2026年2月の紹介
Princess Radiance of the Lithe Bamboo
なよたけのかぐやひめ

2026年2月の紹介
Princess Radiance of the Lithe Bamboo
なよたけのかぐやひめ
もう、むかしの話だが・・・・・・。
Now this is a story of long ago.
竹取のおきなと呼ばれて,竹を育て,竹を取り,竹でものを作って暮らす人が,いた。
There was a man called the Old Bamboo Cutter who grew bamboo and cut it down to make the things he sold for a living.
さぬきの,みやつこ。そんな名もあったというが,
He was also called the Miyatsuko of Sanuki,
竹取のおきなで,とおっていた。
but most people knew him as the Old Bamboo Cutter.
おきなは,こどもを持たなかった。
The old man had no children.
妻のうばも,さびしかった。
His old wife missed having them, too.
ある日もおきなは竹やぶにはいって,竹の世話をしていた。
One day the old man went to his bamboo grove as usual to care for it.
翁 良い竹,育てよ。まっすぐな竹,育てよ。
Old Man "Good bamboo, do grow. Straight bamboo, do grow."
おきなには,どの竹も竹も,わが子とおなじに思われた。
The old man felt as if each and every stalk was like his own child.
ふと見ると・・・一本の,美しい竹の根かたが,ぴっかり, 光っている。
By chance he looked and saw that the base of one beautiful stalk shone brightly.
翁 なんと,ふしぎな。
Old Man "How very strange!"
竹から生まれた小さなむすめが、竹取のおきなとうばに大切に育てられ、やがて可憐で美しい姫へと成長する。
数々の求婚を退け、ついには国王である帝の求婚さえも断り、生まれ故郷である月の都へと帰っていく。それが良く知られる『竹取物語』です。
この物語は、日本に古くから伝わる貴種流離譚(高貴な身分の主人公が本来の場所を離れ、試練を克服し、成長して再び尊い存在として帰還・覚醒するような物語)のひとつです。
また一方で、世界中に見られるさまざまなプリンセスストーリーの中のひとつでもあります。
けれど、多くのプリンセスストーリーが「王子様と結ばれる」ことで幸福な結末を迎えるのに対し、かぐや姫は帝の求婚を拒み、最後は月へと帰ってしまいます。
身分の高い男性に嫁ぐことが理想とされた平安の世において、この結末はどこかふしぎな感じがします。
それでもなお、この物語が現代まで語り継がれてきたのはなぜでしょうか。
平安時代、互いに思い合い、望んで結ばれる関係は、むしろ珍しかったのかもしれません。
どれほど想っていても叶わない恋、選ばれないという切なさ。
月の都の住人としてこの世に現れたかぐや姫の存在は、富や権力の頂点に立つ帝でさえ、思いのままにはできないものがあることを静かに示しています。
その届かぬ思いこそが、人々の心に長く響き続けてきた理由なのかもしれません。
このラボ・ライブラリー中では、帝の求婚を断りながらも、やがて文を交わす仲となっていく二人の姿が描かれます。
帝が強引な求愛をやめ、心の誠の文をかぐや姫に送ると、姫も時折文を返し、お互いにほのかな愛と敬意をはぐくむようになるのです。
お金や権力を振りかざすのではなく、誠意をもった気持ちには、姫も心を寄せるようです。
そして別れの日、十五夜から月世界から天人が迎えに来ると、姫は帝に不死の薬を渡します。
なぜ、姫は不死の薬を帝に渡したのでしょう?
そして帝はその不死の薬を、富士山の上で焼いてしまいます。
富士山の名前はそこからきているということですが、どうして焼いてしまったのでしょう?
この現存する日本最古の物語には、私たちの気持ちをふるわせる、心の動きであふれています。
ぜひ、優美な音楽とともに、この「なよたけのかぐやひめ」を聴いてみてください。

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