ラボ・パーティが、「ことばの力」を育む上で最も大切にしている視点の一つに、「長期的な視野」があります。
現代社会では、教育においてもいかに「早く、効率的に」成果を出すかが注目されがちです。
我が子のこととなると、つい周りと比べて焦ったり、目に見える成果を求めてしまったりするのは、自然なことかもしれません。

しかし、ラボ・パーティでは「ことばの習得には時間がかかる」と考えています。
それは外国語だけでなく、母語も同じです。
厳密に言えば、母語でさえ「一生をかけて身につけていく」もの。
言語習得に、安易な「特効薬」は存在しないのです。

この考えに基づき、ラボ・パーティでは子どもの成長をテストの点数や資格のように目に見えるもので測ることはしません。
「ことば」は、その人の思考や感情、人間性の核となるものであり、点数で評価できるものではないと考えているからです。

分かりやすい指標がないことに、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
ラボ・パーティはテストという「点」で成長を測るのではなく、子どもが昨日より楽しそうに活動している、仲間と協力できるようになったといった、日々の変化という「線」で成長を見つめたいと思っています。

長期的に見ることで、難しい課題に粘り強く取り組む力、初めて会う子とでも打ち解けられる社交性、仲間の意見を尊重できる優しさといった、テストでは測れない「非認知能力」を育んでいることがわかります。
これらこそが、人生を豊かに生きる上で不可欠な宝物であり、私たちが育みたいと願う「ことばの力につながる全人的な成長」なのです。
私たち大人は、子ども一人ひとりの長い成長の物語に、最も近くで寄り添う伴走者でありたいと願っています。

ラボ・パーティの活動は、決して楽な近道ではないかもしれません。
しかし、豊かな物語に触れ、仲間と試行錯誤する一つひとつのプロセスが、子どもたちの「ことばの力」、そして「生きる力」を豊かに育んでいくと、確信しています。