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講演会*子どもがよい物語を持つこと |
09月21日 (日) |
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網干教会で行われた文化講演会
『子どもがよい物語を持つこと』
に行って来ました。
講師は太子町図書館元館長・小寺啓章(こでらひろあき)さんです。
小寺さんのプロフィール(案内より抜粋)
子どもの顔と名前と読書歴を覚え、いい面を伸ばす本を薦める。
児童書の世界で日本一と言われている太子町の元図書館長です。
全国から図書館関係者や児童書の編集者、作家などが訪れ、
84年児童文学者の石井桃子さんが立ち寄られ
「いい図書館ですね」と言って頂きました。
そして福音館書店の編集者、関根里江さんは
上司から「日本一素晴らしい図書館」と聞き見学に来られました。
それは蔵書の質の高さと司書の頭には利用者の読書歴がしっかり
入っていることに驚いた、と語っておられます。
~~~
講演というより、耳にここちよいおしゃべりといった感じで
小寺先生が今まで出会ってきたこどもたちのことを中心に
語られました。
その中でも印象的だったことをいくつかご紹介します。
★本は自由だからこそ楽しめる
最近は、教育の中に「読書」が組み込まれています。
もし主婦にも「読書推進」などと言って、朝の何時から何時まで
本を読みなさいと決められたら、楽しんで本を読めますか?
「読書」というと堅苦しい感じがしますが、読みたいときに
読みたい本を読んでこそ、読書を楽しめるんです。
★「長かった~」「疲れた~」というこどもの感想
学校などに読み聞かせをしにいくとき
こどもたちとまず約束をすることがあります。
「読んだ後、お礼を言わないこと」
「拍手をしないこと」
「感想文をかかないこと」
こどもたちにはおはなしの世界にどっぷり浸からせてあげたい。
読んだ後にすくっと立ち上がられて
「今日はどうもありがとうございました」なんて言われたら
「あ~、しっぱいしたなぁ」と思う。
「長かった~」「疲れた~」という声が出たら
「やった!」と思う。
どうしてかと言うと、こどもたちはおはなしを聞きながら
頭の中で絵を描いているのです。
だから、疲れて当然なんです。
★読み手も楽しめる
読んでいるほうはそういう子どもの感性に触れて
子どもの感覚を取り戻せる。読み手も楽しんで!
★本に出会うタイミング
字が読めるようになった子に
読みやすい本(大きい文字、少ない文章)を与えると
こどもは馬鹿馬鹿しくなって読む気をなくしてしまう。
文字の大きさ、多さで対象年齢を決めてしまわない。
登場人物とおなじくらいの年齢が最適。
こどもは前に向かって進んでいるので、後戻りはできない。
読書感想文を書くために7歳の男の子が『ちいさいうさこちゃん』
を借りていっても、読めても感想文は書けないだろう。
例えば『大草原の小さな家』のローラは5歳。
5歳の女の子に最適なのだから、親が読んでやればよい。
「本が好き」ということと「国語が出来る」ということは
イコールではない。
日本のこどもたちの「本に出会うタイミング」は
早すぎか遅すぎか、かなりずれていると思う。
★本屋には行かない
良質の本が厳選されている図書館にぜひ行ってください。
そしてその中でお気に入りの本があったら買ったらいい。
本屋にはこどもを連れて行かない方が懸命。
ためになる、というのとは少し違う、
「あ~、聞いてよかった、楽しかった^^」
という講演でした。
最後に質問コーナーがあったので
「小寺先生はたくさんのおはなしが頭に入っていらっしゃいますが
どのようにして覚えられるのですか?」と質問してみました。
「何度も読むことと、やっぱりわたしも頭の中に絵を描きます。
想像できないおはなしは覚えられません。」
とおっしゃっていました。
あ、ラボっ子と同じ^^と思いました。
小寺先生が勤めてこられた太子町図書館と、龍野図書館にも
足を運んでみたいと思っています。
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