2022年3月の紹介
Alice In Wonderland
ふしぎの国のアリス

2022年3月の紹介
Alice In Wonderland
ふしぎの国のアリス
One sunny afternoon,
ある晴れた日の昼さがり,
Alice sat sunning herself on the bank.
アリスは川の堤にすわって,日なたぼっこをしていました。
Alice:
Oh…! What a beautiful day!
アリス:
ああ……。いいお天気!
It's so warm, I'm getting sleepy.
ポカポカしてて,ねむくなってきちゃった。
Then it happened. A white rabbit came running up.
そのときです。1ぴきの白ウサギが走ってきました。
White Rabbit:
Hop, step, hop, step….
白ウサギ:
うっさっ,うっさっ……。
Well now, what time is it?
ええと,何時だ?
Oh, what's this?
やっ,なんたるこった!
I shall be way too late!
ぴょんでもない遅刻だ!
So, hop, step, hop, step….
それ,うっさっ,うっさっ……。
Alice:
Was that a rabbit just now?
アリス:
今のはウサギよね?
But he talked and he took a watch out of his vest pocket….
でも,しゃべってたし,それに,チョッキのポケットから時計を出したりして……。
What fun! I'll just follow him!
おもしろそう! ついていこうっと!
Alice chased after him,
アリスが追いかけていくと,
and at the edge of the meadow, the white rabbit jumped into a large rabbit hole.
野原のはずれで,白ウサギは大きなウサギ穴にとびこみました。
Alice jumped in right after him.
すぐあとから,アリスも穴にとびこみました
穴にとびこんだ先でアリスは,からだが大きくなったり小さくなったりして,泣きだしてしまいます。泣いてできた涙の池に落ちてきた鳥や動物たちとカワカス競争をしますが,ごほうびにアリスがネコの話をしようとすると,みんなはちりじりに家に帰っていきます。一人になったアリスは森の中へ入っていき,大きなキノコの上のイモムシや,赤ん坊を抱えた侯爵夫人やコショウをたっぷり使う料理番,体が消えてしまうチェシャネコ,おかしなお茶会をしている帽子屋と3月ウサギなどと出会います。彼らの言うことは,とうていアリスには納得のいかないへんてこなことばかり。やがてアリスは,ハートの女王に出会いクロケーをしますが,女王の悪口を書いた手紙を巡っての裁判に出席することに。裁判について間違いをアリスが指摘すると,「首を切れ!」と女王が命令するので,アリスは「たかがトランプのカードじゃない!」といい返します。するとトランプたちが,一斉にアリスにとびかかってくるのでした。
ウサギ穴にとびこんだアリスの冒険物語。出会う人はみんなおかしな人ばかり。常識では考えられないことをアリスにいうのでした。からだが大きくなったり小さくなったりしたときは,自分が何者なのかわからなくなったアリスですが,徐々に自分のことをわかってくれないで失礼なことをいう相手に対して反撃するようになります。そして最後には「たかがトランプのカードじゃない!」と,女王の正体を暴露する様は,アリスが自分自身をとり戻し成長したともいえるでしょう。
イギリスの近代文学の先駆けといわれる,ルイス・キャロル(1832-1898)が書いたファンタジー作品です。ピクニックでのボートの上で友人の三人娘にむけて語った物語が,この作品のもととなりました。つまりこの作品は最初から子どもに向けて書かれた物語で,それまでの教訓的な本にうんざりしていた子どもたちは,この物語の登場に大喜びしました。キャロルが子ども向けに書いた物語でしたが,やがて,当時のビクトリア朝社会に窮屈さを感じていた大人も隠れて読むようになり,「紳士の図書室にはアリスが不可欠だ」と言われるほどでした。
常識の通じない<ふしぎの国>は,「こうでなければいけない」という現実の世界の考えに縛られることなく,楽しむことができます。ぜひ,アリスといっしょに<ふしぎの国>に紛れ込んでみませんか。きっとあなたも「♪へんてこてこりん てんてこまい♪」な世界の冒険ができるでしょう。

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