父の俳句を紹介させてください |
02月12日 (日) |
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丁度一週間前の日曜日、父が亡くなりました。
とても優しい父でした。あまりしかられた記憶はありません。
愛してはくれましたが、子どもの生き方を認めて、信じてくれました。「ああしろ、こうしろ」とうるさく言われたことはありません。学校も仕事も夫も自分で選びました。口出し、手出しはしませんでしたが、いつも見守ってくれるという安心感がありました。
父は医者としても、家庭人としても誠実な優しい人でしたが、もう一つ俳人という顔を持っていました。改めて父の句集を読みいくつか私の好きな句を紹介したいな、と思いました。ラボとは関係ありませんが紹介させてください。
宮城 蟹太郎
医師の目線で
嘘いふほかすべなき医師に風花す
枯野きて病者の深き瞳にふれぬ
焼香の匂ひ市井の凡医たり
家族に関したもの
岩風呂に妻子華やぎ風花す(家族旅行)
孫生まれ冬至の長き一日なり(長女の誕生の時)
孫ぶつぶつ宇宙人の語や春の星
奥入瀬の青に染まりて子ら弾む
雛祭り子にそむくごと些事多し
その他 (ごぜの漢字がでてきません)
冬障子ごぜの眠りの深かりき
はなれごぜ恋許されず冬鴎
吹き溜る落葉は落葉いたはりて
私も俳句作ってみたいなあ、という気持ちになりました。
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Re:父の俳句を紹介させてください(02月12日)
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クロッキーさん (2006年02月15日 22時27分)
むーままさんへ
<お父上の俳句、読ませていただきました。文は人柄を表すといいます
が、本当に胸を打たれました。お優しい人柄が浮き彫りになっているよ
うで、ご家族や回りの方々への目線に深い愛情を感じました。心からご
冥福をお祈りいたします。
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Re:父の俳句を紹介させてください(02月12日)
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とんかつ姫さん (2006年02月16日 00時11分)
お父様のご冥福をお祈り申し上げます。
お亡くしになって本当に間もないのですね、さぞ文になさるのもおつら
かったかと。
ご家族へのまなざしも情景が目に浮かびますが、何よりお医者さんとし
ての患者への複雑にして哀しいまなざしが深く心に届きました。
「ごぜ」についてのシチュエーションは無学な身にはわかりませんが。
男の人(父親でも)多くを言葉で伝えてくれないまま逝ってしまうこと
が多いから私も6年前に父を亡くしてから、今でも毎日のように「あの時
はどういう心境だったのかな?」「あの言葉の中にはどんな心情がかく
れていたのかな?」など・・・際限が無いんですよ。
でも「句」として残してくださると、直接居合わせないことでも、そこ
で亡きお父様と対面できますね?
亡くしたと思うより、ゆっくりと共に生きると言うお気持ちでお進みく
ださいね。
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Re:父の俳句を紹介させてください(02月12日)
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がのさん (2006年02月16日 00時11分)
俳句の道について語れるほどのセンスは持ちませんので、
句のよし・あしを言う力はもともとありませんが、
まさに「文は人」。医師としてのしっかりとした目線と、
命をいとおしむ思いの深さ、やさしさがしのばれます。
挙げられた句のなかで、私的な好みからあえて選ぶとすれば、
はなれ瞽女 恋許されず 冬鴎
吹き留る 落葉は落葉 いたはりて
なにやら北の地方の物語性を感じさせてくれるものがあり、
どこか良寛さんの句に通じる無限のやさしさを感じますね。
大事な方を喪いました。こころよりお悼み申し上げます。
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