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風のなかで笑っているきみが好きだ 3年目の春がくる 祝木島氏受賞 02月19日 ()
たろー 
例によって、なんのこっちゃわからんタイトルで恐縮である。
写真はごぞんじ、音楽家・音楽指導者の木島タロー氏。
すでにショコラさんがこの日記で書いているし、
Facebookユーザーは彼のタイムラインやラボ関係のつながりで
ニュースフィードにのっているから多くの方がご存じと思うが、
木島氏が参加しているアルバムThe Music of Blacknessが
NACCP Image Awardを受賞した。

このところ、暗いニュースでばかりで日記を更新していたので
ひさびさの明るい話題でたいへんうれしい。
NACCPとは全米黒人地位向上協会/全国有色人種向上協会
National Association for the Advancement of Colored Peopleのことで、
ボルチモアに本部があるアメリカで最も古い公民権運動組織の一つだ。
英語の組織名としてColored Peopleという語彙が生残っている
稀有な例だ。1909年2月12日に設立されたが、
これはエイブラハム・リンカーン生誕の100年目に当たる。
この団体が1970年からさまざまなジャンルのアートに贈っているのが
lmage Awardで、黒人芸術のグラミー賞といわれるほど名誉なものだ。
今回はRecording部門の優秀World Music賞が木島氏が参加して制作された
The Music of Blackness に贈られたのだ。
おめでとうございます。

しかし、こういう名称の公民権団体が
まだ活動しなければならないのもアメリカの現実なのだ。
ぼくは、人種ということば意味がないと思っている。
なぜなら種とは交配が可能かどうかということであり、
昆虫は数百万種といわれるが、人類はどんな民族どうしも
子孫をのこせるから一種しかいない。
人種はしいていえば亜種に過ぎない。
肌の色、眼の色、背の高さ、言語などは
種のちがいではない!
したがって人間にSpecies
ということばをつかうのはむろん誤り。
これは動植物の種である。
ではraceということばはどうか。
Caucasoid, Mongoloid, Negroid, Australoid
というethnology、あるいはanthropology的な分類
に対応したことばである。
これを種と約してしまうのは、やっぱりまずい。
われわれはモンゴロイドであるが、そういう種ではなく
人類学的な特徴(肌は黄褐色、黒髪、黒目、乳児期にお尻に青い痣など)を
もっているにすぎない。
いわば個性である。
身体の障害が、個性であるととらえる考え方は、世界に浸透しつつあるが
いわゆるraceもまた、個性と考えるべきで
種ととらえるところに優劣の判断、そして差別が生まれる。
で、すなおに、木島氏のことを書けばいいと思うのだが
またもや悪い癖で話をそらす。

2月7日に、3か月に一度の血液検査をうけたが
じつは12月にフットボールの納会で
居酒屋の板の間に3時間すわっていたときから腰痛がするようになった。
激痛ではないが、にぶい痛みである。
Cancer Surviverにとっていちばんのストレスは再発と転移だ。
発症からほぼ32か月、今年の5月でちょうど術後3年経過する。
術後は1年にわたって経口抗がん剤を服用し、
それ以後は3か月に一度の血液検査、半年に一度のCTでフォローし、
これまではすべてクリアしてきた。
ぼくの場合、直腸がんであったから、
転移・再発の可能性が高いのは肺・肝臓・脳なとである。
しかし、いきなり骨盤や脊椎にとばない保証はない。
数%は可能性がある。
一応オペで悪性腫瘍はすべて摘出され
「骨盤まで念入りにけずりましたから」ということだが、
どこかに時限爆弾のように潜んでいないとはいいきれないのだ。

その旨をDr.に相談したら
「症状をきくかぎりでは、いわゆる腰痛だと思うけど、
骨シンチグラムの検査をしてみましょう」ということになった。
これは静脈から半減期の超短い放射性医薬品を注射し、
その薬が全身にまわった2時間後にシンチレイションカメラで
頭から足先までを撮影、
放射性医薬品が発するガンマ線をとらえて骨の状態を見るものだ。
これはCTやMRIと異なり、
薬を入れてから待ち時間があるのと
画像を得るため、撮影に20分から30分かかるのでちょっとめんどくさい。
それと保険適用で17000円くらいするので費用が高い。

検査は2月13日の月曜。
結果は、血液検査については電話で14日に、
骨シンチに関しては17日の金曜日に外来で説明を
きくことになっていた。

まずは第一関門の血液検査である。
11時30分に電話する約束だったが、
交換からDr.につながるまでタイムラグがあるからと26分に電話してしまった。
ドキドキ。フラゲである。
で、フライング電話をしたのだが、
Dr.もまちかまえていたようで
「三澤さん、血液は問題なし。腫瘍マーカーそのほかも異常値はないよ。
骨シンチも見たけどだいじょうぶ」
「じゃあ骨については金曜日に外来でうかがうことになってますが、
どうしましょう」「どちらでもいいですけど、
おこしになればデータをプリントします」
「ありがとうございました」

てなわけで、今回はかなり覚悟していたがセーフだった。
そんなわけで金曜日には病院に赴き、Dr.からデータをもらい
骨の画像もいっしょにみた。
自分の全身骸骨像を見るのはあまりいいものではない。
しかし、ホッとした。
その外来はあっというまに終ったので、
お茶をのんでから紀伊国屋書店をのぞき
ついでにバルト9という新宿3丁目のシネコンに足をのばして
「はやぶさ、はるかなる帰還」を見た。
渡辺謙氏が好きなのと、
※氏はもともとは『おどりトラ』『ドリームタイム』でライブラリーにも
出演されている橋爪功氏や故岸田今日子さんとおなじ演劇集団円に所属されていた。
その昔、といっても20年ほど前には昔のラボセンのとにりのビルに
円の事務所があり、稽古場も鳴子坂にあった。

音楽がピアニストの辻井伸行さんがでがけているので
それにもたいへん興味があった。
さらに、はやぶさのイオンエンジン開発責任者の
國仲均教授が母校である武蔵高校の大後輩であり、
昨年お会いしてその個性に感銘をうけたことも理由のひとつだ。
※昨年お会いした縁で、氏にはラボっ子を
JAXAの相模原キャンパスを案内していただき
そのもようが「ラボの世界」に掲載されたのはご承知だろう。

國仲教授は映画では山中教授という名で
江口洋介氏が演じるのだが、ちょっとイメージが…。
といったら本人におこられるかな。
辻井氏の音楽はいい意味で抑制がきいている感じがした。
もちろん、いいできなのだが、
もっと感情を爆発させた彼のベートーベーンの演奏のようなものでも
よかった気がする。
だが、エンディングロールに流れる
彼のピアノをメインにした音楽はとってもすばらしかった。

最近のシネコン、すなわちシネマコンプレックスは
(バルト9もその名の通りScreenが9ある)
音響がとってもいい。
映画はいうまでもなく映像芸術であるが、
やっぱり音(セリフ・実際の音・音楽)がものすごくだいじだ。
しつこいけど、やっぱり音なのだ。
だが、その音を導きだすものは
やはり脚本すなわちテキスト、まさに「ことば」なのだと思う。

その意味では、朝日新聞の女性記者役の夏川結衣さんが説明的ナレをするのだが、
つきはなした感じの語りが、あまり効果的ではなかった気がした。
あまり情緒的なのもクサイが、ちょっと平な感じかな。
夏川さんファンごめんなさい。

映画みながら、いちいちそんなことわ考えているんだから
めんどくさい奴である。
だから、映画は一人でしか見ない。

はやぶさについては、アニメやテレビでも作品化されだが
この映画がいちばん手とお金がかかっているだろう。
世界のKen Watanabeだからね。
しかし、渡辺氏はすばらしい俳優さんだ。
若いときに、ラボで仕事をしてほしかった。
ざんねん!

映画はストーリィ仕立てではあるが、
かなり科学的ドキュメントの要素もあり國仲氏の講演とポイントでは一致していた!
136分、この手のものといったら失礼だけど、
ていねいにつくられた映画だと思った。
はやぶさのことをちゃんと知りたい人、
日本の宇宙開発がいかに貧乏か知りたい人にはおすすめ。
そして宇宙開発の意味や問題点など、
いろいろとたいせな提起もふくのれている。

さて、やっと木島氏の話題である。
どうしてもタローちゃん、となれなれしく呼んでしまうのだが
ここはきちんと木島氏と書こう。
氏とはじめて出会ったのは2004年の春浅いときである。

GTS1『ひとつしかない地球』の制作のときである。
場所は東京芸大の教室のひとつ。
Winter Wonderlandほか3曲くらいのリハーサルだ。
GTS1全体の編曲と監修は、同大学の教授でもある牟岐礼先生だ。
いうまでもなく
先生の作品は『ノアのはこぶね』『バベルの塔』
『ジョン・ギルピンのこっけいなできごと』なとで聴くことができる。
クラシック畑の方にGTS1の編曲をお願いするのは
とょっと奇異な印象があったかもしれない。
ただ、いわゆるポピュラー音楽に「手慣れた編曲家」にはお願いしたくなかった。

なぜならラボ・ライブラリーだからである。
Songbirdsでも、そうだが
このライブラリーでもアコースティック、アンプラグド
すなわち電気楽器を基本的には使わないことにこだわった。
※一部のロック調のもの、たとえば「アリラン」
などのエレキギターはおもいっきり使っている。

話が飛んでもうしわけないが、この「アリラン」は韓国のロックのパイオニアである
ユン・ドヒョン氏と彼のバンドの作品だ。
2002年のサッカー日韓ワールドカップのKoreaの公式応援歌の
音源をそのままつかっている。

韓国でロックは長い間、「不良の音楽」「退廃の音楽」などと誤解され、
なかなか社会全体に受け入れられてはいなかった。
それに対して、ユン・ドヒョン氏は
地道なコンサート活動を続けながら
内容ある歌詞とすぐれた楽器をつくりだし
若者たちのみならず、ロックミュージックを韓国に
根付かされる礎を築いた。
「アリラン」にはいろいろな種類があり、
GTS1にも「ミリャンアリラン」も収録されている。

多くのアリランがあるが、共通するのはすべての
魂をふりしぼるようなLOVDE SONGである。
人を恋する詩。
これはどんな詩よりも強く、激しく、そして美しいと思う。

またまた話がそれるが、
905年に奏上された『古今和歌集』は醍醐天皇の勅命により
紀貫之、紀友則、壬生忠岑、凡河内躬恒が選者となった。
「万葉集」に入らなかった作品のなかから
「いいね!」というものを選んだのだが、
集めてみると、圧倒的に恋の短歌が多かった。
というより多すぎた。
で、勅撰和歌集でLOVE SONGばかりではまずいだろうということになり
この四名の選者たちが、恋以外をテーマにした歌を
自分たちでつくってバランスをとることになった。

そりもひとり20首以上つくることとなり、
いやはや、その苦労がたたったか、紀友則は完成を見ずに亡くなってしまう。

「万葉集」の「ますらおぶり」に対して「古今集」は「たおやめぶり」
つまり、女性的だといわれるが、
個人的にはそうかなあと思う程度だ。
「古今集」は清少納言も紫式部もすごく評価しているが
明治以降になって、子規とか和辻哲郎は
けっこうきびしいダメだしをしている。

こちとら専門家ではないから、好きな歌は好きかなあ。

ともあれ、「アリラン」は激しい恋の歌である。
この応援歌で韓国ティームはベスト4になったのだね。

この歌が音源そのままで仕様できることになったのは
韓国ラボのおかけである。
「ミリャンアリラン」はビクター音楽産業のご協力だが
それ以外の韓国の曲は韓国ラボのお力が大きい。
とくに「アリラン」については、当時の韓国ラボ理事長が
ユン・ドヒョン氏と懇意な関係にあり、そのおかげで
音源協力が得られた。ありがたい。

さて、木島氏にもどろう。
牟岐先生はクラシック、性格にいうと現代音楽、環境音楽がご専門。
だけど、そういう方がいわばスタンダードに近い
ポピュラーソング、フォークソング、ゴスペルソングの編曲をすることは
ライブラリーにとってはとってもだいじだと思った。

なんといっても、ライブラリーにおいて歌の作品は
物語にくらべてタイトル数は少ない。
だけどラボ活動においても、Very重要であることは
ぼくがいまさら書くまでもない。

あらためて力みながらで書くが、SinbirdモGTS1も
あくまでもラボ・ライブラリーであり、単にに
英語の歌のCDではない。
だとすれば、その内容、音は吟味されねばならない、
その時のはやりの編曲ではだめで
長く賞味期限がある、厚みのある音が必要なのだ。
ヒット曲を商業的につくるのでもなく、
英語であそぶ道具をつくるのでもないのである。

ちなみにSongbirdsμは、リリースされてからすでに22年がたつ。
ぜんぜん古くさくなんいでしょう!
自画自賛。なにせ2年かけてつくったからね。
広瀬先生、お空から見てるかな。

だからGTS1も厚みのあるしっかりとした西洋音楽の基礎に支えられた技術と
感性、さらにラボ活動への共感をもっている方にお願いしたのだ。

その牟岐先生が信頼する録音技術者の富さんという方がいる。
この方が、先生の「英語のポピュラー音楽の発音や歌唱の指導者がほしい」
という依頼にこたえて紹介したのが木島氏だった。
ぼくも、そのリハーサルに当然たちあったが、
ぼくはやや事務所を出るのが遅くなってしまい、
すでに牟岐先生と木島氏はリハーサルをはじめていた。

じつはその日、事務所を出る直前に宮沢和史氏のマネージャーから
「ラボ用の歌ができた! 事務所の社長があずかっているので17時に
とりにきてほしい」という電話があったのだ。

宮沢氏にラボ用の歌を依頼し、承諾は得ていたが、
いつできるかと気をもんでいるやさきのことだった。

そんなこんなで出発がおくれたが、
リハーサルを見るなり、ぼくは木島氏にほけこんでしまった。
「この人をラボの味方にするのが仕事だな」
そう思い込んだ。
で、リハが終るやいなや、失礼にもラボにぜひ協力してほしいとくどいた。
氏もその後、ラボとこんなにたくさんつきあうとは思いもよらなかったろう。

氏は自由の森学園から国立(くにたち)音楽大学に進み
演奏家、作曲家、音楽ブロデュース、合唱指導と
幅広く活動されている。
本人は謙遜してあまりいわないが、国連英検1級保持者。

GTS1の録音のとき、デニース・オーウェン先生と木島氏がふたりで
合唱指導されたが、デニースが日本語で木島氏が英語で会話するのが
なにかおかしかった。

ご承知のように、英語の中間母音はどうしても音がくらい。
それを、どう明るく発音するかが
英語のプロシンガーの一番たいへんなところだと木島氏。
たしかに、イタリア歌曲やドイツリートなんかと比べると
英語はer とかurみたいにこもる音が多いよね。

ともあれ、木島氏はスプリングキャンプでもワークショップを
されるとのこと。楽しんでほしい。
氏もまた、ラボ教育の社会的意義を理解し、
そしてラボっ子たちを心から愛してくれる専門家のひとりだ。

さて、来週の日曜日は「わかものフェスティバル」だ。
久しぶりにテーマ活動をみるぞ!
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