|
 |
 |
 |
 |
[一覧] << 前の日記 |
次の日記 >>
|
おすすめ音楽CDまたまた外伝 |
01月19日 (月) |
|
スタジオ用語の基礎知識
これを知っていれば音楽業界人
ただしラボには役立ちません
◎スタジオミュージシャン
とにかくめちゃくちゃ楽器がうまい。オーケストラに所属している人もいれば,録音専門でやっている人もいる。録音専門の人はけっして拍手や賞賛を浴びることはない。でも,うまい人はいろいろなミュージシャンから声がかかるので,おおいそがし。スタジオからスタジオへとびまわる。ギャラはほとんどが時間制。高い人は1時間でX万円。どんな楽譜も初見で弾けるのが最低条件,それにくわえて作曲家の「もっとうたうように」とか,「するどいアタック(バレーの攻撃ではなく,強くたった音のこと)」でといった注文をこなす。
◎マルチ
多チャンネルの録音テープのこと。たとえば32チャンネルなら16種類の楽器をステレオでそれぞれ独立して録音できる。これの便利なところは,ひとつの楽器がミスつてもその楽器のまちがえたところだけ,後でさしかえることができるので,ひとりのNGがみんなのめいわくにならないところ。また,ベースがその時間にこれないときなどは,あとでベースだけかぶせるといった技も可能。したがって,電気楽器以外は,それぞれ独立した小部屋(ブース)にはいって録音する。なんともブキミである。マルチで録音した音楽は,そのあとでトラックダウンという作業でひとつさの音にまとめる。これこそミキサーのうでのみせどころ,なんどもききながら,ひとつひとつの楽器の音の大きさ,左右の位置,響き方,ツヤなどを調整していく。ちなみに,ソングバードはマルチで録音。
◎一発どり
マルチではなく,演奏を同時に一本のテープに録音いること。これのむずかしさは,まずマイクのセッティングがたいへん。いいバランスできこえるように,楽器ごとに音をだしてもらいひとっひとつきめていく。また,大編成だととっても大きなスタジオが必要。それから,なんといっても本番でひとりでもミスるとみんなでやりなおし! これはつらい。でも,うまいミキサーがとった一発どりはいいっす。ラボ・ライブラリーの音楽の多くはこの一発どりだ!
◎ドンカマ
ヘッドフォンからきこえてくるリズムマシンの音。ドンカマチックという商品名が名前のもと。ようするにメトロノームなのだが,それにあわせて演奏するのは指揮者を見て演奏するよりも何倍もむずかしい。というのは,指揮者やみんなが知っているメトロノームは目に見えるからリズムが体感できるからだ。音だけにあわせるのは,そりゃたいへんよ。ドンカマは演奏スタートの何秒かまえからはじまるので,録音編集の際には,この音をカットするのだ。
◎カンパケ
編集もおわり,あとは量産用のマスター をつくるだけという状態のテープやデータのこと。完全パッケージの略。ラボ・ライブラリーの場合は,英日のカンパケ,英語のカンパケ,音楽のカンパケなどたくさんのカンパケがある。「OK! これでカンパケです。おつかれさまでした」という声をきくと,椅子からくずれおちる者,感極まって泣き出す者,歌い出す者などがいる(ウソ)。
◎Take
本番の数のこと。Take1できまれば奇跡。Takeが5をこすと機嫌がわるくなる者がではじめ,Takeがふたけたになると責任追及がはじまる?
SENCHOの思い出ではSonbirdsのトラックダウンを夜中にアバコスタジオでやっていたとき(ミキサーとふたりだけの孤独なたたかい),休憩しましょうとスタジオからでて,アーティストロビーにでたら,ちょうどとなりのスタジオも休憩らしく,人がでてきたもよう。「マーシーのギターはTake1のほうんがいいね」。
声の主は当時The Blue Heartsの甲本ヒロト氏。つづいて,メンバーもでてきました。ちようどかれらは3枚目のアルバムをつくっているところ。紙コップのコーヒーをのみつつ,「おたがいおつかれまです」と声をかけあい,ひとしきり甲本氏と音楽談義。氏が子どもの教育や表現活動に興味をもっていたのはうれしかったっす。
ぼくも,氏の切れ味のある詩がすきだったので,そのことをいったら,やたらてれてたのが印象的。The Blue Heartsはその後解散,マーシーとよばれた真島氏と甲本氏はTHE HIGH-LOWSを結成,いまもかん゛ばってるっす。
|
|
|
<< 前の日記 |
次の日記 >>
|
|
|
|