★賢治の風光――幸せの文様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」 |
05月27日 (金) |
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がの/ヤマボウシの並木はここで終わりです。よく歩きましたね、疲れませんでしたか。5月の光線は強いし、お帽子をもってきてよかったね。その道を越えると、むこうは鶴見川ですよ。
小夜/気持ちのいい風がきます。水のある風景はこころがなごみます。
がの/あらぁ、きょうは水がにごっていて、川の底までは見えませんよ。ゆうべ、はげしい雷雨がありましたからね。
小夜/賢治さんの「やまなし」で、小夜にとっていちばん印象に深いのは、水の底で光のアミがゆれるシーンです。おかあさんに読んでいただいたあと、いまもそのイメージが頭のなかいっぱいに広がっています。

ヤマナシです。ようやく図鑑で見つけました。
がの/「波から来る光の網が、底の白い磐(いわ)のうえで美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました」……水がレンズのようになって水の表面にできたヒダを川の底に映しているんですね。
小夜/おとうさん、小夜はそれを見たことがあります。去年の夏の終わりでした。
がの/家族みんなで山の奥の温泉へ行きましたね。お散歩で旅館の近くの渓谷に出、下まで降りたところに湧き水がありました。透き通った水がキラキラ輝いていました。
小夜/そこで光の踊り子が楽しそうに踊っていましたね。お魚も見えました。
がの/小夜ちゃんはそこに坐り込んでしまい、いつまでも動こうとしませんでした。
小夜/もっと見ていたかったのに、おかあさんに叱られてしまいました。「置いていくわよ、クマさんが来ても知りませんよ」と。そんなにいわないでもいいのに。
がの/ずいぶん長く待たされていたからね。
小夜/そよとすずしい風がきて、水のうえに小さなヒダができます。そのヒダが糸のような線をつくって砂のうえに影を落とすのですね。その線が伸びたり縮んだり、一瞬ごとにちがう形をつくって水底に映っていました。きれいでした。小夜は、もう、夢中でした。ですから、おはなしのカニさん兄弟はいいなあ、いつもあの光のダンスを楽しめるから、幸せだろうな、と。
がの/さて、幸せでしょうか。カニもお魚も、いつもいのちの危険にさらされながら生きているすがたが、おはなしの前半で書かれていたじゃないですか。
小夜/そうそう。恐かったですねぇ。カニさんのすぐ目の前で、それまでゆうゆうと泳いでいたお魚が、アッという間に青い光のなか、消えてしまうのですから。
がの/カワセミでしたね。渓流の宝石と呼ばれる美しい鳥ですけれど、そんなこわい性質もあるんですね。それに、消えたあの黒いお魚は、小さいカニさん兄弟を食べてやろうとねらっていたのかも知れませんよ。そうだとすると、カニさんはカワセミに助けてもらったことになる。
小夜/それに、よくわからないのは、クラムボン。なんでしょうか、クラムボン、て。
がの/笑ったり、跳ねたり、また、死んだり、殺されたり…。さあ、小夜ちゃんはなんだと思いますか、クラムボン、て。
小夜/ずうーっと考えても、それがわかりません。おかあさんはアメンボのことかしら、とおっしゃいました。そういえば、ひょっとして、ミズスマシのことかな、と小夜は思ったのですけれど。
がの/わかりませんねぇ。カニのことを英語でクラブCrab というのね。ですから、もしかするとカニの赤ちゃんのようなものかな、とも思ったのですけれど。
小夜/「クラムボン」の「ボン」は、小さい子を呼ぶときの、○○坊、○○ちゃん、○○くんに相当する接尾語かも知れません。
がの/ところがね、研究者のなかには、クラムボンは賢治の妹のトシさんのことだと解釈するひともいます。
小夜/フーン、妹の死の悲しみを形にしたものですか。「クラムボンは死んだよ」「クラムボンは死んでしまったよ」という、歌みたいな、おまじないみたいな文章が見られます。
がの/悲しみの青い水の底にすんでいるカニ。青は悲しみの色で、これが愛する妹を喪った賢治の悲しみをあわわす、と。
小夜/あらら。そうしますと、おはなしの後半に出てくる“やまなし”って、なんでしょうか。
がの/悲嘆と絶望の底にいる賢治に投げ与えられた“希望”だといいます。
小夜/よく熟したやまなしが天井からトボンと落ちてきて、月あかりの水のなかには、いい匂いがいっぱいに広がった、とありました。
がの/2日ほど待てば、おいしいお酒になるんですって。
小夜/あっ、やはり“希望”のおとずれですよ。おはなしの前のほう、「五月」のときは、いきもの同士がとったりとられたり、食べたり食べられたりの、こわい生存競争の世界を書いていて救いがなく、あとのほう、「十一月」のときは、さあ、つぎの第一歩を踏みだそうという、明るい希望を書いているのでしょうか。
がの/そうかな。そうかも知れないね。「五月」の水のなかの様子は、小夜ちゃんのいう生存競争、弱肉強食の食物連鎖をするどくえがいています。賢治は、自分だけの幸せはほんとうの幸せではない、みんながいっしょに幸せでなければ自分の幸せはないし、永遠の幸せではない、と考える人でした。ほら、「銀河鉄道の夜」のジョバンニに、そう語らせていたじゃないですか。ですから、自分と同じように生きている動物たちも幸せでなければならない、同じ仲間同士で食べたり食べられたりするなんて、それはいけないことだと考えていました。「よだかの星」でも、そのことが書かれていましたね。
小夜/「よだかの星」ですか。とっても悲しいおはなしでした。どう生きればいいのか、賢治さんの苦しい迷いの見られたおはなし。
がの/賢治が菜食主義者だったことは知っていましたか。肉もお魚も食べないんですよ。「貝の火」では、キツネのホモイが自分のみにくい欲望に気づくことが書かれています。食べたいから食べる、本能のままに食べる、それでいいのだろうか、とみんなに問いかけていますよ。
小夜/あら~、小夜はお肉もお魚も大好きですよ。いけないことでしょうか。
がの/生きものを殺しながら自分を生かしていることを、悲しみとし、みにくい欲望と考える賢治のような人もいます。賢治の場合、そういう無理をするからいつも病気がちだったといわれることがあります。わが家は、おかあさんもおとうさんも、そんなふうには考えません。もともと貧乏ですから、そんなにおいしいものは食べられませんが、でも、つつましいながら、おいしいものをありがたくいただいています。おかげで家族みんなが健康です。小さな幸せと云えませんか。
小夜/生きているものをひとの手で殺して、それを食べている…。小夜はなんだかこわくなってきました。いけないことをしているような…。
がの/でもね、こうも考えられませんか。たとえば世界じゅうの人がお魚を獲ることをいっぺんにやめてしまう。そうしたら、海も川もお魚でいっぱいになってしまいます。それに、お魚を獲ることでおかねを得て生活している人が世界には何億といます。木だってそうですよ。木を伐ることをやめてしまう。そうしたら地球がぜんぶ木に占領されてしまう。いいことか、それとも悪いことなのか、それは別として、獲ったり獲られたりしながら、この地球のうえでバランスよくみんなが生きているんじゃないでしょうか。適当にね。小夜ちゃんの大好きなご本。これをつくる人がいて、どんなに一所懸命いいご本をつくっても、それを読んでくれる人がいなかったら、それはただの地球の資源のむだづかいでしかないでしょう。たくさんの木を伐って、それを紙にし、本にするのですから。木を伐りすぎることがいま問題になっていますけれどね。
小夜/どう考えればいいのか、むずかしいわ。賢治さんはそういうむずかしいことをずうーっと考えていたんですね。
がの/でもね、悲嘆の闇があって、また救いと希望の光がある。賢治はそのこともしっかり書いてくれました。
小夜/やまなし、ですね。カニの兄弟がアブクを吐いて、その大きさを競って遊んでいるとき、トブンとやまなしが落ちてきました。あのこわいカワセミかと思ってカニたちはドキッとします。“やまなし”って、どんな梨ですか。
がの/梨といえば、横浜のハマナシ、秋ごとにくださる方がいて、よく食べますね。わが家の秋のたのしみです。二十世紀、長十郎、菊水といったおいしい梨がありますけれど、ヤマナシについては、知りませんね。おうちに帰ったら調べてみましょうね。いつも目にする梨のようではなく、もっと小さい、ズミの実のようなもののように思いますが。

(成美堂出版「日本の樹木」)山地に生え、高さ15メートルほどの落葉樹
花は白色で2.5~3センチ。果実は直径3~4センチ、黄色または淡褐色の球形
(バラ科の落葉大高木。山地に自生。枝は黒紫色。葉は互生し、長楕円形。
五月、径2センチの白色五弁花を散形につける。果実はナシに似るが、小形で、
茶色または紅色に熟す。オオズミ、山林檎――「大辞林」による)
小夜/山梨県はブドウやモモの産地として有名ですけれど、ヤマナシもたくさんとれるのでしょうか。
がの/そういえば、山梨でヤマナシのことを聞きませんねぇ。そんなうわさはナシです。
小夜/おはナシにも聞きません。それなのにどうして山梨県というのかしら。山梨にお住まいの方で、もしそのことをご存知でしたら、お教えくださいませんか。
がの/クラムボンもヤマナシも、ほんとうのところはよくわかりません。これも賢治のイーハトヴの世界だけに見られる固有なものなのかも知れませんよ。
小夜/天井の波はダイヤモンドの粉のようにゆらゆらと燃え、川底では光の網が、カニたちのまわりで、伸びたり縮んだり、楽しそうに踊っています。最後はとってもきれいな印象ですね。でも、おかあさんは、このおはなしにおかあさんガニが出てこないのが不満なんですって! いカニもおかあさんらしいわ、笑ってしまいますね。


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Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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Play with meさん (2005年05月27日 23時35分)
小夜ちゃんが記憶に残った「水の底の網目」のお話を読んで、ハッと思
い出しました。明るい日差しの中の遠浅の海辺(高砂の浜がきれいだっ
たころ)ゆらゆらとした明るい網目の中を小さいお魚が泳いだり、小さ
いカニが歩いているのを昨日のように見えたんです。(PWMがまだ小
夜ちゃんくらいのときかな~~)
ちょうど「クラムボンはわらったよ」「クランボンはぷかぷかわらった
よ」・・・・といっているような小さな小さなカニさんでした。
クランボンはお母さんや小夜ちゃんのように、アメンボウや、ミズスマ
シなんだ!!でもPWMもGANOお父さんがお話されているように
「クランボン」は今までカニと思っていたんです。
いろいろな意見があっていいんだ・・・と思えてきました。
流れてきたやまなしは沈むと熟しておいしくなるんだね。
2匹のカニとおとうさんカニの3匹は甘い香りいっぱいにひろがって行
くやまなしを楽しみに寝て待つんだね。
でも、お母さんカニは??
ちょっと気になったPWMでした。
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Re:Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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Play with meさん (2005年05月27日 23時42分)
Play with meさん
>つづき
PMWが小さいときは「幻灯会」が本当にあったんですよ。
「あぁ、無情」がいまだにかなし思いで残っています。
時代とともに、映画~テレビ~DVD~~~と変化していきますね。
小夜ちゃんが大きくなったら、どんなになっているのでしょうね??
いっしょに見てみたいです。むりかな???
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Re:Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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がのさん (2005年05月28日 00時30分)
Play with meさん
>明るい日差しの中の遠浅の海辺、ゆらゆらとした明るい網目の中を小
さいお魚が泳いだり、小さいカニが歩いているのを昨日のように見えた
んです。ちょうど「クラムボンはわらったよ」「クランボンはぷかぷか
わらったよ」といっているような小さな小さなカニさんでした。
流れてきたやまなしは沈むと熟しておいしくなるんだね。甘い香りいっ
ぱいにひろがって。
☆…やななしは2日もするとおいしいお酒になるそうですね。あらら、
PWM先生、やっぱりがまんができなくなったのですね、とうとうお酒を飲
みだしたりして。でも、あしたのことをお考えになって、あまり飲みす
ぎないようにしてくださいね。
ほんとうに夢を見ているようですよね、水底にうつった光の網の優雅な
踊りは。妖精だってあんなにしなやかには踊れないと思います。小夜は
逗子へ磯あそびにつれていっていただいたときも、あのきれいな光のお
ゆうぎを見ました。カニさんになっていっしょにおゆうぎができたらい
いのになあ、と思いました。先生のおうちは海辺のお近くですか。そし
たら、一日じゅうあの光のたわむれを見ていられますね。あ~、うらや
ましいです。
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Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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Play with meさん (2005年05月28日 02時40分)
ピタリ!!あたり!!!夜中にのどをうるおしながら・・・・
息子がPCの前にがんばっていたので安房ワールドの「熊の火」に浸っ
ていました。不思議な小森さんとくまの家族との愛情ある生活に引き込
まれていました。くまのタバコの持つ魔力は・・・そして、それが消え
るとき・・・・どちらの生活が小森さんにとって幸せだったんでしょう
か??お花を飾ったくまの奥さんの寂しさはいかばかりでしょうね~~
~。小熊たちはお父さん熊をおぼえているでしょうか??
小森さんが人間の世界を思い出すのはのは、「ホッレおばさん」のマル
ガレーテの気持ちに似ていると思いました。
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Re:Re:Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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がのさん (2005年05月28日 22時33分)
Play with meさん
PMWが小さいときは「幻灯会」が本当にあったんですよ。
「あぁ、無情」がいまだにかなしい思いで残っています。
小夜ちゃんが大きくなったら、いっしょに見てみたいです。
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「やまなし」というおはなしは、谷川をうつした幻燈の二枚の写真から
発想されたものでしたね。
これとは別に、「雪渡り」のおはなしで、四郎ちゃんとかん子ちゃんが
白いキツネさんにご招待されて行くところは、キツネ小学校の幻燈会。
小夜は、あのおはなしで幻燈のことを知りました。11歳までの人なら入
場できるというのですから、小夜もおよばれしたかったです。白い布の
幕を木と木のあいだにわたして張り、そこに写真を大きくして写すので
したね。PWM先生も、森の奥の木立ちに囲まれたところで「ジャンバルジ
ャン」のおはなしを幻燈でご覧になったのでしょうか。雰囲気、ありま
すねぇ。やはり、11歳になる前でしたか。
それにしても、幻燈。マボロシのアカリ。だれがこの名前をつけたので
しょうか。なんだかこわいようで、ドキドキ、ワクワクします。ふしぎ
なこと、ふだん見られない、禁じられている秘密のことがそこからはじ
まるようで。見てはいけないようで、見たいような、見たくないよう
な…。PWM先生、いっしょに行ってくださいますか。でも、お酒の好きな
おとなはおことわり、なんていじわるをいわれないかしら。
それに、たいへん、たいへん。小夜はまだ安房直子さんの「熊の火」は
読んでおりません。安房さんの「はるかぜのたいこ」という絵本を読ん
だばかりです。クマさんの楽器屋さんに寒がりのウサギさんがたずねて
いくおはなし。マスクをしてマフラーをして、とっても寒がりのウサギ
さん。花粉症のGanoおとうさんにそっくりなんですよ。でも、ふしぎな
たいこをたたくたび、冬の野原はぽかぽかに…。とっても、とってもす
てきなおはなしでした。こんどいつおとうさんは図書館へ行くのか、よ
くわかりませんが、あったら借りてきていただきます。
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Re:Re:Re:Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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Play with meさん (2005年05月29日 14時08分)
がのさん
PWM先生、いっしょに行ってくださいますか。でも、お酒の好きな
おとなはおことわり、なんていじわるをいわれないかしら。
★ 可愛い小夜ちゃんのお誘いは飛んでいきますよ。
そんなときは禁酒!! 大人でも入れるようにお願いしてね。
おもいだしたんだけど、pwmの小夜ちゃんくらいの時の幻灯会は
小学校の校庭。しかも夏休み。柳がふらふらしていて、すこ~し、
肝試し的だったよ。
また、村の通りで「カチ」「カチ」「カチ」とお相撲さんの拍子木
のような音が聞こえてくると、「おかあちゃん、10円」と手を出し
て、走っていった紙芝居やさんを思い出しました。
割り箸につけた水あめをこねて、真っ白にしながらおじさんの名調
子を聞いたものです。
小夜ちゃんのおかげで自然に遠いかなたのことが色濃く思い出せます。
ありがとう!!
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Re:Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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がのさん (2005年06月03日 21時35分)
Play with meさん
>安房(直子)ワールドの「熊の火」に浸っていました。不思議な小森さ
んとくまの家族との愛情ある生活に引き込まれていました。くまのタバ
コの持つ魔力…そして、それが消えるとき…どちらの生活が小森さんに
とって幸せだったんでしょうか? お花を飾ったくまの奥さんの寂しさ
はいかばかりでしょうね~。
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小夜です。おそくなってごめんなさい。きょう、おとうさんが図書館か
らご本を借りてきて、「熊の火」を読んでくださいました。クマさんが
立って歩き小森さんに近づいてきますねぇ。レッサーパンダの風太くん
みたいじゃないですか、じょうずに二本足で立って歩くなんて。風太く
んのいる動物園とはそんなに遠くないから、こんど連れていってあげる
と、おとうさんがお約束してくださいました。
小森さんは山で足をくじいてほかのみんなにおいてきぼりをくって、山
のなかを何日もさまよっていました。みんな、ひとをいたわることを忘
れ、自分のことしか考えない人間の世界。クマの世界も弱肉強食と競争
の世界で、食べるものを得るにも冬ごもりの穴を掘るのも、われ勝ち。
同じ不平をもつひととクマが出会い、クマのタバコを小森さんがもらっ
てのんで、たちまちクマのすがたに変わりますね。火口のけむりのなか
はいつも春のようにぽかぽか。小森さんはそこでかわいいクマのおよめ
さんといっしょにくらし、3びきの子ぐまも生まれます。家族でなかよ
く暮らしますが、ある日どうしても外へ出たくなり、またクマのタバコ
をもらって吸い、人間にもどります。ずうーっと長いことクマの生活を
していたと思っていましたが、じつは1週間だけだったとわかります。
どこか浦島太郎やリップ・ヴァン・ウィンクルのおはなしに似ていませ
んか。でも、小夜はクマのおよめさんがかわいそうで、泣きそうになり
ました。ひと目だけ小森さんに会いたいと、山を焼いてその煙でやって
くるんですね。山頂から小森さんの家の庭先まで、火の川ができ、まる
でそれは赤いたいまつの行列みたいだったといいます。わ~、きれいで
すねぇ。おとうさんのいない赤ちゃんグマはどうなるのでしょうか。
ついでですが、小夜のおとうさんはね、100本以上タバコをすっていた時
期がありましたが、20年前にすっぱりやめたのだそうですよ。
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Re:Re:Re:★賢治の風光――幸せの模様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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Play with meさん (2005年06月04日 01時53分)
がのさん
ずうーっと長いことクマの生活を
していたと思っていましたが、じつは1週間だけだったとわかります。
どこか浦島太郎やリップ・ヴァン・ウィンクルのおはなしに似ていませ
んか。でも、小夜はクマのおよめさんがかわいそうで、泣きそうになり
ました。ひと目だけ小森さんに会いたいと、山を焼いてその煙でやって
くるんですね。山頂から小森さんの家の庭先まで、火の川ができ、まる
でそれは赤いたいまつの行列みたいだったといいます。わ~、きれいで
すねぇ。おとうさんのいない赤ちゃんグマはどうなるのでしょうか。
ついでですが、小夜のおとうさんはね、100本以上タバコをすっていた時
期がありましたが、20年前にすっぱりやめたのだそうですよ。
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PWMも挿絵のくまのお嫁さんのさびしげな様子を何度も何度も眺めま
した。「二度ときませんでした。」もいっそうかわいそうな気持ちが深
まりますね。
赤い火が今でも彼岸花になって、小森さんの家から山の頂上まで咲いて
いる様子が浮かびます。
それはそうと、さよちゃんのお父さんはそんなにヘビースモーカーだっ
たんですね。
くまのお婿さんに選ばれなくてよかったね。
今はクリーンなご家族ですものね。
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Re:★賢治の風光――幸せの文様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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Play with meさん (2005年06月20日 21時47分)
やまなしの花
さわやかで穢れがない素敵なお花ですね~~~。
今頃の季節に咲くのでしょうか?
梨のお花と同じように咲くのかしら。
心が洗われました。
ありがとうございます。
またひとつ豊かになった気分です。
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Re:★賢治の風光――幸せの文様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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スミティさん (2005年06月22日 21時52分)
やまなしの花、これですね!!私の実家の裏山にあった。毎年春、白い
花をふぁあーーーと咲いて大好きだった。賢治の「やまなし」は知って
いたけど、この花と結びつかなかった。水の中の光のイメージが強くっ
て。川の中にもぐって夏の光が水の中に差し込むあの美しさ。なにせ、
あゆを追いかけていたもので。
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Re:Re:★賢治の風光――幸せの文様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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がのさん (2005年06月23日 10時19分)
スミティさん
>やまなしの花、これですね!!私の実家の裏山にあった。白い花、大
好きだった。賢治の「やまなし」は水の中の光のイメージが強くって。
川の中にもぐって夏の光が水の中に差し込むあの美しさ。なにせ、あゆ
を追いかけていたもので。
----------------------------
こんにちは、スミティ先生。小夜です。腰の痛みはその後いかがです
か。な、な、なんですって、ご実家の裏山にヤマナシの木があった、で
すって!? すごい、すごい。ずうーっと気にしていて、いろいろな図鑑
を見ていたのですよ。ほとんどあきらめていました。山梨でなく山口で
ヤマナシ。それもうらヤマしい自然に恵まれた裏ヤマで。もう、小夜は
うれしくって! 心にひっかかっていたものがポロリととれて、スッキ
リです。でも、お花はわかりましたけれど、肝心の実がどんなものかは
依然としてわかりません。解説でだいたいはイメージできますが。スミ
ティ先生、お願い、秋にご実家においでになることがありましたら、お
写真をパチリ、お忘れなく、ね。ぜったい、ね。
それに、川床に映る光の網のおどり、先生の思い出にも印象あざやかな
のですね。あの光のゆらめきを見ていたら、すべての問題が解けたよう
な、さわやかな、幸せな気分になりますものね。おまけに、先生、カニ
さんではなくてアユですって!? いよいよすてきです。先生、もうひと
つの童話ができそうじゃないですか。お書きになったら、小夜にもぜひ
読ませてくださいね。お願いばかりですが。
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Re:Re:Re:★賢治の風光――幸せの文様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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スミティさん (2005年06月24日 01時01分)
さよちゃんへ
かにもどじょうもいましたよ。おたまじゃくしはもちろん。あゆは群れ
なして。夏休みは毎日3時間以上川の中で遊んでました。水の中からす
かしてみる陽の光、どんな宝石よりも魅力的。海には潜ったことないけ
ど、海の中もきれいなんでしょうね。小夜ちゃんはもぐったことありま
すか?
やまなしの件、まだその木があるかどうか今度確かめておきますね。私
も花は気づいていたし、なしの木だとは聞いていたけど、実はやってこ
ないなあと思っていました。どんなのでしょうね?
「やまなしもぎ」の梨の木、これなんでしょうね。確かに大きくしっか
りした、登ってみたくなる木でした。やまなしやヤマモモ、昔話ではき
っと意味があるんでしょうね。
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Re:Re:Re:Re:★賢治の風光――幸せの文様は光の網のゆらめきに似て…「やまなし」(05月27日)
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がのさん (2005年06月24日 21時37分)
スミティさん
水の中からすかしてみる陽の光、どんな宝石よりも魅力的。やまなしの
件、まだその木があるかどうか今度確かめておきますね。「やまなしも
ぎ」の梨の木、大きくしっかりした、登ってみたくなる木でした。やま
なしやヤマモモ、昔話ではきっと意味があるんでしょうね。
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透き通ったきれいな水のなか、アユの群れといっしょに泳ぐ気持ちっ
て、どんなでしょう。水の妖精になったような気分でしたか。うらやま
しいです。賢治さんのいう“クラムボン”の正体も、水と一体になって
いたら見えてきそうじゃないですか。
幼稚園のおともだちの、あかねちゃん、しおりちゃん、ゆうかちゃん、
…たくさんのおともだちが水泳教室にかよっているので、小夜も行きた
いな、と思うのですが、ほんとうのところは、ちょっと怖い気持ちもあ
ります。近くにはたくさんのスポーツクラブがあるんです。おかあさん
は、S駅そばの、テレビのタレントさんたちがよく来ているというスポー
ツジムがいい、といいますし、おとうさんは、劇団四季のきれいなおね
えさんたちがいつも出入りしているA駅そばのスポーツクラブがいいので
はないかというのです。何を考えているのでしょうね、おとうさんもお
かあさんも。小夜はね、そのどちらでもない水泳教室がいいと思ってい
ます。オリンピックの金メダルをいっぱい、いっぱいもっていらっしゃ
る成田真由美さんがいつも練習にきているプール。ここからいちばん近
いですし。
じょうずに泳げるようになったら、スミティ先生のおうちの川で泳ぎた
いです。いっしょに行ってくださいますか。水のなかから見る空の光、
どんなでしょうか。そしたら、ヤマナシも見られますね。
ヤマナシ。「山梨県」の名前の由来ですけれど、ひとつには、昔そこで
ヤマナシがよく採れたからではないか、という説と、山をならす、山を
平らにして耕地にしたところという意味もある、と教えてくださった方
がいらっしゃいます。でも、なんだかまだスッキリしません。スミティ
先生はヤマナシの木によじのぼって遊んでいらっしゃったのですか。あ
ら、おテンバさんだったのですか。
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