2022年8月の紹介
Jeepta, the Little Fire Engine
しょうぼうじどうしゃ じぷた

2022年8月の紹介
Jeepta, the Little Fire Engine
しょうぼうじどうしゃ じぷた
Right in the middle of a certain town stood a splendid modern fire station.
ある町のめぬきの場所に,とてもりっぱな最新式の消防署がありました。
Inside this station lived Lanky, the ladder truck, Pumpy, the high pressure engine, and Get-there-in-a-hurry, the ambulance.
そこには,はしご車ののっぽくんと,高圧者のぱんぷくんと,救急車のいちもくさんがおりました。
Lanky was very proud of himself.
のっぽくんはいつも自信たっぷりです。
“Look at me. Look at my ladder.
「みてくれ。どうだい,ぼくのはしごは。
No matter how high a building is, as long as I'm there, no one ever has to worry.
どんなに高いビルだって,ぼくがいさえすれば,心配ごむようというものさ。
Zoom, my ladder reaches up.
ぐーんと,ぼくのはしごが届いちまう。
I pour water down from high above and put the fire out.
はるかてっぺんから水をじゃあじゃあかけて,火事を消しとめる。
I help people climb down out of the windows.”
人が窓から逃げだすのも助けてやるのさ。」
この消防署のかたすみに,ちっぽけな消防自動車のじぷたがいました。じぷたはなかなかの働きものですが,ほかの3人をうらやましく思っていました。ところがあるとき,となり村の山小屋が火事になり,じぷたに出動命令がだされました。じぷたは狭くて急な山道を,ぐんぐんあがって行き,小屋につくとじぷたは大活躍。小さな流れから水をすくいあげて炎にかけ,山火事を防いだのでした。
ふだんは人気のあるほかの仲間にかくれてしまい,あまり注目されない小さな消防自動車じぷたですが,狭い山道を登っていかなければならない山火事では大活躍します。どんなものにも,自分が必要とされて,活かされる場所があります。小さな存在が活躍する物語に,幼い子どもはわくわくすることでしょう。
絵本に描かれているじぷたは,もとは第二次世界大戦中にアメリカ軍が人員輸送車として使用していた,ウイリス・ジープという車です。戦後になってこの車を,日本で消防車にしました。イラストを描いた山本忠敬氏によると,この絵本を描いた1963年当時,埼玉県の消防団に一台あることがわかり,出かけてスケッチをしたとのことです。
いまでも,4輪駆動の軽自動車にポンプを積載した小型の消防自動車があります。道路が狭い地域や,災害の状況によっては小回りのきく消防自動車が必要になるためです。こんど消防署の前を通ったら,どんな消防車があるのかのぞいてみてください。あなたの町にも,現代のじぷたがいるかもしれませんよ。

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