GTS-1楽しんでますかand例のその10 |
06月28日 (月) |
|
新版GTS-1リリースされてから2週間近くがたちました。もう、かなりの方がお聴きになられと思うッス。この広場の日記でも。「聴いた!」とか「泣けた!」などの書き込みがちらほらみられます。
まあ、ラボ・ライブラリーは生まれてしまえば、すでに勝手にあるく力をもっている(人間とは大違い)ので、あとはおまかせなのだ。
とはいえ、歌のCDはひさしぶりなので、いろいろと気になることはたしか。ラボっ子やテューターのみなさんや、ご父母の感想をぜひかきこんでください。質問もある程度(可能なかぎりこえます)歓迎です。
それではトム・ソーヤの続続続続編。
都会と自然、野性と文明、そういった相反する価値にふりまわされて混乱していたトゥエインは、1876年、ノスタルジーにかられて『トム・ソーヤの冒険』を書いた。前にも記したが、トゥエインきこのおはなしを子どもむけというより、おとなの郷愁にうったえようと思って書いた。しかし、当時のたいへん有名な文芸評論家で、トゥエインの親友でもあったハウエルの助言で子どもが読んでもおもしろいように手なおししたるそれがヒットの要因となったのだ。
トムはいわゆる模範少年ではない。しかし、それがどいう子どもかということをよく知っており、とにかくそういう連中がきらいだという表現が現作にはある。トムは村の社会的秩序や上品な伝統に反抗し、そこから逃げて自由になりたいと思っている。ちょっと見には牧歌的なセント。ピーターズバーグだけど、その内側にはおとな社会のいやな面もいろいろある。
おとなたちは集団心理にかられた軽薄な動きをするし、見せびらかし
すなわちshow off(これはアメリカ文化を考えるときにとてもたいせつな言語)の状況がいっぱいでてくる。現作にでてくる学校の教師はその典型で、トゥエインは作品のなかでめためたにたたいている。
トムはそれらがいやで、とにかく逃げたい。そしてサーカスのクラウンか軍人、はたまたもつと派手なものになりたい。それでジョー・ハーパーやハックをさそってミシシシッピーの島で海賊になったりする。そういうトムののびのびとして自由な姿を「少年」のみずみずしさ、あやうさ、といった原型、プロトタイプとして普遍的に描いたところがすばらしいのだ、。ということは前にも書いた。
しかし、もうひとつだいじなことを見落としてはまずい。それとの反抗や脱出は、いつも「帰ってくる」ことを前提としているのだ。
最後の文豪とよばれた高見順は「帰れるから旅は楽しい」といい、ボードレールは「真の旅人は、風船のように、ただ旅立つためだけに旅にでる」といった。ハーンの旅などはまさにそうである。
そこみへいくきとトムの旅はいつも帰る場所がある。そして、海賊のときもトム自身が想像したように、いきようようとひきあげることで、とくいになる。つまり「見せびらかし=Show off」の精神がトムにもあるのだ。
結局、社会というどっしりとした大木によりかかり、その足先で社会をごしごしこすってやる。そんな反抗がトムの自由なのだ。だから、トムの冒険は不安がない。おとなも子どもも安心して読めるのだ。
ところが、それにつづくハックは完全な自由人だ。トムもひいてしまうほどの天然記念物的野生児・自由人だ。トゥエインは『ハックルベリー・フィンの冒険』の執筆には9年をついやす。
ご存じのようにトムのそれとは異なるスケールある大冒険だ。ハックは因習ののこる南部に自由をもとめる。しかし、そこでおおあばれするも、彼のもめる自由はそこになく、またハックは旅たってゆく。
バーナード・シヨウやヘミングウェイがトゥエインの重要制を指摘したわけは、くりかえすが、このトムとハックという異なる冒険物語にある。
それは、 機械文明が発達し、自然がうしなわれ、人びとが機械に支配されはじめたちとき、人間はどのように自然さ、自由を勝ちとっていくのか、という20世紀アメリカ文学の最重要テーマに、トウェインがこのふつの物語で先駆的にとりくんだということの意味深さということでもあるのだ。
自然をもとめ、文明をもとめる矛盾した願望はアメリカの人びとのなかに多かれ少なかれあるけれど、トウェインはそうした心をすいとり、西部ややのラフな人日とだけのためだけでなく、また東部の上品な階級のためだけでなく、その両方の価値観を追求したという点で、アメリカを代表する国民的作家といえるのだ。
アメリカは依然として総代な実験国家であるわけで、それゆえマイケルムーアみたいな監督も存在できる自由さと再生力があるるしかし、その反面、ブッ○○のようにア○なリーダーがあらわれると大混乱してしまう。
トウェインはそんなアメリカの希望や問題、あこがれや矛盾などをすべてひっくるめて、しんけんに作家として表現しようとしたやっぱりすごい人なのだなあ。
|
|
Re:GTS-1楽しんでますかand例のその10(06月28日)
|
|
|
きよちゃんさん (2004年06月29日 15時48分)
初めて書き込みをさせていただきます。
時々私のHPを覗いてくださって有難うございます。
新版CDは何度も書いたように、私は「ひとつしかない地球」を聴いて、歌
って泣いてしまいました。また、他の歌もkiddyさんから、中高生、お母
さんまで楽しんでいるようです。それぞれの年齢に応じた楽しみ方がで
きそうです。”Take me out to the ball game”は、kiddyさんが
「松井の歌だ!」と言ったので、先日のラボではこの歌を鳴らしながら
野球ごっこをして遊びました。何度も何度もしようとせがまれたくらい
です。
「”WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS”はクリスマスまでには全部歌える
ようにしたいね」と高校生やお母さんは言ってました。
勿論、サマーキャンプのテーマソングバードは毎回のラボで楽しんでい
ます。「ひとつしかない地球」は小学生達は「毎回ラボのとき歌いた
い!」と言っています。こんなにこの歌に心を奪われたなんて、すごい
歌の力ですね。「この歌を世界中の人に広げたい」なんて、小学生が
言ったりもしています。
こんな素晴らしいCDをラボのみんなのために作ってくださり、とても感
謝をしています。
SENCHOさんのラボのキャラクターはとても参考になります。今後のト
ム・ソーヤのために、その他のテーマ活動のときに、じっくりと読ませ
ていただきたいです。プリント・アウトしたいくらいです。
これからも、いろいろ楽しみにしています。
|
|