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今月のマザーグースMother Goose of the Month

2021年1月の紹介

Three blind mice

Three blind mice, see how they run!
They all ran after farmer's wife,
Who cut off their tails with a carving knife,
Did you ever see such a thing in your life,
   As three blind mice?

目のない子ねずみ3匹はしるのはやい
おひゃくしょうのおかみさんおいまわし
肉きりほうちょうでしっぽちょんぎられた
前代未聞じゃないか?
   3匹の子ねずみのはなし

 マザーグースには,なんとネズミの登場が多いことでしょう! 出没すると厄介者のネズミですが、このようにマザーグースに登場するネズミには愛着を感じます。輪唱で歌うことができ、17世紀初頭から歌われてきたそうです。最初の人(グループ)が”Three blind mice♪”と歌ったら、次の人(グループ)が”Three blind mice♪”と歌い始めます。だれかが間違えるまで歌い続けるというゲームも楽しいでしょう。

 このwifeにはモデルがあって、女王メアリーⅠ世(在位1553-1558)であると言われています。Bloody Maryと呼ばれるメアリー女王は、プロテスタントを迫害しましたが、3匹のネズミとは,その迫害をうけた者たちではないかといわれています。

 イギリスの推理作家,アガサ・クリスティはマザーグースを題材にミステリー小説をいくつか書いていますが,1947年に小説『Three Blind Mice(邦題:三匹の盲目のねずみ)』を執筆しました。そしてこれを原作とした舞台『The Mousetrap』は,1952年から長年にわたってロンドンで上演されています。

Illustration by Beatrix Potter

マザーグースとは,英語圏の子どもたちの間で古くから伝承されてきたわらべうたのことです。イギリスではナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)と呼ばれています。親から子どもへ,子どもからお友だちへ,また子どもからその子どもへと,時代や伝える人によって少しずつ変化しながら,うたいつがれてきた「古くて新しいうた」です。マザーグースは,うただけでなく早口ことば,なぞなぞ,昔ながらのイギリスの風俗・習慣を伝えるもの,人を皮肉ったもの,ナンセンスなど様ざまな種類があります。どれも韻をふんだり,くり返したりと英語の「音」や「リズム」が心地よく,思わず口にだして唱えたくなるものばかりです。

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