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おすすめ音楽CDその12 山山もっこり |
03月02日 (火) |
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GT10『三本柱』はラボ・パーティ創立10周年を記念して制作された
ラボ・ライブラリー。狂言二番を英語と日本語で収録という大胆不敵な
企画。三本柱の大果報の者を演じるは、重要無形文化財保持者(人間国宝)で希代の名人のほまれ高い野村万蔵。三人の冠者は子息たちが演じている。そのひとりはいうまでもなく、野村万作氏だ。
なんで狂言か。
ラボ教育活動の中心であるテーマ活動は、外国語と日本語で語られる物語へのアプローチを通じて、言語体験=実験をくりかえし、あたらしいことば、広い世界へ近づいていく教育プログラム。したがってその素材となるラボ・ライブラリーはいきおい、題材を欧米の物語作品にもとめることが多い。そんなわけで、10周年のような節目には「ことばの宇宙船」は足元である日本の物語にたちかえってみようということがこのときに提案されたのだ。もちろん、ほかにも日本人は声がどんどん小さくなっているからとか表現教育上のテーマもあるのだが、日本をきちんと語らずしてなにが外国か。自国の文化にほこりと尊敬をもてないやつが、他国の文化を尊敬できるはずがなかろうといったことが狂言をとりあげた主たるねらいだ。
そんなこんなで、ラボ15周年では『国生み』、20周年では『平友盛』、25周年で『なよたけのかぐやひめ』、30周年で『一寸法師』というように日本の物語をリリースしてきた。
ところで、さきほど実験と書いたが、ラボはラボラトリー、まさに実験室だ。子ともから「ラボで英語をべんきょうしてるの」といわれると、こうこたえることにしている。「理科の教室をしってるかいるあそこはふつうの教室とどうちがうかな」「大きい机になんにんかまとまってすわる」「そうだ、その机の上でいろいろ実験をしたり観察したりする。先生の話もきくことがあるが、たいせつなのは実験をよくみたり、友だちと意見をいいあったりすることだ。ラボもことばと物語の実験室なのだ。だから実験室という意味の英語のラボラトリーをとってラボなのだ」「ふーん」
「実験だから、失敗することもある。でも、その失敗からとんでもなくすてきな発明がされたことはなんどもある。失敗すると、くやしいからいろいろ考えたり、べつのやり方を考える。それで人間は進歩するのだ」「ふーん」そう、言語実験をくりかえしながら、物語そしてことばにアプローチする。そのアプローチの方法が表現的、ときとして演劇的であることが多い。だから、かっこいいテーマ活動をすることはたいしたことではないし、ラボはテーマ活動がうまい子を育てているわけではない。たとえばある中学生がジユリエットをやるとしよう。演劇、しかも商業演劇であれば、たとえば自女優のだれそれが演じるジュリエットがどうなのか、はたいへん大きい問題だ。14歳という設定なののだから、としはもいかない恋愛(この14歳にしたという設定はシェイキスピアの天才さを物語る。しかも四日のできごと。この物語の主題は表面的には家どうしの確執にも負けぬ若い恋だが、じつはシェイクスピアが描きたかったのは、恋愛のプロトタイプ、原型だ)
にはまったジュリエットをどう表現するのかに興味がある。
でも、ラボっ子のAさん(中2)が表現するジュリエットがどうなのかということは、無視していいことではないが、ほんとうにたいせつなことではない。それよりも重要なのはジュリエトに挑戦するAさんそのものである。どのくらいラボ・ライブラリーをきいたのか、この物語にんにほインスパイアされたのか、ジュリエットからなにを学んだのか、そのAさんに興味がある。なぜなら教育プログラムだから。なのだ!!!ゴーッ(火を吐く音)
やや、というかあまりに話題がそれた。じつは書きたかったのは『三本柱』に収録されている『山山もっこり』と『うみがたずねてきた』のふたつの物語。これはまず『山山もっこり』ありき。この作品は当時小学校2年生だった山梨のラボっ子、ふかさわ・ゆきちゃんの作品。これに対して山をうけるかたちでらくだ・こぶにが書き下ろした海のおはなし。
このゆきちゃんの作品は、ほとんど神がやどったとしか思えない。「あっというまによるになりました」なんていうフレーズは計算では書けない。
この作品についてのこまかいことは次回にゆずり、佐藤允彦氏の音楽をじつくりきいてほしい。佐藤氏は慶応大学出身。しかも首席! ドレミの音階をすべて周波数でおぼえているというおそるべき人。もともとは、子どもときからクラッシクピアノをやっていた方。高校生のころ、2回の部屋でピアノを弾いていたら、電信柱修理のおじさんが窓ごしに「にいちゃん、ジャスやると金になるよ」とぽつり。そうかなあと思った氏はジャズピアノをはじめ、大学卒業時に発表した「パラジウム」と「デフォーメイション」という2枚のファーストアルバムがいきなり日本ジャズディスク大賞をとってしまった。
そのへんのことはどうでもよいが、とりあえず氏の才気あふれる、でも抑制のきいた音楽をどうぞ。
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Re:おすすめ音楽CDその12 山山もっこり(03月02日)
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スミティさん (2004年03月02日 22時23分)
どのくらいラボ・ライブラリーをきいたのか、この物語にんにほインス
パイアされたのか、ジュリエットからなにを学んだのか、そのAさんに
興味がある。なぜなら教育プログラムだから。なのだ!!!ゴーッ(火
を吐く音)
まさにまさに!! ゴーーッ
そうなんです。ひとりひとりが物語りに向き合い、テーマ活動を作り上
げ発表する過程で成長していくんです。すっごく成長するんです。それ
が見えると嬉しくって!!
ラボはオッソロしく凄い教育活動です。
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