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ゆきむすめ空へ 追悼 佐藤忠良氏 03月30日 (水)
うめ
 写真は前回紹介した兼六園で。紅梅白梅。もう桜の季節だけど…。
 最近は、夜に用がないときは17時半に夕食をとっている。
で、7時以降はなにも食べない。
基本的には母の家でぼくが調理しふたりで食べる。
一昨年の夏に父が他界してから、81歳の母がひとりで住んでいる。
といっても、ぼくのhomeから徒歩三分。
スープのさめない距離だ。
現役時代は、まったくできなかった親孝行もどきを
いまごろやっている。

しかし、母の手伝いという名目で
父が書斎というか物置のようにしていた部屋を占拠してしまった。
そこが三澤制作所の0ffice。
 先日24日は、ぼくの誕生日だったが、
「あたしがおごるわ」といって
ふたりとも大好きな寿司屋から出前をたのんだ。
食事が終わると母がポチ袋をだして
「これでなにか買いなさい」という。
いくつになっても、男の子は母親をこえることはできない。
まちがいない。
高村光太郎が母親の死に際して、
「なんという威厳に満ちた顔」と書いているが、
いまさらながら母にはかてないと思う。
母は若いときは、あちこち旅行をしたが、足が悪くなってからは
ほとんど遠出はしていない。
海外旅行もしたことがない。
ぼくは、仕事のおかけであちこち飛び回った。
青い地球のうえをうろうろした。
でも、孫悟空のように母という釈迦の手のひらからは
とびだせなかったのかもしれない。
※自分の子どもについては、ほとんど期待していない。
多分、ぼくの母もそう思っていただろう。
私感だが、子どもは零歳~5歳くらいのときの
無条件のかわいさ愛らしさで、
もう親孝行は十分していると思う。
それ以上を期待するから、いろいろ悩む。

 さて、今日も、そんなふうに17時半に母と食事をしたが、
読売の夕刊をひらいたとたん悲しい記事がとびこんできた。
偉大なる彫刻家であり、絵本『ゆきむすめ』『おおきなかぶ』の作者である
佐藤忠良氏が逝去されたのだ。享年98歳。老衰ということだ。
 つい先日、世田谷美術館での展覧会を見たばかりだったのに。
 
 氏の彫刻は「群馬の人」「帽子・夏」など、どれも明快な具象作品だ。
だが、それはとってもハイセンスで清心でおしゃれで力強い。
国際的評価も高く、日本人ではじめてパリのロダン美術館で展覧会を
ひらいたのは佐藤氏である。
ざんねんながら、直接お目にかかる機会はなかったが、
その謙虚で真摯な人柄はよく知られていた。
そして、名誉都民を辞退したり、独自の教科書編集に取り組んだりと
硬質な面ももちあわせていた方だ。
また、絵本「おおきなかぶ」は、あまりにも有名だ。
以前、ラボの『かぶ』にふれたときに書いたが、
ロシアの衣装や髪型などの考証において、
「ロシアのむかしばなし」として紹介するには事実と
一致しないといいう点から、ラボではあらたに斧かおる先生に
書き下ろしていただいた。
 ラボ・ライブラリーのスタンスからいって、それはやむを得ない
ことだったが、
氏の「おおきなかぶ」が、いまもたいへん多くの子どもたちに
愛されていることはたしかである。
「あれは、ロシアほちゃんと描いてないからダメな絵本」
などとはけして思わない。
 
 また、ひとり偉大なアーティストが世をさった。

 さて、このところ日記を更新する気に、なかなかならなかった。
この間の、震災、原発問題、そして支援のことなどを
軽々しいことばでは書けないからだ。
そして、メディアのことば、著名人のことばなどに、
いちいち「そうかな」と反応してしまう自分に疲労していた。

 生来のひねくれものだから、
「いまできること」なんてことばにも過敏になる。
 連休の中日に新宿駅にでたら、
たくさんの学生諸君が大きな声で募金活動をしていた。
みんな必死に声をはりあげている。
正直にいう。
その声のはり方に「こわい高揚感」を感じた。
そのまなざしのなかに「正義酔い」を感じた。
批判を恐れずに書くのだか、一人ひとりに
街頭募金活動という行動の根拠とモティベイションを
たずねて見たいとも思った。

もしかすると、ぼくの敵はぼくかも知れない。
でも、でも、
やっぱり「ことば」が気になる。
「被災地の人びとは、今もつらい思いされています!」

 そんなこと、わかってる。きみにいわれたくないよ!
とドニファンみたいにいったらいい過ぎかなあ。

 助け合う、救い合う、励まし合うことはたいせつだ。
しかし、正義の名のもとの高揚感には慎重になる。
かつてこの国は、アジアの平和のとめにといって
多くの若者たちが高揚して命をなげたしたのだ。
「~のために」はおそろしいのだ。
そして、かんたんに「がんばれ」ともいえない。

 こうして書きながら、未整理の愚痴をならべている自分に嫌悪する。
しかし、やはりたいせつなのは持続性だと思う。
あえて書くのだが、ぼくはかなり前からUNHCR
Office of the United Nations High Commissioner for Refugees
すなわち国連難民高等弁務官事務所に毎月1500円の
ドネイションをしている。
これはクレジットカードによる自動引き落としだ。
緒方貞子先生の講演を聴いて以来だ。
これは、ほんとうに微々たる協力だが、世界の難民の状況と
国力の割には難民をあまり受け入れていない日本に住む者として
の自覚から行なっている。
だから今まで人にいったこともない。家族にもいっていない。
ただ、こうした持続的な活動を静かに行なっている人は多い。

 だが、今回のような超大災害には、緊急支援の活動の
瞬発力も否定できない。
ラボでもラボランドから支援物資や古いシュラフなどを
提供したときいた。
いくらひねくれものでも、やっぱり「よし」と思う。

 また、ぼくの高校の同級生で福島県立医大病院教授の
宇川義一くんが、原発事故の影響を懸念しながら
不眠不休で被災者の治療にあたっている。
この病院は本来は、難病と重症者専門の施設だが、
今はそんなことはいっていられない。
高校の同期でメーリングリストをつくっており、
各分野の専門家の情報が整理されて流されてくる。
それをもとに、支援できることはなんでもやろうと
いうことになった。
ぼくの役割もありそうだ。

 先日、かなちょさんが、「震災と『うみのがくたい』」という日記を
書かれていたので訪問したが、
ライブラリーのなかには自然と人間をテーマにした作品が
じつに多いと思った。
もちろん、「捉え方」の問題でもあるけど。
順不同だが、列記してみよう。
『太陽の子パエトン』※前回も書いたが、これは本当になまなましいなあ。
『うみのがくたい』※海に消えた命への鎮魂。丸木俊先生が、生前、原子力と
人間は共存できないといっていたのを思い出す。
『大草原の小さな家』『雪渡り』『たぬき』『スサノオ』『妖精のめうし』
『鮫どんとキジムナー』※この物語は、ほんとうに救いのない結末なのだが
この物語が好きだ、やりたいという子どもは多い。

なんて書き出したが、とってもきりがない。まだまだある。

 これを書きながら『サケ、はるかな旅の詩』を聴いている。
この音楽にはいつも勇気づけられる。
 サケが生まれた河にもどってくるのは奇跡に近い。
サケのなかで、河にとどまったものはマスになった。
たしかに河は卵を生むには海よりは安全である。
だが、栄養的には海の豊かさに、かなわない。
そこで、ある日突然、遺伝子のスイッチがオンになり
若きサケは海へむかう。そして北の海で世界のサケが交流する。
しかし、その旅は突然、帰郷への冒険にかわる。
 傷ついたうろこを乱反射させて、けんめいに河をのぼる。
※中島みゆきの「ファイト!」という歌をきこう。

 この物語を聴くとき、サケたちの旅に思いをほよせて聴く方が
ほとんどだろう。当然だ。
 サケたちへの応援歌。
 でも、この物語は人間への、命への応援歌でもある。
サケたちは逃げない。
ぼくたちも逃げてはいけない。 

 佐藤忠良氏の追悼を書くつもりがいきおいあまってしまった。
『サケ、はるかな旅の師』のあとは『ゆきむすめ』を聴こう。
その次は、もちろん『大草原の小さな家』だ。
この「かあさん」役は、佐藤氏の遺伝子をうけついだ
ご長女の女優、佐藤オリエさんである。
Re:ゆきむすめ空へ 追悼 佐藤忠良氏(03月30日)
ちびままさん (2011年03月30日 23時04分)

本当に悲しいことが続きますね。

今、高学年で取り組む物語は?と考えた時、

自然からの警告というか、自然には人間は勝てないのだ、

ということをつきつけられているような目線でみてみると、

ラボのライブラリーはほんと充実していることがわかります。

そして佐藤さんの死。丸木俊さんの時同様

姿勢正して、残された作品を(ラボのCDを聴きながら)あらためて

鑑賞して、弔いをさせてもらおうと思います。
Re:ゆきむすめ空へ 追悼 佐藤忠良氏(03月30日) ・
ばーばーじゅこんさん (2011年03月31日 14時33分)

SENCHOさん
 ひろばらんでは はじめましてかな? よろしくお願いします。
 
 佐藤忠良さんの作品、主人が大好きなので世田谷美術館の展覧会 出
かけるつもりでした。でも、ちょっと遠いのでいきそびれてしまいまし
が、新聞で訃報を知り大変残念に思っております。もうだいぶ前になり
ますが、千葉の川村美術館で拝見し 圧倒されたのをおぼえておりま
す。

 そして昨日は 「大草原の小さな家」の伊勢英子さんの展覧会(31
日 今日が最終日) 今度は見逃すまいと世田谷美術館へいってまいり
ました。そういえば あのお話は、日本語の吹き込みは佐藤オリエさん
でしたね。

 SENCHOさんのサイトは ラボCD制作のあれこれ 大変面白く拝見させ
ていただいています。 
Re:ゆきむすめ空へ 追悼 佐藤忠良氏(03月30日)
かせだまさん (2011年04月11日 19時47分)

そうでしたか・・・

私も宮城出身で、宮城県美術館にも足を運ぶことも

あったので、ざんねんです。

何年か前、 電話で「ゆきむすめ」の話を

SENCHOさんと 一緒にしたと思います。

きゅっとした かっこいい先生でしたね。

ありがとうございました。
Re:ゆきむすめ空へ 追悼 佐藤忠良氏(03月30日)
keikoさん (2011年04月11日 21時13分)

「ジーンズ・夏」という佐藤忠良氏の作品が愛知県碧南市にあります。
それも文化会館の前、いつでも誰でも作品を見れ、さわれるところで
す。
http://www.city.hekinan.aichi.jp/tatsukichimuseum/public/02.html
たくさんの作品の中に「ゆきむすめ」と「ジーンズ・夏」が自分の手に
届くところにあると思うと、あらためてゆったり見る機会を作らなくて
はと思いました。このサイトで知りました。書いてくださってありがと
うございました。
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