幼児教育・英語教室のラボ・パーティ
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ああいつになったら、物語は人生をこえるのだろう 02月28日 (金)
大雪が二度もふったが春がきそうだ。
けっこうつらいことも続いたけれど前をむくのだ。
少し私事を書く。
先日関西で「わかものフェスティバル」があった。
卒ラボ以来、ずっとみてきたが
今年はどうしてもスケジュールのつごうがつかなかった。
というのも自分でも年明けのころには
まったく予想もしていなかったことだが、
4月から新しいステージ、
新しい仕事に挑戦することがほぼきまった。
1月末オファーがあり、今月結論がでたのだ。
詳細は「おとなの事情」というわけでもないが
3月なかばにはお知らせしようと思っている。
でもきくと、なあんだというかも。
ともあれ、還暦を過ぎてもチャレンジというか、
責任のある仕事に参加するのは緊張する。
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三澤制作所のラボ・カレンダーをめくった。いよいよ弥生である。
弥生といえば『鏡の精』。などと書いていくとどんどん話がそれる。
例によってフライングだか、絵があらわれた瞬間、
どんよりした事務所がぱっと春めいた。
絵の力とはこういうことでもある。
作品はC. S, ルイスのファンタジー『ナルニア国物語』「ライオンと魔女と大きなタンス」に題材をもとめたものだ。
描いたのは小林咲絢さん(小1/郡山市・白岩P)。
お名前は「さくや」あるいは「さきや」だろうか。どなたかご存じ?
コノハサクヤと関係あるのかなあ。
bdth
とにかく、すかっとぬけて明るい色がきもちいい。
でも明るいだけでなく、色自体が力強い。
ぐっとせまってくるというか、ぐいぐい入ってくる色だ。
「色が強い」と感じるのはなかなかない。
たぶんそれは、色の選択だけでなく絵全体に力があるからで、
その力が色に集約されてでてきているのだろう。

背景の広大な緑のグラデっぽい処理、
ややうすくした空の青が奥行きをつくりだし、
まさに「異世界」としてのファンタジーにふさわしい。
ライオンを中心にバランスもすごくいい。
 
とにかく、これだけすきまなく描き込むのはたいへんな労力だ。
前述のバランスとあわせて彼女の年齢と体力からするとすごいことである。

『十五少年漂流記』や『魔法の馬シフカ・ブールカ』などの絵を担当された
かみや・しん先生は、「絵を描くのは心の練習みたいなもの」
とおっしゃられたが、
このような作品は描き手の心が
「描いていくうちらどんどん強くなった」のが手にとるように分かる。
のみならず、ぼくたち鑑賞する側の心も強くしてくれる。
そんな力をこの絵はもっているのだと思う。
少し斜めになったかんじもおもしろいぞ。
gererg
ライオンの咆哮もちゃんととどいてくる。
なにか叱咤されているようでもある。
さまざまなつらい事、
閉塞した社会情況にひざまずかされている
なさけない自分をふるいたたせてくれる。
 
フィクションやファンタジーを書くのは困難な時代だといわれる。
9.11や東日本大震災などのように現実におこることが、
人間の空想をこえてしまっていて、
それをのりこえる物語を「ことばでささえる」ことはけだしたいへんなのだ。
だが、現実をこえ、時代をうちぬく強力な想像力をもった若者は
きっと育っている。それを疑ってはいけないとこの絵は教えてくれる。

「嘘だ! と叫びたいこと」だらけの現在。
だが「本当だと信じたくなる」物語をあきらめてはいけない。
上質のフィクション、ファンタジーは人間に生きる力をあたえるのだから。

先週、ひさしぶりにラボの本部にたちよった。
ラボ・カレンダーをほしいという知人がいたので
一部売ってもらおうと思ったのだ。
「カレンダー1本売って」と総務部にいったら「買うなんてまあ水臭い」と
H氏がいうのでありがたくいただいた。
もう最後の1本だそうで、今年も好評とのことでよろこばしい。

その後、財団とかまわったが
たまたま時本会長がいらっしゃったのでしばらく雑談した。
時本さんが昨年秋、代表権なしの会長になられたとはきいていたが、
その思いをたずねると
「トップのひきぎわはトップがきめないと下がめいわくする」
とあざやかなこたえ。
時本さんらしいと思った。

その後、問わず語りに「若き日に、学生運動や労働運動に力をいれ、
権力や経営陣とたたかった。しかし自分が経営の責任者になるとき、
そのころの自分とどうおりあいをつけるのか悩み続けた。
転向したというのはかんたんだが、そんなことではすまない」
「若いときにもっていた変革への志は
すべて若気のいたりだったのかと全否定することは困難だ。
だが、一方で経営者である以上、その責任も大きい。
それはずっと葛藤として心にあったし、たぶんまだ総括しきれていない」
これも時本さんらしい。
基本的に誠実な人だとあらためて思った。
時本さんが社長になったときにはぼくはすでに病いにあり、
その後リタイアしたので、
彼が社長時代に仕事ができなかったのはややさみしい。

まさかそんな重たい話になるとはびっくりだが、
春から新しいことを始めることを伝えると「それはいいことだ」と激励された。
そして話題は現在の社会情況、政治情況にうつり、
いまの閉塞感、安倍総理の暴走についてはほぼ意見が一致した。

戦争や国際的な諍い、国民への圧迫、極端にいえばファシズムも、
加速度的にしかもひそかにやってくる。
そうした人間に内在する危険を常に認識できない人間は政治をすべきでない。
そのなかで二極化する貧富の構造、非正規雇用の割合が異常に高いといった
若い人の「出口なし」の環境は、
歴史にてらしてみてもとってもそうした危機の加速度をあげる。
都知事選で田母神氏が若い人の票をかなりあつめたことも
ひとつのあらわれかもしれない。
それから戦後リジューム、東京裁判などにも話がおよんだが、
最後はやっぱりラボの話になった。

「物語とことばによる育てあいの教育という
ラボが一貫してもってきた志を、
どのように新しい世代の事務局員やテューターにバトンタッチしていくかが
ますますたいせつだ。ただの『会社、企業』になったら
ラボはさらなる発展を期待するのむずかしくなる」

会長といっても週3日の閑職だよと照れ隠しに
自重気味にいう時本さんだったが、
やはりこの組織のことを深いところに
しっかり抱いているんだと感じてうれしくなった。

そう、ラボはゴールのないリレーをやっているのだと、
この数年観客席で旗をふっていたぼくは思う。
だが、この春からは観客席からはおりて、
別のフィールドで自分の試合をしようと思う。
でもかつてのフィールドのラボで学んだことが
その源泉であることは不変であり、旗を降り続けることはまちがいない。

「ラボでも学校でも、いろいろと学んだことを自らのなかにとりこみ、
自分なりに発展させ、なんらかのかたちで社会にフィードバックする。
そうなってはじめて教育は完結する。教育の真の目標はそこにあると思います」
とえらそうにいったら、時本氏は、うんとうなずいてくれた。

そう、ラボは結果が見えないというやつがいるが、
真の教育の成果をしめしている0Bたちがなんとおおいことか。
 
Re:ああいつになったら、物語は人生をこえるのだろう(02月28日)
HITACHIさん (2014年03月02日 15時36分)

4月から新しいステージ、新しい仕事に挑戦することがきまったとの事!
おめでとうございます。
心身ともに健康である証拠で流石SENCHOさんと、自分の事の様にうれしいです。
でもどうぞ無理なさらないで、積み重ねた経験と感性でスタートされる事を、、。

でもでもラボの応援団長(?)のSENCHOさんも、期待して居ります。
今後とも更新楽しみにして居ります。
Re:ああいつになったら、物語は人生をこえるのだろう(02月28日)
SENCHOさん (2014年03月02日 15時38分)

ありがとうございます。
3月20日くらいにはこの日記とFBで新しい仕事を紹介するつもりです。
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