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今月のおはなしMonthly Labo Library Story

PLAY WITH ME わたしとあそんで

2018年3月の紹介

PLAY WITH ME

わたしとあそんで

The sun was up and there was dew on the grass
あさひが のぼって,くさには つゆが ひかりました。
And I went to the meadow to play.
わたしは はらっぱへ あそびに いきました。
A grasshopper sat on the leaf of a weed.
ばったが 一ぴき,くさの はに とまって,
He was eating it up for his breakfast.
むちゅうで あさごはんを たべていました。
“Grasshopper,” I said, “will you play with me?”
「ばったさん,あそびましょ」
And I tried to catch him, but he leaped away.
わたしが つかまえようとすると,ばったは ぴょんと とんでいってしまいました。


 早朝のはらっぱにあそびにでかけた女の子は,小さな動物たちに「あそびましょ」と手を差しだすと,みんなはサッと姿を消してしまいます。次々と誘いを断られて,それでも女の子がじっと座っていると,さっきの動物たちが一ぴきずつやって来ます。最後にはしかの赤ちゃんがやってきて,女の子のほっぺたをなめるのでした。最後のページで微笑む太陽,背表紙でかけていく女の子の後姿まで,じっくり楽しみたい絵本です。

 女の子はひとりででかけ,動物たちにはそっぽをむかれますが,女の子は淋しそうではありません。池のほとりで女の子は,まるで一人でいるのが楽しいかのような表情で過ごします。物語の後半で女の子が受身になると,動物たちとの間に調和が生まれます。この絵本では人と動物との共生を感じることができるでしょう。

 作者のマリー・ホール・エッツはアメリカ・ウィスコンシン州の自然に恵まれた環境に育ちました。この絵本に登場する女の子のように広い野原で遊んで少女時代を過ごしたのでしょう。エッツには『きこえるきこえる』『もりのなかへ』『ペニィさん』など多くの作品がありますが,そのなかでは動物たちがよく登場し,人間とコミュニケーションをします。人間と動物・自然が共生する物語を,温かみのあるまなざしで描いているのです。

 ラボ・ライブラリーでは女優の吉田日出子氏が独特の語りで,人間と自然との共生をイメージたっぷりに語っています。ぜひお聞きください。

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