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今月のマザーグースMother Goose of the Month

2025年10月の紹介

I love sixpence, jolly little sixpence

I love sixpence, jolly little sixpence,
I love sixpence better than my life;
I spent a penny of it, I lent a penny of it,
And I took fourpence home to my wife.

Oh, my little fourpence, jolly little fourpence,
I love fourpence better than my life;
I spent a penny of it, I lent a penny of it,
And I took twopence home to my wife.

Oh, my little twopence, jolly little twopence,
I love twopence better than my life;
I spent a penny of it, I lent a penny of it,
And I took nothing home to my wife.

Oh, my little nothing, jolly little nothing,
What will nothing buy for my wife?
I have nothing, I spend nothing,
I love nothing better than my wife.
ぼくの6ペンス ごうせいじゃないか
いのちよりだいじな6ペンス
1ペンスつかって 1ペンスかして
4ペンスもってかみさんのもとへかえった

ああ4ペンス ごうせいじゃないか
いのちよりだいじな4ペンス
1ペンスつかって 1ペンスかして
2ペンスもってかみさんのもとへかえった

ああ2ペンス ごうせいじゃないか
いのちよりだいじな2ペンス
1ペンスつかって 1ペンスかして
無一文でかみさんのもとへかえった

ああ無一文 ごうせいじゃないか
無一文でなにかってかえろう?
無一文なら 無一物
かみさんがいる ごうせいじゃないか

今回ご紹介するのは、「I love sixpence, jolly little sixpence」という歌です。
「6ペンス」とは、かつてイギリスで使われていた硬貨で、日常で使う小銭でした。
「6ペンス」が出てくるマザーグースはほかにもあり、有名なのが「Sing a song of sixpence」(2021年9月に紹介)。
当時、6ペンス硬貨が40枚で1ポンドという価値でした。現在は100ペンスで1ポンド、大体1ポンド当たり200円くらいです(2025年10月現在)。

歌は「いのちよりだいじな6ペンス」という、ちょっと大げさにも聞こえるフレーズから始まります。
6ペンスのうち、1ペンスはつかって(spent)、1ペンスはかして(lent)、残りの4ペンスをかみさんにもちかえる――。
そんなふうに少しずつお金が減っていく様子を歌いながら、くり返しのリズムでどんどん進んでいきます。

そして残ったお金が2ペンスになっても同じように歌い、最後はとうとう「無一文」になります。
普通なら寂しい終わりになりそうですが、この歌は違います。

お金がなくなったときに歌われるのは “I love nothing better than my wife”。
今回の日本語訳では「かみさんがいる ごうせいじゃないか」となっていますが、直訳すると「かみさんほど愛するものはない」という意味です。
冒頭では「いのちよりだいじな6ペンス」とまで歌っていたのに、最後は「やっぱりかみさんこそ一番」。そんな愛情あふれるオチだからこそ、この歌は200年以上も歌い継がれてきたのでしょう。
ちなみに「かみさんの元に帰る」ことから、アメリカの軍隊でもよく歌われていたようです。

この歌のもう一つの魅力は、意味だけでなく音の響き=韻(いん)です。
韻とは、言葉の終わりの音をそろえてリズムを生み出すこと。
たとえば life(いのち)と wife(かみさん)、spent(つかって)と lent(かして)といった組み合わせがそれにあたります。
響きのくり返しによって、歌はより心に残りやすくなります。

ぜひお子さんと一緒に声に出して、韻の心地よさを感じながら楽しんでみてください。

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。

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