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英語を子どもに教えるな その1 11月20日 (金)
最近読んでいる『英語を子どもに教えるな』(市川力著)という本。
タイトルが少々衝撃的!ですが、英語を教える事自体をを否定しているのではなく、
「英語をこどもに教えるにあたり、知っておきたい事」という感じの本かなと思います。
まだ途中までしか読んでいませんが、前半部分で、おっ!?まさにラボ活動!と思った部分を少し書き出してみます。

『人間は適切な時期に適切な言語刺激を受け、それを積み重ねていかないと、ことばの能力を発達させることができない。
岡本夏木氏(「小学生になる前後―五~七歳時を育てる」著者)は、子どもの言語発達の研究を通じ、ことばには「一次的ことば」と「二次的ことば」とがあり、「一次的ことば」を十分発達させて「二次的ことば」を使えるようにしっかり結びつけていくことが小学校低学年での言語学習の核心であると主張した。

「一次的ことば」の特徴は、
◎現実的な生活場面で、具体的な状況と関連して用いられ、その場の状況的文脈に支えられて意味を伝達する
◎自分がよく知っている比較的限られた親しい人に使われる
◎親しい人との一対一の対話を通してコミュニケーションを深めていく

これにたいして「二次的ことば」の特徴は
◎実際に起こる現実場面を離れたところで間接的に表現する時に用い、状況の文脈に頼るわけにはいかず、ことばの意味だけで伝達する
◎自分の経験や状況を共有している親しい特定の人ではなく、自分のつくったプロットによって話を展開する
◎「話ことば」だけでなく「書きことば」も加わる

子どもは、まず「一次的ことば」を使い、親しい人との会話を通じて思考する。
しかし、この段階では、「話しことば」による具体的な思考しかできない。やがて、「二次的ことば」の使用に熟達すると、子どもは「書きことば」によって、具体的思考の世界だけでなく抽象的思考の世界の中に入って認識し、思考することができるようになるのである。
それでは、この抽象的思考を可能にする「書きことば」をしっかりと身につけるには、その前段階である「話しことば」をどのように伸ばしていかなければならないのだろうか。
この点について、ロシアの発達心理学者ヴィゴツキーは、幼児期において「話しことば」と「絵」と「身振り」とを統合して発展させることによって「書きことば」の世界が広がっていると指摘している。彼は、子どもが話しながら画用紙の上に何かを描くことや、手や身体を使って表現することこそ、書きことばを生み出す重要なステップであることを見出し、「身振り」は「空気中の文字」、そして描かれた「絵」は、「話しことばを基礎として発生する図解言語である」と解釈した。
ヴィゴツキーの研究は、「話しことば」による理解力を高めると同時に、言語以外の手段を使って表現力も豊かに育てていくことの重要性をわれわれに教えてくれる。
親はどうしても子どもに早く「書きことば」を覚えさせようとしがちである。しかし、岡本は、「一次的ことば」を軽視し、なるべく早い時期から「二次的ことば」を学習させようとすることを危険視した。
幼児期から小学校低学年までの段階では、文字の読み書きを直接的に教える以前に、生活の中での対話を豊かにしたり、本を読み聞かせしたりすること、そしてごっこ遊びを楽しく行なったり、絵を描いたり、粘土をいじったりといった経験をふんだんにさせて、豊かな「一次的ことば」の世界を形成することが何よりも大切であろう。そうすることが、抽象思考のためのしっかりした基盤となり、子どもはスムーズに「二次的ことば」を獲得できる。』

ラボでやっているテーマ活動、おはなし日記・・などなど、
まさに豊かな「一次的ことば」の世界を形成している活動じゃないか!!と心にビビビ~ときたのです!

この本は、アメリカで暮らす日本人の子ども達が、皆易々とバイリンガルになれると思ったら大間違いだよ~という事を教えてくれています。
日常会話は普通に出来ても、読み書きとなると、どちらも平均以下。
本当のバイリンガルになるには相当の本人の努力、家族の協力が必要である・・と。
こんな事を聞くと、我が家も熱心に英語教育をしている(つもりだ)けれど、英語も日本語も中途半端になってしまったら、どうしましょう!と焦る人もいるかも知れませんが、ラボと関係の深い慶應義塾大学名誉教授の鈴木先生いわく
「もっとも多くの人は外国語は便利だからとか、これからは国際化の時代だからなんていう浅い動機で勉強しても、どうせできるようにならないし、影響を受けるほど深くやるわけではないから、それはそれでいいんですよ(笑)」
とおっしゃっています。
英語教育に熱心なご家庭の保護者の方にはチョッピリ残念なコメントですが・・・
「外国語を勉強することは、じつは魂を取るか取られるかの真剣勝負。それを知らないで、自分の母語プラス外国語の力がつくと思ったら大間違い」
という先生の言葉が英語教育を追求すればするほど、納得。。。

バイリンガルに限らず、日本語だけのモノリンガルであっても、作文を書くにも、計算するにも、母語という基盤がしっかり育っていないと、いずれ大きな壁にぶつかることになります。
ことばを口に出して発することばかりに注目しがちですが、頭の中での思考は一つの言語に特定していないと混乱を招くことも多々あると思います。

本書では、
『母語も第二言語も「日常会話言語」レベルに止まり、「教科理解言語」の運用に問題がある状態を「セミリンガル」と呼ぶことがある。「セミリンガル」が差別的に聞こえてしまうのは、母語だけで教育された者は、無条件に「モノリンガル」と呼ばれるのに、「バイリンガル」教育で不都合が生じた場合だけ「セミリンガル」という呼び方をされるからである。「セミリンガル」を「教科理解言語」あるいは「二次的ことば」の運用に困難がある状態というふうに定義すれば、たとえ母語だけで教育されたとしても「セミリンガル」状態にある人は、子どもに限らず大人でもたくさん見られる。「っていうか~、ぶっちゃけ、チョーむかつくじゃん」という次元の会話しかできない人々や暴言を繰り返す政治家などは、冗談ではなく、すべて「セミリンガル」といってもさしつかえないだろう。』
と書かれてあって、ナルホド~と思ってしまいました。
上質なことばがたくさん詰まっているライブラリーに触れ、お話を深く追求して英語だけでない沢山の知識・経験を得ることが出来るテーマ活動はやっぱり素晴らしい!
単に「fluent」で話せることに何も価値はない。
英米人以外の人々が英語を話すときに期待されていることは、「fluent」に話すことではなくて「informative」な内容を語ってくれるかどうかである。


目先の成果を求めるのではなく、しっかりと母語形成することが大切というスタンスで真の英語教育しているラボに出会えて良かったな~と思う、、、今回も、いつもの このオチで。

また後半読んで、時間があったら「その2」を書きたいと思います。
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