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歌のCDのつくりかた その6? 青のはなし |
05月17日 (月) |
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『ひとつしかない地球』の絵本の色校正がきている。美しい。とはいえ,まだまだ課題はある。紙(ダイヤペークというなかなかよい紙)なのだが、思った以上にインクをすっており色がしずむのだ。しずんだことで、よくなる場合もあるが、今回の永山さんの絵ではそうはいかぬ。デザイナーとも相談せねば。紙の選定も絵本にはだいじな要素。発色のみならず、手触り、耐光性なども考慮しなければならない、紙には目があって、縦目と横目でちがう。またいちばん大きい状態のサイズも菊判、四六判などがある。
日本の印刷は世界一といっていいが、印刷は所詮錯覚だ。画家が必死につくりだした色も、基本的にはB=黒、C=シアン(水色のような青)、M=マゼンダ(ピンクっぽい赤)、Y=黄色の四色で印刷される。この四色の濃淡の組み合わせで理論上はすべての色にちかい色が表現できる。19800円などでうっているカラープリンターなども理屈はおなじ。しかし、蛍光色や微妙な中間色はだすのがとても困難。その色でなく、明度や彩度がどちらかにころぶ。
ところで。色の名前といえばさまざまだが、いちばん種類の多いのは、まちがいなく青だろう。マリン、ターコイス、アクア、ネイビー、プルシァン、スカイ、ダーク、オーシャン、などなど。これらはすべてブルーがつく。ほかにも、宮沢賢治は青がすきだったということで、司修氏は『雪渡り』を青のカラーインクだけで描かれた。おかけで、じつに透明感ある絵本になった(こういう場合の透明感はTransparencyというのだ)が、われわれはこの青を賢治ブルーとかつてによんだ。また、ご存じのように北野武監督はヨーロッパで熱狂的に指示されているが、その画面は青が主でやはりキタノ・ブルーとよばれている。
日本語にも青の種類は多い。青 群青 水色。空色などをはじめ、秘色=ひそく、浅黄、あさはなだ、瓶のぞき……。これらは全部青。
ちなみに瓶のぞきとは、手ぬぐいなんかの色。今度お札になる樋口一葉の『われから』に「瓶のぞきのてぬぐい、それつときって……」というのがあります。
うーん、いつになつたら歌のはなしになるのだ。 つづく
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