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さよなら「ごろごろにゃーん」 |
07月04日 (月) |
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長新太さんがなくなった。またひとり絵本の王様が旅にでた。
さみしい。
長さんといえば『ごろごろにゃーん』だ。
「ごろごろにゃーん ごろごろにゃーんと
ひこうきはとんでいきます」
このくりかえしと、かきなぐつたようなタッチの絵
じつに衝撃的だった。
あんまりすごいので、作者の頭のなかを見てみたいと思ったものだ。
この作品を『かぶ』の小野かおる先生が絶賛していたのを思い出す。
「どうみてもへんな絵本ですよね。でも、わたしはへんなもののほうが
すきですし、おもしろいと思います」
「長さんは、絵本もへんだけど、ご本人もへんな方です」
当時、小野先生は東京造形芸術大の教授をされていたが
先生の本来の作品は『とぷう』や『かぶ』のやさしいスタイルからは
想像できないはげしい抽象だ。「学生はおとなしいすぎてね」
とほほえんだ小野先生が激賞してやまなかったのが『ごろごろにゃーん』だ。
さっきかきなぐったようなタッチと書いたが、『ごろごろにゃーん』の絵は荒らっぽそうにみえるがじつに緻密だ。魚形ひこうきをジャンボジェツトや都市といった巨大な脅威と対比させた構図などは詩情豊かだ。
しかもかわいた抒情=リリシズムがきもちよい。
この絵本を見た子どもはたちまちにとりこになる。「こんな変な本だめです」というおとなの声はおかまいなしだ。「もっと、ちゃんとした本がいいんじゃないの」
ちゃんとするっていったいなんだ。
愛することより なにかをさがしつづけることより
自分が自分であろうとすることより
だいじな「ちゃんとする」ことなんて!
とうとうラボ・ライブラリーに描いていただく機会は得られなかった。
絵本のラスト
「ごろごろにゃーん ただいま」
このセリフを長先生はいまはどこかの空でいっているのだろう。
合掌。
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Re:さよなら「ごろごろにゃーん」(07月04日)
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HITACHIさん (2005年07月05日 23時43分)
私のラボ・ルームにもあります。プレイルームの子、キディコース、小学生ど
のグループも喜びました。
本当に楽しい本ですね。壮大な絵ですよね。
惜しい方を亡くしました。
ほんとラボでは出会ってませんね。これからもすてきな方の本を一緒に探して
ください。
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