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シェークスピアの台詞のリズム~ iambic pentameter |
11月08日 (土) |
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山口地区テューターで「ロミオとジュリエット」第4幕のテーマ活動(英語)を発表しました。
取り組みの中でジュリエットの父親役のSテューターが
「"My only daughter dead." これ is が抜けてるわ。文法が間違ってる。それとも誤植かしら。」
他テューター 「なぜかしらね。 "dead" を強調したいのかな?」
「それにしても変よね。」とこだわるSテューター
家に帰ってからも何となく気になってさらにテキストを見ると
母親の台詞 " My only child is dead. "
こちらには is が入っています。
変だなぁ 何でかなぁ~ と気になりながらも日が経って・・・
ある日、口に出して言っていると、リズムが似ていることにに気がつきました。
それと共に古い記憶の底から 「アイアンビック ペンタミター」ということばがボワーッと わきあがってきました。
学生時代にシェークスピアのソネット(14行詩)を習った時にきいたことばだったかな・・
早速調べてみると
シェークスピア の Sonnet は 4行 4行 4行 2行 全部で14行からなる詩です。
英語は 音の強弱(stress)と音の高低 (pitch)からなっていますが、シェークスピアの詩は弱強のリズムが使ってあります。
弱強を1セットとすると5セットあるのを iambic pentameter 弱強5歩格 といいます。
そして各行の最後の韻は、
a b a b c d c d e f e f g g となっています。
そうだった、「よくこんな細かいきまりに合わせて単語(しかも美しいことば)を選べるものだ!」と、ただただ驚いたのを思い出しました。
話を「ロミオとジュリエット」にもどして
My only daughter dead.
弱 強 弱 強 弱 強
4幕の最後、トラック8のナレーションの2行目
"The sun will not so much as show its face."
弱 強 弱 強 弱 強 弱 強 弱 強
iambic pentameter 弱強5歩格になっています。
ちなみにシェークスピア劇の台詞のほとんどがこのリズムで書かれているそうで、ハムレットの有名な「生きるべきか 死ぬべきか・・」もこのリズムだそうです。
まさにシェークスピアの文が「ことばの音楽」と言われている所以です。
これらは日本語に訳すと味わえません。
シェークスピアの作品に英語で触れられるラボ・ライブラリーは本当にすごい!と、あらためて思いました。
それも耳で聴いて、自分で口に出して言えるなんて!
今年、山口地区の中高生広場の発表は「ロミオとジュリエット」です。
これに参加している彼らは、すごい機会に出会っているわけです。
ぜひ英語のCDをたくさん聴いて、名作、名文にいどんでほしいものです。
見に行くのが一層楽しみになりました。
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