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キャンプでホームシックになった子のこころのなか 08月10日 ()
 くろひめキャンプで、ロッジの低学年の男の子A君がホームシック。

 大学生年代のキャンパー、テューターたち、みんなで、それぞれの立場から関わる。
 「家に帰りたい。」
 「帰れないんだよ。」
 「近くに住んでるから、帰れる。おばあちゃん?に迎えにきてほしい。」
 そこまでの会話の過程を、どのTもそれぞれたどって、あとでみんなで苦笑い。なるほど、来たときは車でちょこっと送ってもらえば、帰れると思うわけだ~。

 ベテランTの分析が鋭かったのは、彼はロージーちゃんを持っていないので、その時間帯になると不安が増しているのでは?ということ。
 そのとおりでした。
でも、これから楽しみにすることについて話しているうちに、復活。
 人一倍楽しそうに笑ってはしゃぐ時間もあるので、安心。

何より、彼のすごいところは、翌日の姉妹ロッジ交流会。
 姉妹ロッジに、ホームシックなのか泣いている自分より年上風の男の子を発見するや、
かたわらで、なんとも優しく話しかける。
 それも手をかえ品をかえ、私たちでも思いつかないことを。

 どこから来たの?県外?
 お母さんに会えなくて、悲しいの?
 誰にもいわないから、いってごらん。
 友達ができないの?
 誰かに、いやなこと言われた? 
 友達になりたくないっていわれた?
 いやなことがあったの?
 ごはんが食べられないの?
 
そのひとつづつを、優しく穏やかに根気よく、聞き続ける。
でも、聞かれている男の子のほうは、しくしく泣いてるだけでノーアンサー。
 
さらに、聞き続ける。
 何か忘れ物した?たりないものがあるの?
 おじいちゃんおばあちゃんに会いたいの?
 ロージーちゃんで、やりたい役がないの?
 どこか痛むの?
 あと一日で、帰るんだよ。明日は、お母さんに会えるよ。
 
質問のあいま、あいまには、「誰にも言わないからいってごらん。」が入る。(近くにいた子も、質問内容の助け舟を出し、さらに質問は続いた。)

あまりに質問が続くので、泣いていた男の子も逆に戸惑い泣き止み、
横にいた私に、「こいつ、なんとかしてくれ~。」の視線を送ってくる。

 自分がホームシックだったからこそ、相手のこころのなかを推し量りこれだけのことを聞いてあげられるんだなと思う。
A君を普段、暖かく取り巻いている保護者、祖父母の方々の優しさも、その口調から伝わってくる。(ちょっと長野弁なとこが、また優しげにひびく。)

 そのとき、同時に、小5の男の子も、私の逆の横で、涙を流す。
「目が痛いだけです。」と強がる。同じ地区で、低学年では大泣きホームシックにかかってたことを知っているので、その強がりに成長を感じる。
 翌日、言い訳のように、「おれって、何もすることがないとだめなんだよな。思い出しちゃって。」
 確かに、そのときは、相手の発表を40分間見続けている時間帯。
7時すぎくらいで、家にいれば見ているテレビのことも思い出したらしい。

 ホームシックになった子のこころのなか、ちょっとのぞかせてもらいました。

 ちなみに、A君の一番はじめのホームシックのサインは、「かゆい。」でした。おうちにいるときは、虫刺されにお父さんが優しく対応してくれたことも思い出して、ここにはたよる人がいないと思ったのでしょうか。
 そんなことはない、悲しいことやつらいこと、やりたくないこと、できないことなどなど不安に思うことがあったら、何でも、テューターやシニアに話していいんだよ。
 悲しくなっても、泣いてもいいんだよ。それを、私たちにいってもいいんだよ。そんな話も、したなあ・・。

 A君、姉妹ロッジ交流会でのSBは、めちゃくちゃはじけて楽しそうでした。
乗り越えられたね。その過程では、家族以外の人だって、たよれる、甘えたっていい、自分に優しくしてくれる、そんなことを思ってくれたらうれしいです。

 人との距離が、いつもよりずっと近くなるキャンプ。
それは、そんな体験を積み重ねるからこそですね。
 
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