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中部の発表会で |
11月15日 (月) |
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昨日の日曜日、名古屋市公会堂で開催された中部支部のテーマ活動発表会にいってきました。じつは,その日の夕方,名古屋在住のあるアーティストの方と合えることになっていて,そのついでといってはなんだけど,せっかくだから見たのです。
テーマ活動が3本,大学生のリポートやナーサリー・ライムなどなかなか楽し半日でしたが、プログラムの最後に「ひとつしかない地球」の大合唱というのがありました。
で、リーダーがでてきて歌の指導をするのかなと思っていたら、舞台上にぞろぞろあがってきたのは約120名の子どもたち。幼児もかなりはいっています。きけば「歌い隊」だそうで,とにかくこの歌を歌いたい子ということで募集したらドットあつまったそうです。参加条件はこの歌を日本語でも英語でも歌えること、だそうで、けっこう英語で歌うのはたいへんだと思いますが、なんのなんのみんな大きな声で歌っていました。
この歌が子どもたちに受け入れられていて、あちこちで歌われているということはきいていましたが、これだれけの人数で子どもたちが歌うのをきくのははじめてでした。で、司会のテューターの方がおっしゃっていたように,とってもジーンときてしまいました。みんなほんとうに心の底からいっしようけんめいに歌っていました。
この歌は,子どもたちがけんめいに歌えばうたうほど、うるうるとししまいす。なぜでしょう。じつは,きっと,子どもたちもこの歌を歌わなければならないいまの状況をちゃんとわかっているんですよ。
ずごいことです。だから、子どもたちは必死に歌っているんです。21世紀になっても,この血と汗のめぐる地球の岸辺にたって,がんばろうもっとなかよくしようとさけんでいるんですね。ぼくら以上にこの歌の意味をわかっているんです。だから、子どもたちがこの歌を歌うと、なさけないおとなであるぼくらはうるうるしてしまうのですね、
この歌はじつに多義的で,つまりいろいろな意味やメッセージがふくまれているのでずか、子どもたちはちゃんと理解していますよ、すごいなあ。
平和とか環境とか、いわゆる「大きな問題」「人類の課題」を歌にしようとすると、とつても大げさになったり、はずかしかったり、地面に足がついていなかったり、あるいはやたら告発的になったりすしがちだけれど、この歌は老いも若きも、おとこもおんなも歌えるところがすばらしい。
宮沢氏にインタヴューしたのはもう9年もまえのことだけど,「島唄」のヒットについて「世代とか性別とかをこえて、幅広く歌ってのもらえる歌が1曲でもつくれればソングライターとしてはいちばん幸せなことです。そういう意味では『島唄』はそうした1曲になったのではないかと思います」
と控えめにいわれたのが脳裏にのこっている。それだところか、「島唄」は南米や中米など世界でも大ヒットした。先日、THE BOOMの事務所にうかがったときに、来年もメキシコ、グアテマラで1か月のツアーがあるとおききした。これは国からの依頼だという。
さっき、子どもたちが「この歌を歌わねばならぬいま状況」をわかっていると書いたけど、そのことで思い出したことがある。
19992年に、「ボブ・ティラン歌手生活30周年コンサート」というのがNYのマジソン。スクエア・カーデンで行なわれたくさんのアーティストが参加した。これは2日間にわたって行なわれ、ディランに影響され、彼を尊敬してやまない一流のポップミュージシャンが次々に登場してディランの作品を歌うというものだ。もちろん、ディランもでてくるのだが、彼は2曲しか歌わない(「北国の少女」をソロで歌い、MY Back Pageをクラプトン,ニール・ヤング,クリストファー・クロスらといったやたら豪華メンバーと歌った)。でも、観客は大満足。というのも、なにせメンバーがすごく、開会のMCはクリス・クリストファーソン,前座でジョン・クーガー・メレンキャンプだから恐れ入る。ディランというアーティストがいかに長い間、多くのアーティストに影響をあたえつづけたか、そしてアメリカのポップシーンでいかに重要な役割をはたしてきたかがわかるメンバーだ。そのなかで、スティービー・ワンダーのステージは印象的だ。メレンキャンプの紹介で万雷の拍手で登場したワンダーは、キーボードをひきながら(それはおなじ8小節くらいのフレーズをすこしずつタッチをかえてくりかえすだけで、なんの曲かはわからない)、じつに5分近くもスピーチする。その大意はこうだ。
「ありがとうボブ。ここに来れてうれしいよ。ぼくがボブの歌と出会ったのはまだ15のガキときだ。でも、その歌はすごいたいせつな歌だ。そして、どうしてもその歌について、みんなにいっておきたいときがある。その歌は今も歌われている。というよりずうっと歌われてきた。つまりこの歌を歌わなければならない状況がずっとあったんだ。70年代、市民や学生の平和や自由な生き方をもとめるムープメントがもりあがった。そしてこの国はベトナムで戦争をしていた。80年代、ウォーターゲート。そして南アフリカでは命をかけた自由へのたたかいがあった。アフリカの各地では餓えに苦しむ子どもたちがいた。そしていま、世界の暴力、非寛容はおわってはいない。15のときに歌わざるを得なかったこの歌を、今も歌わなけれはない。そして人間がすべてわゆるしあえる時代がくるまで、ぼくたちは歌い続けねばならない。歩きつづけねばならない、いつまでか、そうそのこたえは……」
この長い前説につづいて、ワンダーは思いきりハイキーな声で歌い出した。How many roads must a man walk down befor they call him a man.どれだけ歩きつづけたら、彼は人間とよばれるのだろう……。
そう、名曲「風に吹かれて」Blowin'in the windである。
ものすごい、拍手だ。
この歌もシンプルで多義的、しかも告発的でなく、声高にさけびもせず、美しいメロディで人をうつのだ。
『ひとつしかない地球』もそんな可能性をもっている。
じつは、まだくわしくかけないが、来年、この歌はもみっと大きな力をもつことになるぞ、。お楽しみに。
以前も一度お願いしたが、みなさんも、子どもたちや父母のこの歌をめぐる感想や話題をかきこんでくだされ。
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Re:中部の発表会で(11月15日)
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ちこらんたんさん (2004年11月17日 12時23分)
発表会でSENCHOさんをお見かけしました。
(はじめてお目にかかったのですが、あの芸術家のような方はどなた?
と事務局の方にお聞きして、その後hitさんに確かめて、つながりまし
た。)
次回中部にいらっしゃる時があったら、お声をおかけしたいなぁ、と思
っております。
「ひとつしかない地球うたい隊」を褒めてくださって嬉しいです。
私のパーティからもラボっ子が5人出ました。
日本語は大丈夫だけど英語はどうかな、と少し心配していましたけど、
なんのなんの、とても元気に歌っていてビックリです。
SENCHOさんのおっしゃるとおり、この歌の持つ魅力と子どもたちの力を
感じました。
いつまでも歌いつがれ、歌にこめられた願いが世界に届きますように!
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