幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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緊急追悼 ネイザン・イングラム氏 北風のなかで振り返った笑顔がせつない。でも、もうすぐきっと春です。 01月15日 ()
すでにお聞きの方もいらっしゃるかもしれませんが
去る1月15日、GTS-1「ひとつしかない地球」でIf I Had a Hammerをはじめとする
数曲の英語の歌唱で素晴らしい声をきかせてくださっている
歌手で音楽指導者のネイザン・イングラム氏が1月15日、心筋梗塞のため
急逝されました。享年61歳。謹んでご冥福を祈ります。
イングラム氏は歌手として一流であるだけでなく、エイベックスの
音楽トレーナーとして安室奈美恵さんや高橋克典さんを育てています。
また、氏は福島在住で、震災後もまったく帰国せず音楽で人びとを激励
し続けました。そのお人柄にも多くの人びとがひかれていました。
黒人男性独特のリズム感と節回しに
編曲を担当された牟岐礼先生も大きなインパクトをうけたと
当時の機関誌や講演で語られています。

歌手は天から借りている声の期限がいちばん短いとは牟岐先生のおことばでした。
また、地上には彼のような音楽で人を励ませる者がまだ必要なのに。

彼の名前はGTS-1のテキストの巻末にクレジットされています。
ぜひIf I Had a Hammerを聴いてください。
彼もまた、ラボの趣旨に参道し心をこめて唄ってくださっています。
彼は亡くなりましたが
録音という形でいつでもその声を聴ける時代にいることに感謝します。

xtu7
タイトルと写真は、例によって何の関係もない。
というか、題はいきおいとふんいきだけで書いている。ヒドイ。
BGMは、ジャニス・ジョップリン。
そのしゃがれた、しかし、
圧倒的な声量と表現力が真冬に冷えきった心をゆさぶる。
ジャニスとファーストネームでなれなれしく呼ぶが、
この27歳という若さで夭折した歌手は、
今も多くのファンをひきつけてやまない。
彼女が活躍したのは1960年代だから、
若い世代は知らないかもしれない。
好き嫌いはあるかも。
だが、ぼくは白人女性ヴォーカリストでは
ジャニスをこえる存在はまだいないと信じている。

写真は2006年1月、ウェールズの首都カーディフの市場で。
これまで何回か紹介した『妖精のめうし』の英語録音で
同地を訪ねた際に撮影したもの。
ニコル氏じきじきに「おもしろいよ」と案内してくださった。
eaf@
上の写真が、その市場の入り口である。
とにかく冬場は日か短く天候がよくないし、当然にも寒いので
屋内につくられた細長い市場だ。
中は二階建になっている。
この魚屋さんは、この入り口近く。

カーディフは港町だから新鮮な魚がたくさんあがる。
ニコル氏いわく、欧米の人はふつう食べない海苔も
カーディフでは食するとのこと。
それも板海苔ではなく、岩のりのようにとろとろのままで勝負する。
「白いご飯にのせて、醤油をたらすと最高よ!」
※サイコウよのコウにアクセントをもってくるとニコル氏っぽくなる。

さて、今日は少しライブラリーのテキストについて書いてみたい。
といっても、たいした内容ではないからよろしく。
さらにテキストといっても、コンテンツやストーリィではない。
絵本テキストそのもののこと。
ようするに文字の話なので、つまんないかもしれない。

もちろん、ライブラリーの本質は、いうまでもなく音声である。
しかし、テキストは伊達や酔狂でついているわけではなく、
絵とともに重要である。
ただ、テキストはこう使いましょう、なんてマニュアルはないし
テューター・スクールでも研修でも
文字のことはほとんどふれないのではないだろうか。
※今はどうか知らないので、ちがってたらごめんね。

ご承知のように、ラボ活動ではテキストをひらいて
1行ずつ指導していくなんてないし、
テキストをよく見ながら、物語を聴きましょうなんてことも
ほとんどいわないだろう。
でも、テキストを見ながらライブラリーを聴く
状況は実際たくさんあるだろう。

幼い子でも、物語への興味から
文字と音声との関係に自然に関心をもつことはふしぎではないし、
絵本を見ながら、全体視的に文字も眺めているうちに
いろいろな発見をしたりすることもあるある。

そうした事象に対して特別な指導とか話し合いとか語りかけが
どの程度あるか、あるいはまったくないかは、
個々にゆだねられているからわからない。

ラボっ子はテキストの文字と、
たぶんぼくたちの想像以上に出会い、睦み合っていると思う。
そのことは音声言語ほどではないにしても、
貴重な言語体験となっていることもまちがいない。

単語ひとつひとつが独立していなかったり、
あるいは鏡文字だったりしても、
子どもが嬉々として「おはなしにっき」などに
絵とともに文字も書いてくるのはそのあらわれだ。

幸いなるかな、ラボではいちいち
「この文字はぎゃくだから、こう書くといいのよ」
みたいな大きなお世話をしてこなかったので
あいかわらずラボの子どもたちと文字の関係は
ゆるゆるでおだやかで、やさしい。

そもそも好きな物語をそのまま書いてみたいというのは
いつかも記したが、かっこよくいえばその作品へのオマージュだ。
シェイクスピアの翻訳で、さらに芝居好きの先生としても著名な
小田島雄志先生は、若き日、夏休みにせっせと
シェィクスピアの全作品をノートに書き写した。
ぼくも、中3のころから好きな詩人の詩を
一生懸命、へたくその極みの字で書いて、眺めて口ずさんだ。

そうすることで、その作品のたましいが自分のなかに
入り込むような一体感と
こんなすごい作品をぼくは知ってるんだぞと自分で確認することで
自己のアイデンティティを激励する高揚感を味わったのだ。

おそらく、幼いラボっ子の心にもおなじようなことがおこっている。
幼い子が「書き写す」のは、オマージュなのだ。
一流は一流を知るのだよ。
そりゃそうだね。幼い子ほど、最先端の情報とともに
古代からの累々とした遺伝子情報の蓄積をもっているんだから。
余談だけど、その意味でも幼子から学ぶことは正しい。

で、一昨年、ある小学校英語の研修でおどろいたのだが
分科会の質疑応答で
「楽しそうに学んでいる子どもが発音とか、
文字をあきらかにまちがえたらどうしますか」という質問がでた。
これに対して活動リポートをした教師は
「その場では指摘しません。記憶しておいて
くりかえすようなら指導を考えます」
とおこたえ。
するとすかさず
「では、最初に指摘しないでその誤謬(難しいことば知ってるなあ)が
化石化(そんなことばがあるんだ!)したらどうするんですか」
という議論になった。

ぼくは、冷や汗がでてきた。
「もしかすると、この小学校の先生たちは、
子どもはまちがえるもの、だからそれを矯正するのが自分の仕事
と思い込んでいるのか」

そこには、子どもから学ぶという意識は皆無なのでどん引き。
子どもはまちがう、教師が正しいという前提がせつないぜ。
まあ、本日のタイトルの真意はそのへんにある。

さて、幼い子でなくてもテキストは見るでしょう。
発表が近くになり、反則承知で
テキストの文字を見てセリフをおぼえた。
※もちろん、音声も聴いて補強するんだろうけど、
そんな経験がある人、正直に前にでなさい(笑)。
まあ、そうやって「覚えた」発表はすぐわかるんだよね。
ただ、これはある年齢になっていて
自分の発音が固まっていると、
CDの通りのつもりでも
その人の音になることは自然なこととしてあるから、
かんたんには評価できない。
それから、テューターでも高大生でも、
しばらく音声だけで物語とむきあってから
文字を見て
「えっ、こんなふうにいってたんだ!」とびっくりするのもあるある。

ぼくも『鍾乳洞のやみ』を聴いていて
「アラジンの宮殿」のくだりで、自分の聴きとりと文字の格差があり過ぎて
がくぜんとしたことがある。
もっとも『トム・ソーヤ』は全ライブラリーのなかでも
会話の部分のスピードはトップクラスだ。
それを楽々と身体にとりこむラボっ子はすごいと思う。
ぽいんと
で、上の写真は箸休め。これも初公開かな。
2006年の4月、ウェールズにいった3か月後
『サケ、はるかな旅の詩』の音楽録音でヴァンクーヴァーにいったときのもの
ニコル氏、間島氏(当時、シアトル事務所にいた。ヴァンクーバーまでは1時間、100ドルでこれるので助っ人にきてもらった)とともに写っている女性は
カナダ先住民(First Nation)出身のアーティスト、スーザン・ポイント氏。
彼女がこの作品の絵を担当した。

彼女はシャイでとてもすてきな方だが、とにかく映像をとられるのがおいやで
PVへの出演は固辞された。
でも、このアトリエには気軽に通してくださり、
この一枚だけは「いっしょにとりましょう」といってくださった。
あとは、別日の打ち上げのときのスナップだけ。
この日も、山奥の小屋で作品制作に没頭していたのを
わざわざ小型飛行機で戻って来てくださった。
スミソニアンにも展示室をもつ超多忙な彼女が
ラボのために作品を提供してくださることになったのは
ひとえに、ニコル氏と彼の長女でヴァンクーヴァー在住の
MIWAKOさんのおかけである。

じつは、ここからが本題。
ふだん眺めてはいても、さほど意識はしない
ライブラリーのテキスト絵本の文字のこと。
ご存じのごとく、英語だけのテキストもあるし
英日あるいは日英表記の作品もあるが、
これらの文字の割付(文字の配置)には原則がある。

滅多に語られることはないが、
秘密にすることでもない。

まず、ライブラリーに限らず本には余白、
マージンというものがある。
左右(綴じた側をノド、開く側を小口ともいう)、天地
どのくらいとるかは、装丁家がきめるが
この余白が多いほど高級感がでるといわれる。

ここで、ラボのテキストがすべて縦書きであることを
いまさらのように書く。
もちろん英語が入るので、ラボのテキストはどうしたって縦書きだ。
だが、日本語は本来は縦に書く言語である。
日本語の録音台本は、いうまでもなく縦書き。
横書きでは役者の生理にあわないし
呼吸も間もがたがたになる。
この日記もやむなく横書き。
だから、仕事の原稿は縦書きである。

もうこの時点で異質なものが出会っている。

話をマージンにもどそう。
ラボのテキストでは英語はマージンをこえる語まで
文がのびた場合は、そのはみだした単語ごと次の行におくる。
ハイフォネイションはしない。
文字に興味をもって子どもがテキストをみたときに
単語がスッキリ認識できるように。

また、文字間は文字のプロポーションにしたがうので
英語の行末はそろえない。
逆にいまでも文字間を調整して行の幅を揃えている
海外の雑誌ゆ本があるが、どちらかといえば少数派。

日本語については、一字でもマージンをこえたら
その文字だけを次行に送る。
ただし、読み点とトメマルだけはぶら下がりといって
はみだしてよいことにしている。
※これは、普通の出版社でもやっていること。

そして意外に気づかないのが、英日テキストの場合
英語の文字は日本語よりワンサイズ大きいこと。
これは、比較してみた場合、同サイズだと
日本語のほうが大きく見えてしまうからだ。
これは、日本語は原則として正方形にぴったり入るのだが
英語はそのプロポーションによって痩せて見えるからだが
母語は大きく感じやすいということもあるかも。
※ここでいう1サイズ上とは一辺が0.25mm大きいこと。

さらに行間というややこしい問題もある。
英語と日本語の行間、英語が折り返したときの行間、
日本語が折り返したときの行間、
さらには場面が大きく変わるとこの行間と
さまざまある。

もうあらかたの人には興味のない話題と思われるので
ここらでやめよう。
ただ、なにげなく見ているライブラリーの文字、
絵と違ってほとんど話題にならない文字にも
多くの心が込められていることも
書いておきたかったのだ。
長年、ライブラリーの装丁を担当されている
坂川栄治氏に、改めて感謝したい。

テキストの文字もよくみると発見があるはずだ。
『西遊記』の英語と日本語は文字の色が異なるが、
そんなぜいたくはこの作品だけ。
『ひとうちななつ』の主人公の仕立屋は
I で表記されているが、これが三人称的にあつかわれるため
イタリックになっている!
なんて、ほんの一部。

さて、最近、マザー・テレサのことに関わる機会があり
遅まきながらこの偉大な宗教家について学んだ。
かつて来日したときに彼女は
「近くで苦しんでいる人に目を向けず、遠くに援助するのは
偽善者です。日本は、もっと国内に手をさしのべるべきです」
と、おだやかに、しかし毅然として述べた。
いあわせた政府関係者、海外慈善に熱心な文化人たちは
凍りついたという。
彼女はこう続けた。
「愛は身近なところからはじまるのです」

Think globaly but act rocaly.

世界と結びながら、毎週、地域の子どもたちと
その人生にまでひたむきに関わるLabo Tutorの
存在意義を再々確認した次第。


各支部の総会と、春活動への鮮やかなスタートを
心より祈念する。
Re:北風のなかで振り返った笑顔がせつない。でも、もうすぐきっと春です。(01月15日)
HITACHIさん (2012年01月16日 17時31分)

いつも乍ら愛情あふれるSENCHOさんの言葉の数々!
うれしくて感動し乍ら読ませて頂いております。ありがたい事です。

現役で走っている今は、目の前の事で精一杯なので、テーマ活動の活字の大きさや配分の
こと一つにしても、そこ迄気が回りませんでした。
読ませて頂いて細かな配慮で作られている事が、良く理解出来益々愛着がわき、子供達と
の活動にも今迄以上に思い入れが強くなる様に思います。

これからも色々お聞かせ下さい!お願いします。楽しみにしております。
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