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瀬戸内中年感傷旅団 その3 02月28日 (月)
おしろ しき
 写真は松山城(国重文)と、松山市内の子規庵にある正岡家の墓。
子規の遺骨の一部が分骨されている。花がたえることがない。
子規と漱石が過ごした愚陀仏庵もだすねたかったが、
昨夏の集中豪雨による土砂崩れで全壊してしまった。残念。

 四国の旅から帰った2日後、病院で検査をうけた。
一昨年の14時間という大手術のあと、
定期的にフォローしているのだ。
 この日は血液検査だけであるが、それでも検査はいやなものだ。
手術直後は2週間ごとの外来診察だったのが、4週間になり、
今は3か月ごとである。
 自分の病気のことを開陳するのは、この日記のテイストにあわないし
第一おしゃれじゃないので、これまであまり書かなかった。
これからもたぶん書かないだろう。
 ただ、最近「その後、おかげんはいかかですが」などと
メールや手紙などをいだだくので
ある程度の報告は定期的に必要なのかなとも思う。
 かくして検査の結果が一週間後に出た。先週の金曜日である。
通院したわけではない。電話でDr.からきいたのだ。
 主治医は都内の(財)医療公社のO病院の外科医局長のM医師。
この日の午前11時30分に電話するように指示されていたのだ。
代表番号に電話してその旨をオベレーターに告げると
すぐにM医師につながった。
 「ああ、Senchoさん、どうもMです。えーと、今データみますね。
うん、腫瘍マーカーも正常、肝機能、腎機能もいいですね。
予定通り次は5月のCT検査でいいでしょう」
「あの、血糖値はどうですか」
「HbA1cも域値内ですからだいじょうぶ」
 「あざあす」
 会話の表現の詳細には一部変更があるが、
内容は事実である。
 ちなみにHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)とは
血糖値の1~2か月の平均値である。
通常にはかる血糖値だと、前日から絶食したりすれば
一時的に低くごまかせるが、
HbA1cだと平均値なので生活習慣がそのままでる。
 ぼくは、2006年にストレスから高血糖症になり
一時インシュリンをうっていたことがある。
だから、最近食事の量もふえてきたので
ちょっぴり気になっていたのだ。

 ともあれ、電話による検査の説明は5分で終了。
どんよりしていた気分はすっきり。
検査結果が悪ければ
午後の予定であるマネージャーとの食事をかねた打ち合わせを
ドタキャンしてやろうとたくらんでいたが、
ゲンキンなものでいそいそと着替えて
調子にのって高いメシを食べてしまった。

 電話による診察はこれで2度目だが、
たいへん便利というか、ありがたいやり方だ。
交通費もかからないし、診察料もかからない。
多忙なDr.にとっても好都合だ。
 M医師が手をぬいているわけではない、
CTなやMRIなどの精密な検査をした場合は
データや画像を見せながら、
じつにていねいに説明してくれる。 
 ほとんど好奇心から、ろちゃくちゃ細かい質問をする
ぼくみたいなモンスターペイシェントにも
ひとつひとつ対応してくれる。
ありがたい。
 ただ、今回のような場合は電話で十分というのが
同医師のスタンスだ。
 まったく同感である。
どこの病院でもやればいいのに。

 一昨年、85日入院し、その退院直後に父が他界、
さらにその2か月後に義母が急逝した。
その間、日本の医療がかかえる様ざまな課題を
見つめることができた。
まさに身をもってである。
 とくに高齢者医療、老人福祉については
いいたいことが山やまもっこりだ。
この国は、ほんとうに豊かなのか!
なんて力むのはこの場にふさわしくないが…。

 人間だけが「医療」によって自然淘汰に抵抗する。
であるがゆえに、人類の経験をこえた哲学レベルの課題が
数多く生まれている。
尊厳死、臓器移植、胎児の性別判定、医療保険制度、
遺伝子治療…。
だからといって、ヒポクラテスの時代にもどれとは思わぬ。
医学、医療の進歩によって多くの命が救われ、
多くの苦痛が癒されたことはまちがいない。

 それにしても医師は、たいへんな職業である。
常に最先端の技術と知識を取り入れ、自らを陶冶しつつ、
日々、多くの患者とむきあう。
そして、前述のような倫理的な
その生き方

命題も背負わねばならず。
さらには。わずかなミスでも医療過誤で訴追されることがある。
医は仁術と気軽にいえる時代ではない。

 谷川俊太郎氏は「詩人とは職業ではない。生き方だ」
ということをいわれた。
 このことばで、へたくそな詩を中学時代から書いていたぼくは
「ああ、これで一生、詩をつくっていこう」と思った。
男って単純。
 冗談はさておき、医師はプロフェッショナルであるととともに
「医師という生き方」をどのように抱いているかが問われていると思う。

 ぼくは主治医であるM医師を尊敬している。
本人は怒るだろうが、見かけは冗談の通じないこわもての外科医だ。
しかし、その技術の正確性と医療に対する真摯な姿勢、
問題意識の高さには頭がさがる。
 M医師はぼくの14時間の手術(とうぜんだが、その間、飲食もトイレもなし)
を執刀してくださった。
 午後11時に終わり、ICU(母校じゃないほう)に運ばれたぼくは、
痛みでまったくねむれなかった。
 背中からの麻酔、さらにはかなり強い痛みどめを点滴しているのだが
ほとんど効かない。
 まあ、かなり腹筋をきっているからとうぜんだろう。
眠れる薬を点滴してもよいといわれたが、
逆に眠るのがこわかった。
身体はほとんどうごかせない。
 モニターの音が無機的に響く。
15分ごとに腕にまいたベルトがぎゅうっと収縮して血圧をはかる。
それで時間の経過がわかる。
まさに長い夜だ。
たぶん午前3時ごろだろうか。
2度目に入れた、別の痛みどめが効いて、かなり楽になった。
まったくねていなかったが、妙に元気だった。
後でわかったことだが、長い手術のときには
頭は寝ているけど身体はマラソンしているようなものなので
けっこう興奮系の薬もつかう。
それがまだのこっていると、術後ハイみたいになるらしい。

 そして朝がきた。明るくなり時計が見えた。
ああ、6時かと思ったところに、
M医師があらわれた。
「ああ、元気そうだね」というと、
モニターのデータを見て、
「これはもういいだろう」
といって、鼻から気管まで通っていた管を抜いてくれた。
※それまで、そんなのが挿入されているなんて気づいていなかったが…。
そのときM医師の目が真っ赤に充血していのに気づいた。
 医師が去ったあとで看護師にきくと
M医師はぼくのオペの後、そのまま当直されたという。

 14時間の手術だけでも人間業ではない。
スタジオでも14時間の集中作業はあるが、
休憩なしではありえない。
すごいなあ。

 話がどんどん重くにりそうなので、このへんにしておこう。
ともかくも、今は元気である。
 3か月単位で検査をするのが気が重いが、
まあ期末テストみたいなものだと思っている。
赤点とらなきゃいいや。

 さて、もうほとんど今回の日記も終わりに近いのだが
ライブラリーの話をまったく書かないと、
なんか極私的なカミングアウト大会に終始してしまうので、
ちょっとだけ。
 表現の原型みたいなことについて。
つまり、自己紹介とか、自分自身のアピールみたいな
セリフとか歌について。
 たとえば、『だるまちゃんとかみなりちゃん』の
「おれは男だ強いんだ」なんてところ。
それから、『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の
それぞれの車の歌。
 『ビーター・パン』1話の海賊の歌、ピカニニー族の歌、
ロストポーイズの歌。
 それから、『西遊記』の「弟子たち勢揃い」なんて
全体が自己紹介だね。
 『セロ弾きのゴーシュ』も動物たちが順番に自己紹介する。
そう考えると、ライブラリーのなかに、
こうした自己紹介、自己アピール的な表現はけっこう
たくさんあることに気づくはず。
 国際交流でもそうだが、自己紹介は表現の原型というか基本。
自分を語るのは難しいが、結局自分でやるしかない。
 基本であるがゆえに、けっこう物語の核というか土台になっている。
だから、その部分が元気よくできたりすると、
全体にテンションがあがったりする。
そんな見方もたまにはいいかも。

 最後に一句。
 松山城 梅のむこうで動かない。
これを城の写真とともにfacebookにアップしたら
ラボOBがひとり「いいね」をくれた。
Re:瀬戸内中年感傷旅団 その3(02月28日)
HITACHIさん (2011年03月07日 08時43分)

自己紹介という視点でのライブラリーの所、すごく参考になりました。
上げられたライブラリー意外も見つけてみます。
いつもありがとうございます。

定期検査の結果が良くてよ良かったです。
是非日記もよろしくおねがいします。
期待しております。
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