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夜明けの前がいちばん暗く 春の前がいちばん寒い 生命が息づく冬の森 01月31日 (金)
三澤制作所のラボ・カレンダーをめくる。
 明日からは如月、立春までわずかである。
 如月の語源は寒さゆえに「着更着」と有力だが、
それ以外にも草木出る月ということから「生更木」や
「草木張り月」が転じたという資料もある。
としそしと 
その如月を飾る絵はロシアを代表する絵本作家、
エウゲニー・ラチョフの代表作ともいえる『てぶくろ』に題材をもとめたものだ
描いてくれたのは柴崎凛くん(6歳/河内長野市・鈴木P)。
このカレンダーの年齢表記は制作時のものだから、
6歳ということ幼稚園「年長」だと思う。この春ピカピカの1年生だ。

さっき図書館からもどり、手を洗い、うがいをして深呼吸をしてからめくったのだが
しばらくその手をとめたまま見てしまった。
そして1月の絵に御礼をいって片付けると、
イスにすわって中距離からじっと眺めた。
そしてさらにカレンダーを壁からはずし、手にとって近くからじっくり眺めた。
それから台所にいってコーヒーをいれ、
またカレンダーを壁にもどしてじっくりと眺めた。
めんどくさいおやじだと自分でも思う。
egrf 
1月のももたろうのようにがーんとせまってきる作品ではない。
でも、ふしぎなあたたかさがじんわり伝わってくる。
物語は北の国ウライナの昔話。しかも厳冬期の森のはなし。
あくまでも暗い背景に雪がふりしきっている。
動物たちにつかわれている色も全体に抑制されていている。
だけどあたたかい。
そして複雑で不透明な色らもかかわらずさわやかな透明感もある。

動物のフォルムはいわゆる「絵のうまい子」
(うまい絵なんてないのだけどね)のそれではない。
通常の絵画展だったらあまりとりあげられないかもしれない。
でもそうしたぱっと見の形や色はとうでもいい話である。

じっくり見たまえ。
てぶくろは斜めになってるが、これはたぶん俯瞰のふんいきなんだろう。
実際の表現技術はともかく、
そうした空間認識をもっていることがすてきだと思う。
で、動物たちはずいぶんとざっくり描かれているように見えるが、
じつはこの物語のこの場面の要素をあまさず描こうとしているのがわかる。
これはなかなかの根気とパワーがいる。
さらにさっき手にとって見てほかったのだが、
てぶくろ内部の色も動物たちもたちも、
てぶくろにあがる階段いたるまで、かなりしつこく描き込んでいる。

そして絶妙な色になった背景(この色だけで入選といってもいいかも。
この色はどうやってつくったのか、
ある程度の偶然ともともとのセンスとのコラボか)も、
ただ塗り絵したのではなく、かなり思いをこめてていねいに塗られている
これは柴崎くんの年齢ではなかなかできない。
面積が広いからさあーっとやってしまいがちなのだ。

もう少しいうと、手袋の色の変化もたのしいし、
少しだけつかっているマゼンダとビリジアンがとってもあざやかで、
厳寒のなかにも春の予感がふやっとただよっている。これも美しい。

ここまで書くと、柴崎くんがこの物語をえらんだ経過、
彼の活動がどうだったのか。ぜひしりたいものである。
どなたか鈴木テュターほび存知の方よろしく。

ふしきだが冬の絵はこころがあたたかくなる。
雪が寒そうであるほどに、てぶくのわずかなぬくもりがいやますのだ。
いやはや柴崎くんまいった。

原作者のラチョフ自身もシベリア生まれである。
彼は1978年に、別のタッチで「てぶくろ」を描いた。
それを見るとまったき別人のようだ。
だか、どちらも彼らしい動きのある動物たちが愛情たっぷりに描かれている
cas
ラチョフというと協力な観察眼にもとづく正確な動物のデッサンと
その見事な擬人化のテクニックが評価されるが、
なにより彼の魅力は作品によせられる生命への惜しみない愛情にあると思う。
その点においては柴崎くんもまけてはいない!
Re:夜明けの前がいちばん暗く 春の前がいちばん寒い 生命が息づく冬の森(01月31日)
はらぺこさん (2014年04月02日 23時56分)

SENCHOさん
はじめまして。テューターの鈴木です!
最近、じっくり日記を読ませていただいています。
豊富な知識、次々とでてくるラボのお話の世界にわくわくしながら
ときどきチンプンカンプンにもなりながら読ませていただいています。
まだまだ背景、文化のこと、知らないことがたくさんあり、おもしろい
です。さて、この絵の作者は実は女の子、凛ちゃんです!絵を描くのが
大好きでノートもとても丁寧に描きます。この絵もとっても長い時間、
集中して描ききったそうです。お話は自分で選んだそう。パーティで
は、何ににもなる万能な茶色い毛布をてぶくろにみたててみんなでヒー
ターの部屋の毛布の中に汗かきながらもぐりこみながらお話を何度も何
度も楽しみました。絵本は特に好きでした。

今回、お写真を拝見させてもらいぐっとお近づきになれたような気がし
てメッセージさせてもらいました。新天地でのお仕事の合間に、こちら
の日記も続けてくださいね。いつもありがとうございます!
大阪 鈴木香奈子
Re:夜明けの前がいちばん暗く 春の前がいちばん寒い 生命が息づく冬の森(01月31日)
SENCHOさん (2014年04月03日 06時03分)

はらぺこさん
ご訪問ありがとうございます。
凛さんはやはり女性でしたか。たいへん失礼いたしました。
ご本人もおわびを伝えてください。
凛ということばは、「態度や容姿、声などか引き締まっている様」
なので、それ自体にジェンダーは関係ないのですが、
これだけ持続して「しつこく描き込む体力」を考えると
年齢から推測して男子かなと思ってしまいました。
また、この『てぶくろ』は登場するのが動物なので
これまたジェンダーはあまり影響しません。
6歳くらいは「性役割」がだいたいはっきりしてくるころ、
すなわち、男子は飛行機のオモチャを、
女子は人形を自然に手に取るようになっています。
一度、凛さんが『白雪姫』を描いたらどうなるか興味があります。
自由帳があったら一冊まるごと「お姫様」を描いてしまっても
おかしくない年頃ですから。
凛さんは、おそらくものすごい幼児のピュアさとストレートな想像力と
同時になにか飛び抜けて成熟しつつある感性ももっている気がします。
今後も注目です。
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