幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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ロージーちゃん リリース! 12月04日 (火)
 いろいろとご心配をかけましたが,SK31の配送が始まりました。
絵本の入荷が遅れてどきどきしましたが,ともあれリリースです。
CD4枚,絵本六冊,テーマ活動の友,そして初版特別付録の谷川賢作さんの楽譜。
やっぱりゴージャスです(手前味噌かな)。昨日の全国ライブラリー委員会での報告に,
「音楽にくわしい新しい父母にこのSK31のことをいったら,『鼻血がでそうな人たちが
参加してるんですね!とびっくりしていました』というのがありました。
 確かに音楽はもちろん,吹込み者も含めて,鼻血どころが全身の血が
ふっとうしそうなメンバーでつくることができたのは,ほんとうに幸せです。
                ※
 絵本6冊のうち香港から船で送られてきたのが4冊,
"NIGHT KITCHEN"と"ROSIE"はニューヨーク発シカゴ経由の航空便!
ともあれほっとしています。
ラボ・ライブラリーのみならず,すべての表現作品がそうですが,
リリースされてしまえば作品は受け手のもの,すなわちラボっ子の
ものです。だから,つくり手が「このテーマは」とか「この物語の
メッセージ」とかのたまうのは「たわ言」にすぎず,
寝ころがって聴こうが,「こんなのいや」と
ほうりなげてしまうのも,聴き手の自由です。
とくに絵本作品は神宮先生もおっしゃるように,
みなさん「自分のイメージ」を強くおもちです。
だから,「これはちがうな」と思われたら
それで終わりみたいな不安もあるのです。
 ですが,DVDでもおわかりのように,ラボ・ライブラリーには
映画なみの人数と手間とお金がかけられています。しかもそれは
「量」だけではなくて,命とか情熱とか思いとか志といった,
数値でははかれない心の質が含まれています。
 だからだから,いっしょうけんめい受け取ってほしいなと
願うのは本音です。そして「よい読者」が小説家を育てるよ
うに,よい聴き手がラボ・ライブラリーを育てます。
 その意味では,ラボっ子は作家もうらやむようなすばらしい聴き手です。
それはラボっ子吹込み者選考会の熱気が証明しています。
ラボ・ライブラリーを育てるのはまちがいなくラボっ子です。
 さて,あちこちから問い合わせがきはじめたので,
「市販されている日本語版絵本とラボ・ライブラリーの
日本語のちがい」についてふれておきます(詳細は制作資料集)。
まず,絵本を翻訳するときに,まさかラボ・ライブラリーのように
対訳で表現されることを意識して翻訳する人はいません。
翻訳は作品の質と内実を保ちつつ日本語の作品として成立させる作業です。
その意味では「直訳は誤訳の始まり」とさえいう翻訳者もいらっしやるほどです。
 ラボ・ライブラリーでは,これまでも『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』
『ガンピーさんのふなあそび』『ギルガメシュ王ものがたり』『ヘルガの持参金』
『はなのすきなうし』などで,ラボ・ライブラリーならではの理由から日本語の変更を行なっています。
 その主な要因としては 
・誤訳! ・訳出していない(英語はあるのに,
その行に該当する日本語が約されていない) 
・訳しすぎ(原作で絵が十分語っていて英語がないのに,
日本語をつけたしている) 
・PC(パソコンではなくpolitical correctness
すなわち差別表現や性的表現=古い訳だとよくあったりする。
例=きちがい などl)などがあります。
どれも悩ましいことですが,とくに英日対応に関わる,
英語があるのに日本語がない,英語はないのに日本語がある
などというのはいちばんこまります。
 また,誤訳や差別表現も,ラボ・ライブラリーはテレビや
ラジオのように一度オンエアしてしまえば終わりではなく,
ラボっ子がくりかえし聴きくという特徴があるので,
やっぱりみのがせないのです。
 ですから,たとえば『十五少年』のようなオリジナル作品
ですと,英語も日本語もゼロからラボでつくめことができるので,
上記のような悩みは発生しません。
ところが,今回のようなよく知られた名作絵本では,
もしこうした日本語訳の問題が発性するととってもたいへん。
ですから作品の選定がたいせつなのですが,
前述のようにラボ・ライブラリーのような構造を意識した
翻訳などありませんから,悩まない絵本作品はほぼありません。
 したがって,ラボとして日本語を変更というかラボ・ライブラリー
にふさわしいものにする作業があるわけです。
その許可を日本語の出版社と翻訳者(故人の場合は遺族)
にとらなければなりません。これが一苦労です。
ある意味「この日本語はダメ」というわけです。もちろん
ラボ・ライブラリー独自の事情を説明しますが(出版社はラボ・
ライブラリーのことがわかっているところが多いので最近はすぐOK),
ぼくが翻訳者だったら「そんなこまでするのなら,録音そのものを
認めない」とおこっちゃいます。
某有名作詞家ではないですが「同一性保持権」(作品の変更を勝手
にさせない権利)がありますからね。
 今回,日本語を変更しなかったのは『まよなか』と『ピエール』です。
どちらも神宮先生の訳。先生は常日頃「原文以上に訳しすぎてもいけないし,
訳さないのもいけない」とおっしゃられているだけあって,すばらしい日本語です。
さすが。もちろん絵本のリズムということを意識した意訳の部分もあります。
その点をいくつか無礼にも質問させていただきしたが,
すべて明快なおこたえがかえってきました。
そのくだりはすべて資料集に書きます!
 そして先生からは「どうぞ,ラボでかえてください。
わたしよりいい訳がでるかも」とおっしゃっていただきましたが,
なんど検討しても先生よりいい訳なんかかんたんにはでません。
英語となんどもつきあわせ,この2編は神宮訳をそのまま使用
させていただいています。
 では,どの物語の日本語をかえたのいうことで以下に記します。
『ロバのシルベスターとまほうの小石』??に日本語はごぞんじ
瀬田貞二先生。これもすばらしい日本語ですが,固有名詞でgnat
(本来は虻の意だが,瀬田訳ではオケラ)やsasafrasなどの動植物
の訳の相違があること,また,行数上やむを得ないことのなのですが,
英語にあって日本語がい箇所が1行ありました。
 これについては日本語版元のご協力で瀬田家のご了解がいただけました。
『ロージーちゃんのひみつ』??日本語は中村妙子先生,
80歳をこえてもお元気で活動されています。石井桃子先生は100歳!
 この作品は会話が多いのですが,とくに音声上課題となったのは,
歌姫アリンダになりきったときのロージーのセリフにつく,
「~とロージーはいいました」の語りです。
センダックはsaid Alindaとアリンダ状態のロージーときっちり弁別しています。
これはおそらく,当時,中村先生と編集者が年少の読者への配慮から
「~ロージーはいいました」とされたのではないかと思います。
しかし英日対応のラボ・ライブラリーではラボっ子たちが
混乱してしまいます。
ほかにも,場面転換の部分などで英語にない日本語の説明がある点も
課題でした(日本語があまってしまうのです)。
これもまことに無礼なのですが,日本語版元にご相談し,
中村先生にお手紙をさしあげて,「ご提案の通りでけっこうです」
という返事をいただきました。それもこれも,子どもたちのこの作品を
音声でとどけたいという熱意が勝負というところです。
それが透明であればクリアできることは多いと信じます。
 そしてレオニ作品,谷川訳はあまりに有名,
『ひとあし ひとあし』の冒頭の説明が初版にはなく後で付け
加えられたことがわかったのはびっくりしました。
権利をもつレオニ氏の孫娘の「これは祖父の文ではありません。
ラボの発見に感謝します」というメールが印象的でした。
そしてきわめつきは『フレデリック』。
日本語版にも谷川氏が書かれていますが,「絵をたいせつにするため,
訳を一部省略」されています。
ところが,英日対応のラボ・ライブラリーはこれではたいへん。
しかし,なんといっても日本を代表する詩人谷川俊太郎氏の日本語です。
打ち合わせときに西村先生と谷川賢作氏に「じつは……」とご相談。
すると賢作さんは「ラボ・ライブラリーのつくり方は『寿限無』で
わかっています。ぼくからまず父に話すのがいいでしょう」ときっぱり。
10日後,みごとな新訳がとどきました。ありがたや! 
 なお,賢作さんいわく「全国で大小のコンサートをしてるけど,どこにいっても
コンサートおわりに『寿限無』の絵本を抱えた親子や女性がやってきてサインを
くださいとたのまれます。ラボのネットワークおそるべし」。
生まれたてのラボ・ライブラリーSK31。どうかあたたかく育てててください。感想もおまちしています。


  
Re:ロージーちゃん リリース!(12月04日)
まじょまじょさん (2007年12月04日 21時16分)

お久しぶりでございます。SENCHOさんの日記遡って読ませていただきま
した。作り手の思いがひしひしと伝わってきて、到着が待ちどうしくな
りました。そうそうたる芸術家・アーチストの皆様が、愛情と情熱
と、、それこそ魂を入れ込んで作り上げた作品を、しっかりと受け止め
たいと身の引き締まる思いです。
ロージーちゃんは、ありがたいことにパーティのラボっこほぼ全員が購
入してくださいました。SENCHOさんがUpされた数々のエピソードも是
非一緒にお伝えしたいと思い、この日記プリントアウトさせていただき
ます。
SENCHOさん、お疲れ様でした。お体お大事に!
Re:ロージーちゃん リリース!(12月04日)
しげちゃんさん (2007年12月06日 07時16分)

影のご苦労がよくわかりました。新刊ライブラリーがいっそう身近にな
りました。ありがとうございます。

現在、うちのパーティは幼児が多いこともあり(世代交代して)、全世
帯で購入することにしました。父母の反応が予想以上に良かったからで
す。親しみやすく人気のあるお話が6作品も入っていて、これはお得だ
と思われるようです。また、大きい子たちには、素がたりの題材として
もいいもではと期待しています。
まだ手元に届いていませんが、これから精一杯活用したいです。
Re:ロージーちゃん リリース!(12月04日)
とんかつ姫さん (2007年12月09日 00時08分)

SENCHOさんの、あ~大変、あ~苦労だ、があ~よかった、と言う達成感
になっているのが伝わってきます。

私もこの日記をプリントさせていただき、パーティのお母さん、お父さ
んに読んでいただきたいと思います。

深くて、長くてですが、ほんの数人の方とこの気持ちを共有出来るだけ
でも幸せですから!
Re:ロージーちゃん リリース!(12月04日) ・
おみやさん (2007年12月09日 00時29分)

はじめまして。
ときどきご訪問いただきありがとうございます。
いまわが家では家の前に車が止まるたびに
「ロージーちゃんが来た!」とこどもたちとわたしが
先を争って飛び出す毎日が続いています。
こちらの日記を読ませていただいて
さらに待ち遠しくなりました。
こどもたちのために、命を注いでライブラリーを作ってくださっている
みなさまには感謝しても足りないくらいです。
ありがとうございます。
Re:ロージーちゃん リリース!(12月04日)
やぎっちさん (2007年12月20日 05時36分)

はじめて訪問させていただきました。
今回のCD制作のご苦労が良くわかりました。
とんかつ姫さん同様、パーティのお母様方にお伝えさせていただかなけ
れば・・・・と思っています。

いいライブラリーと出会えてラボっ子もそうですが私もとっても幸せで
す。
Re:ロージーちゃん リリース!(12月04日)
carmenさん (2011年01月06日 17時29分)

いただいた足跡から参りました。なんとSK31はこのような思いでつくら
れていたのですね。非常に興味深く読ませていただきました。SK31の大
ファンなので!(我がP新入会の最低限4セットに組み込んでいます。)

膨大な量の面白そうなHPですね。ゆっくり拝見させていただきます!
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