、「日本書紀」にせよ「続日本紀」にしても、
これは中央政権の側に立って編纂した歴史書で、巧妙な情報操作のなかで、
こうした人たちを害をなすものたちと見下した書き方をしていることは
ほぼ間違いありません。今でもよくあるじゃないですか。
日向神話をみれば、これはまっ赤なオオウソだとなっているはずです。
いずれにしても、蝦夷(えみし)と並んで隼人は歴史上の名族なんですね。
「薩摩隼人」といえば、いまでも、行動力があり、信念かたく、
精悍で勇敢であることの代名詞みたいになっていますよね。
わたしたちはそんなにいつも素直でいてはいけないんですね。
歴史をもうひとつの側から見る必要があるときもある、ということ。
Re:Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
さとみさん (2004年10月25日 00時50分)

がのさんへ

>さとみさん
いずれにしても、蝦夷(えみし)と並んで隼人は歴史上の名族なんですね。
「薩摩隼人」といえば、いまでも、行動力があり、信念かたく、
精悍で勇敢であることの代名詞みたいになっていますよね。
わたしたちはそんなにいつも素直でいてはいけないんですね。
歴史をもうひとつの側から見る必要があるときもある、ということ。
----------------------------
今回、インターネットで「隼人舞い」と検索していたら、鹿児島に由来する資
料と、京都の日向に由来する資料と半半で、出てくるのですよね。

それらを読んでいくと、精悍で勇敢な薩摩隼人族の人は、特に、警備の役割に
向いているという事で、京都へ移住させられ、警備の仕事を任せられた。

一族が住んでいた地名として、今尚、「日向」という地があるそうです。

彼等が京に伝えたものに、占い、呪術(狼の遠吠えに似たもの)、月信仰、
竹、そして隼人舞いがあるそうです。
「竹取物語」も、実は、月信仰、竹(月にまっすぐ伸びる植物として大事にさ
れた)辿っていけば、隼人族につながるそうです。
竹を使った道具の技術も伝え、京といえば竹というほど。

後に、エジソンの電気の発明にまで、つながっていく!?(電球のフィラメン
トに京の竹が使われたことは、あまりにも有名な話)ひえ~

あ、話しが脱線しましたが、いえ、飛躍しましたが、日本人というと、単一民
族なんて、思われがちですが、本来は、多民族からなる地だったのですよね。

タイムスリップして、隼人族に会ってみた~い!
精悍で勇敢でしかも情熱的で、文才があり、器用で、芸能にも長けている。
んんん、す・て・き!!
Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
ちこらんたんさん (2004年11月01日 12時20分)

おひさしぶりです。
本当に、最近は天災がすごいですね。
さすがに恐ろしくなります。

最近、研修で「スサノオ」に取り組んでおりまして、日記にもいろいろ
書いて、あーだこーだと考えておりますが、
「わだつみ・・・」にお詳しいがのさんなら、スサノオのこともご存知
かと思い、質問です。

アシナヅチとテナヅチの名前は、どう書くんでしょう。
彼らは土地神と聞いていますが、もう少し詳しくご存知ですか?
他にもご存知のことがあったら教えてくださいませ♪
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞い⇒「スサノオ」《1》
がのさん (2004年11月01日 16時44分)

ちこらんたんさん
>本当に、最近は天災がすごいですね。さすがに恐ろしくなります。
最近、研修で「スサノオ」に取り組んでおりまして、スサノオのこともご存知
かと思い、質問です。アシナヅチとテナヅチの名前は、どう書くんでしょう。
彼らは土地神と聞いていますが、もう少し詳しくご存知ですか?
----------------------------
 あの、ですね、ないしょですが、わたしは申し訳ないことに、ラボのテキス
トのほとんどをすでに処分してしまっていて、ラボの物語に沿って語ることは
できないんです。おぼろな記憶しかないことをご承知おきくださいね。
 そうでしたね、この年、日本列島は災害でズタズタ。台風、それもいずれも
大型の台風が上陸すること10回、浅間山は噴火するし、そしてこのたびは新
潟・中越地方の大震災。これはどうも尋常ではありませんね。ある見えない力
がはたらき、あらん限りの悪意をこめて怒っているかのよう。だれに対する怒
りか。…ちこちゃん、身に覚えはありませんか、潔白ですか。
 スサノオのテーマ活動に取り組んでおられるとか。そうです、このスサノオ
のいたずらかもしれませんよ、この相次ぐ災害は。速須佐之男命は、ひとつに
は、ヤマタノオロチ(八岐大蛇)を退治した英雄でした。この国を葦原の堅洲
国と呼んだように、葦の生えているところには蛇が多いんですね。お好きです
か、この生き物。いまでも蛇をやっつけた子は英雄みたいに威張っていません
か。そうでもないかな、このごろは。ひとの嫌うものを退治した英雄であると
ともに、スサノオは暴風雨の神でもあることはご存知でしたか。天照大神が太
陽のシンボルであるのに対して、スサノオは暴風のシンボルです。ラボの物語
ではそのへんはまったく薄められていて、高天原の姉神の天照大神のところで
はたらいた数々の乱暴や天の石屋戸のところはほとんどふれられていなかった
ですよね。しかし、この神さまはもともとは、手のつけられない粗暴な存在、
破壊的な存在で、古事記のこの部分では、本来、自然神として語られているは
ずなんです。マイナスのほうの自然ね。《つづく》
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞い⇒「スサノオ」《2》
がのさん (2004年11月01日 21時44分)

ちこらんたんさん《承前》

 ま、ラボの物語の場合、八岐大蛇(八俣遠呂智)を退治して、生贄になるは
ずだった美しいクシナダヒメ(櫛名田比賣)を嫁さんにするというロマンチッ
ク路線をいくものになっていました。いいんじゃないですか、これも。これが
日本では怪物退治の最古の話であることも覚えておきたい。
 そして、ここが大事! 出雲の国に須賀宮(菅野宮!?)を建てて住んだと
いうこと。(うん? そんなこと、どうでもいい?)
有名な歌があるじゃないですか。これが三十一音の短歌のもっとも古いもので
す。
    やくもたつ 出雲八重垣
       つまごみに 八重垣つくる その八重垣を

 クシナダヒメの両親の名の表記ですが、「手名椎」「足名椎」となっていま
す。どんな意味かというと、手で撫でさすり、足で撫でさすりして娘をいつく
しみ愛する神というほどの意味でしょうか。ちょっと、足で撫でるって、どう
するの? ツチ(椎)はほめことばで、尊称のひとつ。土地神とのことです
が、ここは原文は「僕(あ)は国神(くにつかみ)にて大山津見の神の子な
り」と手名椎が名乗っています。高天原の神のことは「天つ神」というじゃな
いですか。それに対して国土のそれぞれの地に先住する民族のボス、それを国
つ神といっていました。つまり地方の首領のことですね。なお、クシナダヒメ
は日本書紀のほうでは「奇稲田媛」となっています。「奇」は美称で、そこら
にめったにいないほど美しい、というほどの意味。だからね、ちこちゃん、こ
の際、名前変えたらどうですか、「チクランタン」とか「チキランタン」と
か。
 もうひとつここで注目すべきは、大蛇退治により神器のひとつの神剣、草薙
の剣が出てきたこと。青銅器、鉄器の使用の歴史と、肥の河が血で赤く染まっ
たことは、この河が砂鉄を産するところだったこと。そのほかこの日本神話に
ついてはとてもここでは書ききれませんので、まずはこのへんで。いまの取組
みが実り多い研修になることを期待しています。
Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
Samiさん (2004年11月02日 08時56分)

はじめまして。今研修で「わだつみのいろこのみや」をやっているの
で、参考になりました。バックグラウンドを知れば知るほど、面白くな
りますね。ライブラリーは音楽のすばらしさもあって、聞いていて
心地よくなります。
重要な情報がいっぱいで、
パーティで今度とりくむとき、このページをとっておきたいですね。
ありがとうございました。
また遊びにきま~す。
Re:Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞い⇒「スサノオ」《1》
ちこらんたんさん (2004年11月02日 16時10分)

がのさん

たくさんたくさん答えていただき、ありがとうございます。
「チクランタン」にするかどうかは別にして、
とってもためになりました。

>あの、ですね、ないしょですが、わたしは申し訳ないことに、ラボの
テキストのほとんどをすでに処分してしまっていて、ラボの物語に沿っ
て語ることはできないんです。おぼろな記憶しかないことをご承知おき
くださいね。

ないしょって、こんな公の場で・・・。
処分って、ど、どうして~??
でも、ちっともおぼろげな記憶でないとこがすごいです、がのさん。

>そうでしたね、この年、日本列島は災害でズタズタ。台風、それもい
ずれも大型の台風が上陸すること10回、浅間山は噴火するし、そしてこ
のたびは新潟・中越地方の大震災。これはどうも尋常ではありません
ね。ある見えない力がはたらき、あらん限りの悪意をこめて怒っている
かのよう。だれに対する怒りか。…ちこちゃん、身に覚えはありません
か、潔白ですか。

身に覚え?・・・ええーっ!私のなんて、小さな罪だと思うんだけ
ど・・。
がのさんこそ、身に覚えないですか?

スサノオからのくだりは、私の日記にそっくりいただいてっていいでし
ょうか?

チキチキバンバン・・・じゃなかった、チキランタンより
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり《A》
がのさん (2004年11月02日 20時47分)

Samiさん
>今研修で「わだつみのいろこのみや」をやっているので、参考になりまし
た。バックグラウンドを知れば知るほど、面白くなりますね。
----------------------------
年をとったから、というだけでなく、人にはある時期、自分の立っているとこ
ろがどんなところか、遠いわたしたちの祖先はどんなことを考えて生きていた
のか、知りたくなるのが自然のようですね。ふだんは西のほうばかり向くこと
の多い皆さんが、ときには、英語・英会話習得の効率主義にとらわれず、ある
いは子どもの教育の良し悪しと効率にとらわれず、ひととき子育ても忘れて、
ご自身の足元をじっくり見つめることに意識を向けてみる活動を、歓迎いたし
ます。かっこいいテーマ活動を生むために、ことばのよく出る発表に、という
研修には、あまり興味はないのですが。
神話というのは、わたしたちの存在の原郷といいながら、わかろうとしてもわ
からないことがたくさんありますね。そこは想像力をはたらかすしかないとこ
ろで、わたしなどは、そこはひょっとすると、もっとも高度なファンタジーの
世界なのかな、と思うことさえあります。
Samiさんたちも、目下『わだつみのいろこのみや』のお話とぶつかりあって
おいでとか。この神話をめぐるいくつかのわたしの断想は「物語寸景(3)」
で並べておきましたが、あらためてこの神話を思うとき、どうしてなのか、こ
れ、なかなかいいんですね。ご承知のとおり、これは古史神話の最後をかざる
ものです。わが国の古代人の生活と考え方をしのぶ最後のところで、隼人が狂
ったように踊るわけですよね。日本書紀のほうですと、この狂い踊りはもっと
もっと強調されていたと思います。本来なら口承されていくべき神話を、ここ
ではことばを超えて身体をもって伝えようとしていますよね(そこまで意識し
ていたかどうかは、本当のところ、よくわかりませんが)。ね、思いあたりま
せんか。これ、ラボの言語習得のスタイルとよく似ているじゃないですか。こ
んなところでもふるさとに出会うなんて、おっどろきぃ…。《つづく》
Re:Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり《B》
がのさん (2004年11月02日 20時49分)

Samiさん《承前》

『わだつみ…』をめぐって、ひとつ思い出したことがあり、追加いたします。
盬椎神(シオツチ)のことですが、これは「盬筒」のことだ、という説があり
ます。わたしもそう思うのですが、つまり、潮路をよく知る存在といった意味
で、航海の神さま、水先案内の神というわけですね。それに、『スサノオ』に
出てくる手名椎・足名椎にふれて、「ツチ」は敬称であり尊称であると書きま
した。みなさんは古事記の神話をいろいろ読むうち、いかがですか、「チ」と
いう音、「チ」と呼ばれる存在が意外に多いことにお気づきになりませんか。
シオツチのほか、イカヅチ、ノツチ、カグツチ、タケミカヅチ…、などなど。
「チ」は霊のことであって、どうやら神と呼ばれる存在ではなく、三千世界に
わたる霊のこととして区別されているようですね。
Re:★「わだつみ…」と隼人舞いをめぐり(10月23日)
スミティさん (2004年11月10日 22時47分)

若いころは菊を見てもそんなにいいと思わなかったのですが、最近、聞
くもいいなあと思います。
小学校のとき、学校を挙げて菊を仕立てていました。わき芽を摘んで、
手をしっかりかけて育てる菊。
華やかなのに品がある。
うーん、やっぱり年をとったのかしら・・・
<< 前の日記 | 次の日記 >>
Copyright(C)2002 Labo Teaching Information Center.All rights reserved.