2021年4月の紹介
MOMOTARO
ももたろう

2021年4月の紹介
MOMOTARO
ももたろう
なんとむかしがあったそうな
Let's unfold a story of old.
むかし,あるところに,じいさんとばあさんがおったそうな。
Once, there lived an Old Man and an Old Woman.
まいにち,じいさんは山へ木こりにいき,
Each day, the Old Man went to the mountains to chop wood,
ばあさんは川へせんたくにいくそうな。
and the Old Woman went to the river to wash clothes.
ある日のこと,ばあさんが川でせんたくしていると,
One day, as the Old Woman was washing in the river,
川かみのほうから,おおきなおおきな桃が,どんぶりこんぶり,すっこんごうとながれてきた。
a huge peach came floating down, going rumbly-tumbly, ripply-roar.
ばあさんはそれをひろってたべてみた。
The Old Woman picked it up and ate it.
「こりゃ,うまい。
“Mmm, this tastes good.
もひとつながれい,じいさんにやろう。
Let another one come, so Grandpa can have some.
もひとつながれい,じいさんにやろう」
Let another one come, so Grandpa can have some.”
すると,おおきなおおきな桃が,またながれてきた。
Just then, another huge peach came floating down the river.
ばあさんがもちかえった桃からは男の子がでてきた。ももたろうと名づけられた男の子は,ぐんぐん大きく育ったけれどもぐうたらです。でも山に行けば大木を引っこ抜くほどの力持ち。ある日,鬼たいじに行くといって,ばあさんにきびだんごを作ってもらってでかけていきます。とちゅう出会った,キジ,サル,イヌをお供に鬼が島へ。鬼を退治して,宝物をいっぱいもって,じいさんとばあさんのまつ家にもどるのでした。
日本を代表する昔話で,全国各地に伝わっていて,日本各地に700くらいのバリエーションの「ももたろう」のお話があるそうです。「私の知っているストリーとはちがう」と思われる方もいるでしょうが,昔話は口承ですので,少しずつ違って伝わってきました。共通しているのは,小さな男の子が生まれて,大きく成長して,何らかの困難を乗り越えて幸せになるという人間の一生を描いています。だからこそ人気があるのではないでしょうか。
「ももたろう」の物語は,古くは江戸時代中期の「赤本」(子ども向けに出されていた絵入りの娯楽本)にも見ることができます。その赤本が世に広まって「ももたろう」は人びとのあいだに知られるようになりました。赤本の「ももたろう」は,当時人気があった歌舞伎役者にならって鉢巻をしていました。子どもが疫病にかかると,親は「早く良くなるように」と子どもに赤本を与えたそうで,題材としていちばん多かったのは「ももたろう」だったそうです。
ももたろうは,ある日,突然「鬼たいじにいく」と言い出します。どうしてももたろうは,「鬼たいじ」に行こうと思ったのでしょうか? 物語のなかでは,理由については語られていません。みなさんはどうしてだと思いますか? そんなことを子どもといっしょに話しながらお話を聞いてみるのも,おもしろいかもしれませんね。

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