三輪さんのアルジャーノン その2 |
06月20日 (月) |
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ハニーさん日記を読み逃げしたら
三輪さん自身が訪問されていた。
それもおどろいたが、小屋の入り口での衣装を
かえている(3週間も上演するのだから当然といえば当然)という
話も興味深かった。
ところで劇団昴とラボは浅からぬ因縁である。
久米先生のナレーションはラボ・ライブラリーではおななじみだし
ほかの方もいろいろと出演していただいている。
知られていないが、韓国語のSK3やSK8の吹込みは
劇団昴さんの紹介ですばらしい韓国の役者さんに吹き込んでいただくことができた。
朝日の劇評でもふれていたが、この『アルジャーノンに花束を』の主人公であるチャーリー役はの、たいへんにむずかしい。IQ68だが純朴な青年が
大脳の手術によって急速に天才的頭脳の持ち主になっていく。しかし、そのスピードに比例するように再び退行していく。このチャーリーのアップダウンがまさにひとつのサスペンスであるのだ。
その悲劇的な結末がのこす観客へのテーゼもまた、この作品の魅力であるが、この前書いたように、考えさせられるだけでなく、感動することができたのはおどろきだったし、そのことは出口であいさつされた三輪さんにも素直につたえた。驚愕と同様、感動もまた、「感動しろ、感動しろ」という演出に感動できるケースはあまりない。むしろそうした場合は、鼻じらんでしまうことのほうが多い。今回の演出は実際のIQ68の人間の行動や言語表現のリアリィという点からいえば正確かどうかでは疑問だという人がいるかもしない。だが、この芝居にもとめられているのは精神病理学的描写のリアリズムではなく、チャーリーのサスペンスと彼をとじこめる迷路の演劇的リアリティにほかならない。そこがしっかりと押さえられ、全体ではむしろ抑制された演出、別のいい方をすれば「乾いたリリシズム」が感動をよんでいるのだろう。
えらそうなことを書いたが、ぼくはこの芝居をみて、『カッコーの巣の上で』を思い出した。これはケン・キージー作のもともとは舞台劇で、後に1975年にミロス・フォアマン監督によって映画化され、ジャック・ニコルソンが迫真の演技をしてしてアカデミー賞の主要部門、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞などをかっさらった。
このときのニコルソンの役であるマクマーフィは刑務所の強制労働からのがれため、精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入る。そこで患者を物ののようにに扱う病院の管理体制に反発を感じたマクマーフィは権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちのに生きる気力を与えていく。しかし、最後は、彼を排除しようする病院側によってロボトミー手術をされてしまい、無気力な状態にされてしまう。ラストは友人のネイティブアメリカン(彼も差別されていたが)に、ある方法で解放される。
体制のなかで抗う男の姿を通して人間の尊厳と社会の不条理を問う作品だが、ある意味、「アルジャーノン」とは真逆ともいえる設定の物語だが。じつに通じるものがある。前述の「人間の尊厳」と「社会の不条理」という問題である。そしそしてこの「アルジャーノン」も「カッコー」も、この「人間への尊厳」を、プロデューサーも演出家も、自己の問題としてどのようにとらえているのかが、じつは明確にあらわれてくる気がする。
命をかけても守るべきものである、最後の最後でたたかうべきものであるのか、どこがゆずりわたすこともあるのか……。このじつにぎひしい問いにたちむかえる勇気と強さとやさしさがあるか、それが感動をつくりださせるか否かのわかれめだと思った。
「カッコーの巣のうえで」One Flew OVer the Cuckoo's Nest
いい映画です。VCTR DVDどらもでてます。
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Re:三輪さんのアルジャーノン その2(06月20日)
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ハニーさん (2005年06月21日 06時32分)
読み逃げしないでたまには一言残してくださいな、SENCHOさん。
でも私が感じていたことを代弁していただきありがとうございました。
三輪さんの『アルジャーノン・・』に感動したのはまさにその部分でし
た。
昴はそんなにラボとご縁があったのですね。知りませんでした。
実は私達夫婦とも結構ご縁があるんですよ。「昴」の福田氏は私達の大
学の先輩であり、夫にとってはサークルの先輩でもあり、昴の劇場は学
生時代の私達のデートの場でありましたから(笑)。
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Re:三輪さんのアルジャーノン その2(06月20日)
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林ライスさん (2005年06月21日 10時20分)
新刊ライブラリー届きました。
感動したのはジョン・ギルビンのこっけいな出来事!!
しゃれた音楽がたっぷりのすばらしいできですね。
この音楽のおもしろさをどのように表現しようか・・・などと考えなが
ら聞いていました。
地区のテューターで新刊からひとつテーマ活動に取り組み、秋の一泊研
で発表しようといくことになっています。
私は是非ジョン・ギルピンをやりたいです!
秋の一泊研で三輪さんにお会いできるのがますます楽しみになりまし
た。
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Re:三輪さんのアルジャーノン その2(06月20日)
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Hiromi~さん (2005年06月21日 17時24分)
「アルジャーノン・」の本は読みました。大分前ですが。
テレビでも、やってましたね。
三輪さんの演出による、この作品是非みたいですが、時間が取れますか!
何しろ上京していかなければなりませんから・・・。
バーニーさんの木が植えてあるんですか。知りませんでした。懐かしく思い
出します。
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