幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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★そんなに悪いヤツ? オオカミって… 12月29日 (水)
「ふるやのもり」に登場するオオカミ。雨漏りのする屋根を朽ちていくままにせざるを得ないほどに困窮しているお爺さんとお婆さんが、唯一の宝、愛しい子どものように大事にしている馬を、奪い取り、食ってやろうとするのですから、その魂胆や憎し、とんでもないワルですよね。しかし、お話を追っていくと、どうもそれほどのワルではなさそうな気がしてくる。どこか間が抜けていて、おっちょこちょいで、可愛いじゃないですか (…可愛くない、ですって!? そんな~ )。そう、可愛いですよね。

あの牙、見るものを凍りつかせるようなあの目。ラチョフによりロシアの絵本に描かれるオオカミを思い浮かべる方もおいででしょうか。だいたい、日本でも外国でも、昔ばなしの世界では、オオカミといえば凶暴で獰猛なもの、残虐で情け容赦のない、ズルくて、食いしんぼうで、ロクなもんじゃない、タチの悪い害獣の代表のようにして敵視されてきました。でも、日本の古代人はそうは考えてきませんでした。その名は「大神」から来ているとの説もあるくらいで、害獣どころか、田畑を荒らしまわるイノシシやシカを捕食してくれる農耕の民の守護神でもありました。そんなにワルじゃないんですよ。
『日本書紀』には「かしこき神にしてあらわざを好む」 (このかぎりでは、スサノオの存在に似ていませんか、乱暴なところのある…) と書かれていますし、『万葉集』には「大口の真神」なんて、ありがたそうな表現が見られます。
jingugaien13
東京・神宮外苑の冬ざれの銀杏並木
だれかすぐ「冬ソナ」みたい、というでしょ。きらいだからね、わたしゃ、あのドラマ。

埼玉県の秩父の三峰山に登ったひとはおいでになりませんか。あそこにある三峰神社、イザナキ・イザナミを祀っている、古くて由緒ただしい神社ですが、あそこに行くと、いくつものオオカミの像が見られます。ここには「大口真神」という大きな札がかかるなどしてオオカミを尊び、「ヤマイヌ」とか「オイヌサマ」などと呼んで、山の神の使いとして大事にされています。ほんと、ここでオオカミといったら、害獣どころが霊獣なんです。特に奥宮の入口の左右からそこの霊威を守るかのようにして向かい合っている石のオオカミ像などは、脚はがっしりと太いし(あれで速く走れるかしら?)、その雰囲気は猛々しいほどのド迫力です。

山の神の使いであるそんな霊獣が徹底的に悪もの呼ばわりされるようになったのは、なぜでしょうか。いつからでしょうか。はい、事実、ひとを襲ってガリガリと食べたとの、むごたらしい事実から嫌われ、明治にはいるとじき、大規模なオオカミ狩りが全国でおこなわれ、明治中期のころにはニホンオオカミはこの列島から姿を消したことになっています。とは云え、今もって、ときどき、「いやいや、まだ生息している、この目で見た」といった声がひそかにささやかれているのは、みなさんもよくご存知のとおり。

いっぺんにイメージの変換がなされたのは、ペローやグリム兄弟の童話が日本に入ってきたときでした。「赤ずきん」のオオカミのむごさは子どものこころに衝撃的で、以来、オオカミといえばあのオオカミという観念が築かれてしまいました。いたいけな少女を襲うオオカミ。いまもみなさんの後ろにいるかも知れませんよ。「3びきのこぶた」のオオカミはどうですか。「オオカミと7ひきのこやぎ」のオオカミはどうですか。いずれも、最後にはやっつけられる存在ですが、恐怖を誘う存在で、あまり愛敬はありませんよね。

それじゃちょっと不当な扱いじゃないか、あの動物はそんなにアコギじゃないよ、と少しばかりオオカミさんの肩を持ちまして書いたものがありますので、ご披露します。「狼のまゆ毛」で、柳田国男の採取した昔ばなし「人擬」(ひともどき)からの再話です。かなりの創作も入っていますが。4~5年前にわたしの住む地域の小学生たちに語り聞かせをするというので、知人である語り手の依頼をうけて書いたものです。左の「ノート一覧」のうち、「つれづれ塾①」でお読みください。
Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
とんかつ姫さん (2004年12月29日 02時00分)

全然文学的検証じゃないんですが、実はオオカミが好きで東西の話に出
てくるオオカミが悪者になっているのが不満でした。

確か「おおかみと七匹のこやぎ」をやる時、ラボッ子(小学生)に「オオカ
ミってどうして悪者なんだろう?」と問いかけたら、「人間の近くに出没
して、頭がよくって、群れを成すから怖がられていたんじゃないです
か?」と考え出してくれました。

だから「3匹のこぶた」のパロディの「3匹の可愛いオオカミ」とか「3匹
のオオカミのほんとの話」なんかの絵本が大好きです。

ただオオカミが好きだって話でした(^_^;)。
Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
hitさん (2004年12月29日 15時14分)

こんにちは。
オオカミの話は神話とか昔話などの素養がない僕にもわかりやすかった
です。オオカミに同情してしまいました。

時々のぞいて普段思ってないことをがのさんのことばで考え直し、心洗
われてます。
この間ちょっと日記がと待ったのを、残念だなあって思っていた一人で
す。

ところで日記の間に入る写真、解説が入るといいなって思ってます。
場所・名前だけでもいいんだけれど。どうですか?
Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
すずももさん (2004年12月29日 21時29分)

 私はおじいさんの「やまのおいぬの、おおかみじゃ」と言うセリフが気にな
っていましたが、なんとなく山の神に通じる感じも受けましたが、そのあたり
はどうなのでしょう。

 グリムでも獰猛さは感じますが、ライブラリーから受ける感じは少々違いま
す。「おおかみと七匹のこやぎ」でも「しまった!」と2度もくりかえすのは
間抜けな気がしてなりません。いま幼児の子たちと楽しんでいますが、そのあ
たりをおおかみのがっかりした感じを出して表現していくと、3,4歳の子達
でもあまり残酷さは受けずに物語を楽しめているようです。こんなアプローチ
は間違っているのでしょうか?

 「三匹のこぶた」でも何度も子豚にだまされて、「おおかみって頭が悪いん
じゃないの?」などと言う子もいます。

 出張パーティは動物園のすぐそばでやっています。たまにいきますので狼も
見ましたし、動物園が発行している写真集はリアルで好きですがおおかみは犬
そのものでなんともやさしげな風貌です。がっかりするくらい平凡な顔をして
いました。
私も単なる印象ですが狐や狼が不当に悪い存在にされている気がしてなりませ
ん。他人のものを奪うところが嫌われるのでしょうか。
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
がのさん (2004年12月30日 00時22分)

とんかつ姫さん
>ただオオカミが好きだって話でした(^_^;)。
----------------------------
アララッ、姫、姫。姫はトン(豚)ちゃんとウサギがお好きだったではご
ざらぬか。オオカミもでござったか。やれやれ。
それにしても、小学生たちの感性はみごとにものの本質をとらえるもの
ですね~。人間の生活のすぐ隣にいるから、群れをなすから、賢い印象=
狡猾さ…。たしかにあんなのにぐるりと囲まれたら、生きた心地はしな
いでしょうね。
それでも、いつだったか、NHKの番組「生きものばんざい」(と云った
かな?)でオオカミの子育てを見たことがあります。ずいぶん苦労をしな
がら育てることを知り、そのけなげさにそれまでのイメージを一新させ
られたことがあります。
わたしは山に行くことがけっこうありますが、オオカミに出会ったこと
はいまのところありません。幸い、クマにも。ですが、町でときには見
ることのあるシベリアン・ハスキーの、あのゾッとする空色の冷たい目
を見ると、ほんとうに脚がすくみ、動けなくなってしまいます。小さい
ころから、ほかの、どんなチビ犬さえも、どうしても好きにはなれない
のですが。
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
がのさん (2004年12月30日 10時07分)

hitさん
>オオカミの話は神話とか昔話などの素養がない僕にもわかりやすかっ
たです。オオカミに同情してしまいました。
----------------------------
オオカミについてはともかく、神話のことですが、たしか神話の国・島
根県の出身でしたね。なるほどひとは神話を知らないでも十分生きてい
けます。文学の名作を知らないでもひとは生きていけます。事実、わた
したちの世代は、日本神話といえば右翼的思想との観念に結びつくこと
が多く、たいへん嫌われました。多くのひとはそこを素通りしてしまい
ました。わたしも、どちらかというと、ご多聞にもれず、というとこ
ろ。ラボが『国生み』という日本神話に踏み入ってライブラリーをつく
ろうというときには、さまざまな屈折があり抵抗があり混乱があったこ
とは、今でこそ風化して何もありませんが、知るひとぞ知る、です。結
局、その神話性を薄めてそのゆたかな物語性に依拠しつつつくるという
スタイルのものになりました。ですから、その限りで、ありゃー神話じ
ゃないよ、という人がいても仕方ありません。
そうはいっても、ラボを離れてラボを振り返るとき、『国生み』であり
『なよたけのかぐやひめ』であり『平知盛』などといったところ、ラボ
のアイデンティティがどこにあるかといえば、そこらへんにあることを
思います。ああいう軸をもっているからラボはどこかでちゃんと信用さ
れている、ということではないでしょうか。
それと同じで、ひとにアイデンティティがないとき、どれほどお金持ち
でも、どれほどいっときキャーキャー騒がれるような人であろうと、そ
の存在は軽く、羽のように軽く、なんだったんだ、あれ(あいつ)は、と
いうことになるんじゃないですか。自分の中に神話を持て、生きるって
そういうことよ、なんて偉そうぶっていうつもりはありませんが、とこ
ろで、どうなの、hitくんのアイデンティティって…。男じゃけぇねぇ。
いいトシこいてるわけじゃけぇねぇ、お互いに。
Re:Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
hitさん (2004年12月30日 12時22分)

そんなに問いつめないでください。
アイデンティティなんてそんなもの普段全然考えてません。
知ることは好きなんですよ。
ひろばラボに来ておもしろいこといっぱいあるんです。
がのさんの神話の話だってそう。島根の出雲の国出身なんです。
まさに神話の世界。だってちいさいときそんな話いっぱいありました。
ちゃんとわかってないけれど、ちいさいときすんでいたところは赤名っ
てところなんです。神社は赤穴八幡宮。
最近所々でこの地名名前を神話の世界で耳にします。
秋のお祭りだって村が部落で分かれていて自分のところの神社が祭りの
子はお休みだったんです。
秋祭りの時は全校昼までだったし。もちろん神楽はヤマタノオロチを
やってました。
目の前に琴引山があってだれだったか有名な神様が琴を引いた穴っての
もありました。僕その穴のコウモリを連れて帰って飼ってたりしてま
す。
そう言う意味では教養は無いけれど、素養はあるんですかね。
頑張ります。
Re:Re:Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
hitさん (2004年12月30日 12時24分)

そうそう書き忘れたんですが、「神話は右翼」って初めて聞きました。
そんな認識これっぽっちもありません。
そうなんですか?
そんなこと全くないですよ。
日本人のいいところ、でしょう。
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…①
がのさん (2004年12月30日 14時11分)

すずももさん
> 私はおじいさんの「やまのおいぬの、おおかみじゃ」と言うセリフ
が気になっていましたが、なんとなく山の神に通じる感じも受けました
が、そのあたりはどうなのでしょう。

ちょっとすっ飛びまして、オオカミといったら古代エジプトのアヌビス
神を思い出されませんか。猛々しいオオカミのすがたをした神で、あの
ピラミッドとミイラと砂の国にあって、死者の神、埋葬の神としてたい
そう尊ばれていました。そう、アメン・ラー(太陽神)、アヌキス(女主)
のつぎの位にある神でした。石に刻まれて残るものを見ると、それはオ
オカミというよりはヤマイヌの印象が強いですが。イヌというのは、骨
を求めて墓を掘り返す動物という観念が人びとの信仰に結びついたもの
と思われます。いまでもエジプトにはリュコンポリス(「狼の町)なんて
名をとどめるところがありますね。
「ふるやのもり」にそういうセリフがあったという記憶はわたしにはな
いのですけれど、たしかに、ある種の畏敬の念をもってオオカミ(大神)
を仰ぎ恐れもしていた時代のなごりを映すものではないでしょうか。

 グリムでも獰猛さは感じますが、ライブラリーから受ける感じは少々
違います。いま幼児の子たちと楽しんでいますが、3,4歳の子達でもあ
まり残酷さは受けずに物語を楽しめているようです。こんなアプローチ
は間違っているのでしょうか?

どんな回答を期待なさっておられるのか存知ませんが、間違っているか
どうかを問われても、わたしごときには「わかりません」というしかあ
りません。その人はそういうテーマ活動のつくり方をしたのか、と理解
するのみです。ひそかに、オモテをなぞったお体裁だけのものか、それ
とももっとテーマを深めたものになっているかどうか、そのへんの手ぶ
りを愉しませていただくのみ。とりわけ、英語がじょうずに云えたかど
うかなんてわかりませんので。いいんじゃないですか、さまざまなテー
マ活動があっても。【つづく】
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…②(12月29日)
がのさん (2004年12月30日 14時28分)

すずももさん≪承前≫

それと、云うまでもありませんが、たとえば『おおかみと七ひきのこや
ぎ』。あれはラボの『おおかみと七ひきのこやぎ』であって、グリムの
それではありません。とりわけ初版のグリム童話集と比べていただきた
いのですが、「木には葉が何枚あるの」「十」…なんて、グリムは当然
ながら書いておりません。最後の「その晩の小やぎたちのごちそうです
って。そりゃもう、きのこスープに決まってるじゃありませんか」とな
ると、もう昔ばなしのフィーリングではありませんね
あれはラボのテーマ活動のため、子どもたちが生き生きと動けるように
と再創造された物語です。そのご親切な再創造のなかで、オオカミの残
虐性をやわらげ、これにも愛らしい表情を与えようとの意思が働いたと
してふしぎはありません。そういう教育的配慮だったかも知れません。
劇表現としてのおもしろさ、メリハリということも考えたはずです。
オオカミのおなかの中で石がごろごろ。「ごろごろがったん/こりゃま
たへんだ/やぎっこくうたら/いしっこにばけた」なんてとぼけた歌を
オオカミがうたうでしょうか。最後のシーンでは、ラボの物語は、なに
やら楽しげな音楽で終わっていましたね。ところが、グリム童話のほう
では「泉の上にかがんだとき、石の重みで体が支えられなくなり、狼は
水の中に落ちてしまいました。これを見た七匹の子やぎたちは駆け寄っ
てきて、うれしくてたまらず、泉のほとりで踊りました」(吉原高志・
訳)とストーンと終わっています。シンプルですねぇ。あたたかいおうち
に帰っておいしいスープのごちそうを食べるなんて、グリムが知った
ら、もしかすると怒るかもしれません。ですが、みなさんは「ラボの」
物語で表現活動に取り組んでおられるわけで、そういう、少々オツムの
足りぬ、間のぬけた、滑稽なところのあるオオカミをつくったとして
も、これをだれかから文句をいわれるスジアイのものじゃないですよ
ね。【つづく】
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…③
がのさん (2004年12月30日 14時58分)

すずももさん≪3≫

ただ、こういう自由の保証されたネットワークのなかで、ひょっとする
とあまりみなさんが考えたことがないかもしれないこんな世界もありま
すよ、とご紹介したまでのこと。みなさんの取り組みについて、そりゃ
あまちがってるよ、なんていうつもりはモートーありません。どうぞお
好きなようにやってください。

 出張パーティは動物園のすぐそばでやっています。たまにいきますの
で狼も見ましたし、動物園が発行している写真集はリアルで好きですが
おおかみは犬そのものでなんともやさしげな風貌です。がっかりするく
らい平凡な顔をしていました。私も単なる印象ですが狐や狼が不当に悪
い存在にされている気がしてなりません。
----------------------------
は~、がっかりするくらい平凡な風貌ですか。おいこら、情けないやつ
め、シャッキリせい、シャッキリと! どうしても動物園という温室で
飼いならされていますからねぇ。しかしどうやら、それは「やさしさ」
のお好きなすずももさんの目がひきつけたオオカミじゃなかったです
か。かくいうわたしもどうやらそちらに近く、「狼のまゆ毛」は、どう
もオオカミが不当なあつかいをされているような気がして再話したもの
ですし、ここまでこのページに書き込んできたのも、オオカミの名誉回
復のためだった、…かも知れません。ただ、あの目つきの鋭さはただご
とではなく、気になってなりません。
その後知ったのですが、信州の伝説にもオオカミを神の使いとするとこ
ろがあるそうです。オオカミ(ヤマイヌ)に食われるようなものは何か悪
いことをした人間で、善人はヤマイヌが噛みつくことはない、というふ
うになっているそうです。これが“真人間”かどうかを見る「狼のまゆ
毛」の原型かも知れません。あの、鋭い、冷たい目で人間の心根をじっ
と見すかしているかと思うと、そらもう、ゾッとしませんか。

この慌しい年の瀬に、書き出したら長々しくなってしまいました。
Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
すずももさん (2004年12月30日 20時14分)

 お付き合いくださって本当にありがとうございました。
結果、私自身の偏向気味の感覚がよくわかりました。がのさんのお話は難しい
のですが勉強になります。
 ちなみにわたしも「神話は右翼的」と教育された世代です。ですから、ラボ
との出会いがなかったら、素通りしているかも知れません。今年の秋の研修で
『国生み』に取り組み、またあたらな物語との出会いがありました。ラボの子
どもたちと同じくテューターも物語との出会いは年齢や経験によっても変わっ
てきますね。何度か目でも新鮮で発見があるのが楽しいです。
Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…(12月29日)
Hiromi~さん (2005年01月11日 17時49分)

 お久しぶりです。

久しぶりに「ふるやのもり」のことを書いていらっしゃるので、訪問しようと
思いつつ、12月は色々アリかなり参っている時もありました。

「ふるやのもりは」ほんとにすきです。やはりあの時代のライブりイーはいい
ですね。言われてみると不思議がいっぱいです。
 今高校生研修で「白雪姫」を担当してますが、いまの子ども達のもっている
テキストは新しい物で誰一人昔のテキストを持っていません。田島征造?さん
の音のほうがほんとに味があるのにかえた理由がわかりません。

 彼らがグリムの事や、アンデルセンのこと、ドイツの森というものの持つ
力。そういったことは全く考えずただ「テーマ活動」しようという事になって
しまいます。テーマ活動の友もありませんので、あそこに書かれている部分だ
けでも理解してもらわないとおもい、少し話をしましたが。
 テーマ活動が浅くなる所以です。鏡のことばだって、毎回同じイメージじゃ
ないでしょう!!こんな事からはじまる高活です。子ども達に接する時、まず
はテューターが、イメージして、いつでもアドヴァイスできる状態にしておか
なくては成らないはずですが・・・・。

秋「スサノオ」を発表して、テューターのエヴァリエーションで、出てきた感
想のひとつに《動きが何時も同じ用に思います》というのがありました。
 其れを読んだ大学生が全く違うものを表現しているのに、見る目がね~~と
言ってましたが、表面的にだけ(ただ英語が出てた、とか)を捕らえがちで
す。10年ぐらいのテューターでもそうですから。

 やはりこれからのテーマ活動のあり方をしっかり研修しなくてはなりませ
ん。

 体制もまた変わり、前途が不安です。



 
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…-①
がのさん (2005年01月11日 21時55分)

Hiromi~さん《1》
> 彼らがグリムのことや、アンデルセンのこと、ドイツの森というも
のの持つ力、そういったことは全く考えず、ただ「テーマ活動」しよう
ということになってしまいます。テーマ活動が浅くなる所以です。表面
的にだけ(ただ英語が出てた、とか)をとらえがちです。やはりこれか
らのテーマ活動のあり方をしっかり研修しなくてはなりません。
----------------------------
このごろ、あまりテーマ活動を見ることもありませんので、わたしには
ものをいう資格はないのでしょう。それに、わたしの見方、テーマ活動
を見る楽しみ方はいつも、ほかのみなさんのそれとはだいぶちがいます
ので…。ただ、どんなふうに時の要請や環境が変わろうとも、テュータ
ーのみなさんにはテーマ活動、そう“テーマ”の活動、これだけはしっ
かり守り抜いてほしいと願っています。
ある、たいへんナイーヴなセンスをお持ちの若いテューターが、わたし
とのメール交換のなかでこんなことをおっしゃいました。
「わたしたちは、道に迷ったすえ、ようやく“注文の多い料理店”の前
に来ているのかもしれません。おなかをすかしてテーブルにつく。幸福
なことに、豪華な、そこらにはめったにない贅沢な料理のメニューが出
される。ところが、テーブルにつくとすぐ、オーダーするより先にオー
ダーされ、ずう~と際限なくそれが繰り返されて、こちらのオーダーに
はいとまを与えられず、気づいたときには、食べに来たはずが食べられ
に来たことに気づく。しわくちゃな紙みたいな顔になってから後悔する
ようなことがないようにするには、物語のほんとうのこころを捉えるた
めの、無限の努力をしなければならない。よく英語が出ていた、よく動
いていた、大きな声でいえた、というレベルでテーマ活動をしていたの
では、こちらが食べられるだけだと知った」と。【つづく】
Re:Re:★そんなに悪いヤツ? オオカミって…-②
がのさん (2005年01月11日 22時13分)

Hiromi~さん《承前 -2》

一部わたしが補ったことばもありますが、そうおっしゃいます。形骸化
した活動からはほんとうのことばは生まれません。いうまでもありませ
んね。ラボは、みずみずしい命を相手に、ファッション的にうすっぺら
な感性を育てるための教育をしているわけではないでしょう。ラボがす
ぐれた内外の文学作品からライブラリーをつくっているのは、そこには
すぐれたこころがあるからです。良しにつけ悪しきにつけ、そこに人間
の真実があるからです。そのこころと真実をテーマにし、ありったけの
想像力を働かせて取り組むことなしには、活動の意味がないといっても
いいのかもしれませんね。そう、器用に、おじょうずにやったって、仕
様がないじゃないですか。
いずれにしても、つぎの時代のたしかな文化の生まれるすぐそばにみな
さんがいることは確かです。腐らず、日和らず、まっすぐにがんばって
もらうしかないじゃないですか。ラボのすぐれた部分を継承させていく
べく、主軸となってご精励くださいますことを!
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