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続・動物のお母さんのはなし 05月22日 (木)
亀井一成さんのお話の続きです。
初めてご覧になる方は5月16日の日記からお読みください。

愛情と厳しさと

動物の世界の子育ては、かわいがりながらも厳しいしつけがあることが
よくわかります。母親の胸にばかりしがみついていた子ザルが、
次第に片手、片足を離してそっと辺りに手を出し始め、何でも触りはじめたとき、
母親はダメなときにはギューっと伸ばした子どもの手を引き寄せ、
なんだか叱っています。そして、少し自由に動きはじめると、俄然、
親がしつけをはじめていきます。その群れの中のルールというものを
教えていくわけで、誰が教えるかというと常に母親が教えています。
群れから離れようとすると「行くなー」とつかんで、それでも振り切ろうとしたら
ガッと噛み付くのです。子どもはギャーと泣いています。
群れから離れることがとても危険だということを教えているのです。

その後、母親もギャーと泣き声をあげながら親子二人で抱き合って
泣いている姿をよく見かけます。
強く叱っても、わかってくれた子どもには、せいいっぱい抱きしめて
親子の愛情を示しているのです。だから、叱られていない子どもは
お母さんにあまりすがりつかない、そんな事実が見られます。
もうひとつ大事なことは我慢させることです。
エサは先に手にした子ザルに権利があるわけで、
絶対横取りするということはさせません。
泣きながらでも我慢させるという姿をよく見ます。
我慢できる子どもは、群れの中でお互いに守りあう子に育っています。
そういう親に噛み付かれ、厳しくしつけられた子どもは、
理由のない弱いものいじめはしないという事実があります。
厳しいルールのしつけの中でこそ、やさしい個体が生まれるということを
つくづく感じます。

飼育をしていると、食事の仕方が変わることは
何かを予知しているように感じます。
冬の寒波が近づく前になってくると、ぜいたくな食べ方から
中身も皮もきれいに食べてしまうようになります。
オリの中にいても、気象の変化、自然現象にものすごく対応しています。
いつも食事を与えた後、1時間ぐらいたってからそーっと見に行きます。
食事の残し方、寝床の変化、そういうものを僕は「彼らの言葉」として
とらえていました。

このような世話の仕方は、人間の場合も同じではないでしょうか。
母親が子どもの出て行った後の部屋をそっと覗いては、
子どもの具合を見てあげること。
つまり飼育係の心も、母親の心も同じじゃないでしょうか。
わが子のため、健やかであるようにとそっと祈る。
そのような育てるという心が。

(最終回は「動物園では長生き」をご紹介します。) 
 
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